太陽光発電の10年後

住宅用太陽光発電はFIT(固定価格買取制度)により、10年間は決まった単価で売電を保証されます。しかし、10年後にFITが満了したらどうなるでしょうか? それ以降の経済的なメリットを不安に感じていませんか?

この記事では住宅用太陽光発電は10年後からどうするべきか、FIT期間が終わってからの売電方法について解説します。

太陽光発電を始めて10年後はどうなる?

住宅用太陽光発電

結論から言いますと、10kW未満の住宅用太陽光発電の場合、FIT期間が終わったあとも「卒FIT」として売電できます。さらに、今までとは異なる電力会社の「卒FIT買い取りサービス」で、新たな特典を得ることもできます。

ただし、FITの売電単価と比べると、卒FITの単価はかなり安くなります。

例として、大手電力会社の卒FIT後の売電価格を見てください。

【大手電力会社3社の卒FIT買取価格】

事業者プラン名買取価格
(1kWhあたり/税込)
東北電力ツナガルでんき
(シンプル買取サービス)
9.0円
東京電力エナジーパートナー再エネ買取標準プラン8.5円
四国電力買取プラン7.0円

2010年に始めたFITの売電価格48円と比べると、卒FITの売電価格7円~9円はかなり安くなってしまったと感じますよね。

FITの価格が下がって、何だか損した気分?

損した気分

FITの10年間の売電価格よりも、卒FIT以降の売電価格は間違いなく下がります。この点に注目して「FITが終わったら損ではないか」と思われがちです。

とくに、30円以上で売電してきた方にとっては、卒FIT後の売電価格が10円以下にまで安くなることはショックかもしれません。

そして、売電価格は昼間に購入している電気料金よりも安いことに気づくと、抵抗感はもっと強くなるでしょう。とくに電気料金が高騰している今は、安い電気を売って、高い電気を買っている事実があります。

比べてみてください。
卒FITで電気を9円で売るのと、電力会社から買うはずだった31円の電気が0円になるのとでは、どっちが得でしょうか?自家消費して、電気を0円にするほうが何倍もお得ですよね。

逆にいうと、過去のFITはなぜあんなに高かったのか?
ポイントは太陽光発電の値段!

FITはもともと、高額な太陽光発電の設置費用を10年で回収させるための制度です。つまり、FITが終わった時点で、太陽光発電の売電収入で元を取る必要はほぼなくなっているはずなのです。

太陽光発電運用で電気代節約

太陽光発電の元が取れれば、あとは少額で売電してもまるごと収入になります。そして、2023年のように電気料金が上がり続けたときは、電気を自宅で使って節約するほうが、多くのお金を手元に残せます。

太陽光で発電して、蓄電池に溜めて使い切ることは、
家計の光熱費にとって大きな助けになります。

電気代の節約と自由な選択肢が手に入る

卒FITを迎えたら、電気の使い道は自由に決められます。

  • 自家消費する
  • 「卒FIT買い取りサービス」で売電する
  • 売電先を変えてポイント還元などのメリットを追求する

最もメリットが大きいのは自宅で使い切ることですが、余ってしまったら卒FIT買取サービスで売るとムダになりません。
FITの10年後は、太陽光発電の活用方法をあらためて見直せるタイミングともいえるでしょう。

https://www.tainavi-battery.com/library/172/

太陽光発電の10年後、「卒FIT」の後はどうすればいい? 4つの可能性

「卒FIT」の後はどうすればいい?

住宅用太陽光発電とFITを始めてからの10年後にオーナーが選べる太陽光発電活用法としては、主に4つあります。

以下で、それぞれについて紹介します。

今まで通りの会社に売電する

太陽光発電自家消費と売電

FIT期間が満了したあとは、引き続き大手電力会社に買い取ってもらうことができます。新たに売電契約を結ぶ電力会社を探す手間をかけたくない人におすすめです。

ただし、すべての契約が自動継続されるとは限りません。そのため、従来と同じ電力会社への売電を希望する場合でも、10年を迎えるタイミングで必ず契約を確認してください。FIT満了のタイミングで、電力会社から通知が届くはずです。

売電を継続すると「卒FIT」となり、大幅に買取価格(7円~9円)が下がります。売電を検討するときに重要なポイントをご紹介します。

ポイント:昼前の電気使用量を確認する!

テレワーク型の働き方や在宅の人が多い家庭は自家消費を考えたほうが良いでしょう。昼間の電気料金が高額なプランを契約している方なら、節約効果は絶大です。

お得な卒FIT買取の新電力に売電する

卒FIT買取の新電力に売電する

卒FIT後は大手電力会社に加えて、新電力会社に売電先することができます。

新電力とは新しく参入してきた電力会社のことで、大手電力会社よりも高い価格で電気を買い取ってもらえるケースが多いです。売電先の変更はできるだけ高く電気を売りたい人におすすめです。

新電力の卒FIT電力買取サービスの例を紹介します。
大手電力会社よりも1円~2円ほど高い買取価格になっています。

【FIT買取を行っている新電力会社と買取単価】

  • 出光昭和シェル:7.5~11.5円/kWh
  • JXTGエネルギー(ENEOS):8.0~14円/kWh
  • 生活クラブ生協:8.0~9.0円/kWh
  • 積水ハウス:11円/kWh(積水ハウスのオーナーであることが条件)
  • ミツウロコでんき:8.0~9.0円/kWh

※ 買取単価はプランや地域によって異なります

大手電力10社の卒FIT向け電力買取プラン一覧

太陽光の電気を自宅で使う、「自家消費」をする

自家消費

太陽光発電の電気をすべて自家消費するのは、卒FITの有力な選択肢です。

卒FITで売電単価が安くなるなら、電気を売るよりも自家消費して電気代を減らすほうが得になるからです。

FIT期間満了後の余剰電力の売電価格は、電力会社から電力を買うときの価格よりも安いことを確認してください。

自家消費は、卒FITの太陽光発電をお得に有効利用したい人におすすめの方法です。

以下の表で、大手電力会社の買取価格と電力量料金の比較を紹介します。

こんなに金額差があるなら自家消費をしたほうが賢明な選択かもしれません。

特に再エネ賦課金の上昇により、電気料金が年々高騰しております。
※2023年現在は、電気料金の約10%~20%が燃料調整費用や再エネ賦課金となっております。

売電 VS 自家消費、どっちがお得? 単価で比べてみよう

事業者売電価格
(1kWhあたり/税込)
電力量料金
(1kWhあたり/税込)
東北電力9.0円18.58円
※従量電灯B、~120kWhの場合
東京電力エナジーパートナー8.5円19.88円
※スタンダードプラン、~120kWhの場合
四国電力7.0円16.97円
※従量電灯B、~120kWhの場合

太陽光発電を自家消費に切り替える方法には、電気料金削減以外にも多くのメリットが得られると注目されています。

  • 売電する場合は買取価格が変動するごとに売電収入も左右されますが、自家消費では買取価格の影響を直接受けることはありません。
  • 太陽光発電を自家消費に切り替えると、近年増えている自然災害による停電時には、非常用発電源として活用可能です。
  • また、電力会社と契約しているプランのお得な時間帯などを気にすることなく、いつでも電気が使えます。

ただし、太陽光発電で全量自家消費にするための切り替えの工事費用や、蓄電池を導入するための費用が必要になります。

消費者同士で電力取引の可能性

スマホで確認

今後、実現する可能性があるのが「P2P電力取引」と呼ばれる仕組みです。

従来の売電方法が「電力会社を通して電気を売り買いする」だったのとは異なり、太陽光発電オーナーと消費者というユーザー同士が直接電気を売買できるようになるといわれています。

P2Pが実際に運用されている例としては、スウェーデンの大手電力会社バッテンフォールがオランダで実施している「PowerPeers」があります。さらに、ユーザー同士の取引を電力会社が仲介する「疑似P2P」の仕組みも模索されています。

ただし、運用例は世界でもまだ少なく、各国の企業が実証を試みている段階です。日本でも、経済産業省が未来に向けた研究や議論といった取り組みを開始しています。

住宅用太陽光発電設置のメリットとデメリット

住宅用太陽光発電設置
メリット

太陽光発電を設置するメリットとして大きいのは、電気料金を削減できることです。
太陽光で作った電気を自家消費すれば、高騰する電気の買電量が減ります。電気料金に含まれる再エネ賦課金もその分減らせるでしょう。また、停電時でも電気が使える安心感もあります。CO2を排出しないクリーンなエネルギーで、環境に良いことも大きなメリットです。

  

デメリット

太陽光発電のデメリットとして、初期費用が高い点があげられます。
そのため、運用開始から初期費用を回収するまでの期間をシミュレーションしておくことが大切です。太陽光発電は、長期間運用する機器のため、メンテナンス費用が発生します。また、発電量が天候に左右される点も、事前に想定しておくべき注意点のひとつです。

太陽光発電設置にはコツがある

太陽光発電設置

太陽光発電の設置を検討している方は、準備や設置後の対処法などのポイントをチェックしておきましょう。

設置前の準備では、発電効率の良い設置場所を選ぶことが大切です。

専門的な知識や実績が豊富な業者に依頼して適切な場所を選ぶようにします。

見積もりや契約に関する不安がある方は、タイナビ蓄電池の一括見積りがおすすめです。補助金や助成金にも詳しい優良業者が登録されているので、活用すれば初期費用を抑えられます。

タイナビ蓄電池では、設置後の電力自給率の変化や売電収入の実績、メンテナンスの方法なども提示可能です。設置を成功させるためには、初期費用をなるべく早く回収する必要があります。初期費用を下げたい方は、タイナビの一括見積サイトへご相談ください。

FIT終了後の対策に関するFAQ

FAQ
FIT終了後の売電や自家消費の拡大方法は?
小売電気事業者や蓄電池の販売メーカーなどに相談します。事業者によって買取単価などは異なるため確認が必要です。
蓄電池などと組み合わせて自家消費するのと、従来のように電力会社などに売電するのでは、どちらがお得?
電気料金や蓄電池の価格、買取メニューは事業者によって異なるため、利用する方ごとに電気の使い方を把握してから決めると良いでしょう。

太陽光発電を設置した人の口コミと評価

口コミと評価
  • 予想よりも発電効率が良く自家消費しながら売電もできた
  • 想定より劣化は進まず売電量を維持できている
  • 実績のある業者に依頼してスムーズな対応だった
  • 見積りの価格が妥当なのか判断できない
  • 他社の見積りと大きな価格差がある
  • 最近発電量が急に落ちてしまった
  • 予定していた発電量より少ない
  • 売電の収入が年々減ってしまっている

発電量への評価は分かれていますが、
事前に適切な説明やシミュレーションがあれば安心して運用できます。

売電価格が年々下がっているため、売電収入は減っており、自家消費への切り替えも検討するのがおすすめです。

口コミは最新のものを参考にするようにしましょう。

10年後の太陽光発電は蓄電でもっとお得になる

蓄電池を活用

2021年から高騰を続けている電気料金は、一般家庭の光熱費にも大きな影響をもたらしています。
電気料金の値上がりがいつ止まるかわかりません。しかし、それだけ太陽光発電の自家消費によるメリットが大きくなります。

自家消費ができる太陽光発電と蓄電池のセットは、電気料金の値上げに備えるのにバツグンの効果を発揮します。

電気自動車や蓄電池の導入

太陽光発電を設置した10年後からの自家消費率を上げるためには、電気自動車や蓄電池の導入がおすすめです。蓄電池があれば、昼間に太陽光発電した電気を貯めておいて夜間に使えるほか、災害時などに停電した場合の備えとすることもできます。

2023年は国・自治体から蓄電池の購入に多くの補助金がでており、この補助金は脱炭素を目指す日本として2023年以降も補助金が全国レベルで継続される見通しです。

また、太陽光発電を活用することでCO2削減に貢献でき、地球環境にやさしい暮らしの実現が可能です。

https://www.tainavi.com/library/4387/

太陽光発電はFIT期間が終わったあとも活用できる

太陽光発電はFIT期間が終わったあとも活用できる

FIT期間が満了する10年後以降も余剰電力の売電は可能ですが、注目されているのは電気の自家消費を進める活用方法です。蓄電池を活用すれば時間に関係なく太陽光発電の電気を自家消費できるため、太陽光発電をより便利に使えます。

蓄電池に興味が湧いた人は、適正価格で設置するために、まずは設置業者の一括見積もりができるタイナビ蓄電池を利用しましょう。最大5社まで無料で一括見積もりが可能です。

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