太陽光発電の10年後

住宅用太陽光発電はFIT(固定価格買取制度)により、決まった単価で10年間の売電を保証される仕組みになっています。しかし、10年後にFIT期間が満了すると、それ以降も経済的なメリットが得られるかどうかがわからず、不安に感じる人も多いのではないでしょうか。

この記事ではFIT期間満了後の売電価格や、住宅用太陽光発電を導入したら10年後どうすべきかについて解説します。この記事を読むことで、住宅用太陽光発電に関する不安を解消できるでしょう。

太陽光発電を始めても10年後はどうなる?

10kW未満の住宅用太陽光発電の場合、FIT期間は10年間です。このFIT期間が終わったあとも、売電は可能です。

このとき、FIT期間と比較すると売電価格は安くなります。以下の表は、一部の大手電力会社が設定する卒FIT後の買取価格です。

【大手電力会社3社の卒FIT後買取価格】

事業者プラン名買取価格
(1kWhあたり/税込)
東北電力ツナガルでんき
(シンプル買取サービス)
9.0円
東京電力エナジーパートナー再エネ買取標準プラン8.5円
四国電力買取プラン7.0円

このように、FITの売電価格が21円(2020年)~48円(2010年)であることと比較すると、卒FIT後の買取価格は大幅に下がります。

FITの価格が下がって、何だか損した気分?

FITの10年間の売電価格よりも、卒FIT以降の売電価格は間違いなく下がります。この点に注目して「FITが終わったら損ではないか」と思われがちですが、そうということではありません。

FITはもともと、太陽光発電の設置費用を回収させるための制度です。つまり、FITの売電価格は「10年間の売電収入で初期費用の元が取れるように」という計算で決められているのです。

太陽光発電の元が取れれば、あとは少額で売電してもまるごと収入になります。電気料金が増えがちなとき、太陽光の電気を自宅で使って節約する選択肢も、大きな有効性を持つようになります。

電気代の節約と自由な選択肢が手に入る

そして、卒FITのあとは余剰電力を売電するか、自家消費するか、売電先を変えてポイント還元などのメリットを追求するという選択を、太陽光発電のオーナーが自由に決められます。

つまり、FIT開始からの10年後は、むしろ、太陽光発電の活用方法をあらためて見直せるタイミングだといえるのです。

太陽光発電を始めて10年後はどうすればいい?4つの可能性

住宅用太陽光発電

住宅用太陽光発電とFITを始めてからの10年後にオーナーが選べる太陽光発電活用法としては、主に4つあります。以下で、それぞれについて紹介します。

今まで通りの会社に売電する

FIT期間は大手電力会社への売電が一般的でした。新電力も余剰電力の買取を行っていたこともあるのですが、制度変更で撤退したり、対象地域を制限したため選択肢がなかったというのが本当のところです。

FIT期間が満了する10年後は、引き続き同じ大手電力会社に電力を買い取ってもらうことが可能です。新たに売電契約を結ぶ電力会社を探す手間をかけたくない人におすすめの方法です。

ただし、すべての契約が自動継続されるとは限りません。そのため、従来と同じ電力会社への売電を希望する場合でも、10年を迎えるタイミングで必ず契約を確認する必要はあります。

違う会社に売電する

卒FITの電力は、数多くの新電力が買取サービスを提供しています。卒FIT後は大手電力会社にくわえて、新電力会社やメーカーに売電先を変更することができます。

新電力とは電力自由化以降に新しく参入してきた電力会社で、大手電力会社に売電するよりも高い価格で買い取ってもらえるケースが多いです。

そのため、売電先の変更はできるだけ高く電気を売りたい人におすすめの方法です。以下で、新電力の卒FIT電力買取価格の例を紹介します。

【FIT買取を行っている新電力会社と買取単価】

出光昭和シェル:7.5~11.5円/kWh
JXTGエネルギー(ENEOS):8.0~14円/kWh
生活クラブ生協:8.0~9.0円/kWh
積水ハウス:11円/kWh(積水ハウスのオーナーであることが条件)
ミツウロコでんき:8.0~9.0円/kWh
※ 買取単価はプランや地域によって異なります

消費者同士で電力取引の可能性

今後、実現する可能性がある売電方法が、「P2P電力取引」と呼ばれる仕組みです。

従来の「太陽光発電オーナーが電力会社に売電し、電力会社が消費者に売電する」という方法とは異なり、太陽光発電オーナーと消費者といったユーザー同士が直接、電気を売買できるようになるといわれています。

P2Pが実際に運用されている例としては、スウェーデンの大手電力会社バッテンフォールがオランダで実施している「PowerPeers」があります。さらに、ユーザー同士の取引を電力会社が仲介する「疑似P2P」の仕組みも模索されています。

ただし、運用例は世界でもまだ少なく、各国の企業が実証を試みている段階です。日本でも、経済産業省が未来に向けた研究や議論といった取り組みを開始しています。

自家消費する

太陽光発電の電気をすべて自家消費するのは、卒FITの有力な選択肢です。卒FITで売電単価が安くなるなら、電気を売るよりも自家消費して電気代を減らすほうが得になるからです。

FIT期間満了後の余剰電力の売電価格は、電力会社から電力を買うときの価格よりも安いことを確認してください。自家消費は、卒FITの太陽光発電をお得に有効利用したい人におすすめの方法です。

以下の表で、大手電力会社の買取価格と電力量料金の比較を紹介します。

事業者買取価格
(1kWhあたり/税込)
電力量料金
(1kWhあたり/税込)
東北電力9.0円18.58円
※従量電灯B、~120kWhの場合
東京電力エナジーパートナー8.5円19.88円
※スタンダードプラン、~120kWhの場合
四国電力7.0円16.97円
※従量電灯B、~120kWhの場合
住宅用太陽光発電

太陽光発電の10年後は蓄電でもっとお得に

今後も電気料金は値上がりしていくとみられているため、その分、自家消費の経済的メリットが大きくなります。

太陽光発電を設置した10年後からの自家消費率を上げるためには、電気自動車や蓄電池の導入がおすすめです。蓄電池があれば、昼間に太陽光発電した電気を貯めておいて夜間に使えるほか、災害時などに停電した場合の備えとすることもできます。

また、太陽光発電を活用することでCO2削減に貢献でき、地球環境にやさしい暮らしの実現が可能です。

太陽光発電はFIT期間が終わる10年後も活用できる

FIT期間が満了する10年後以降も余剰電力の売電は可能ですが、注目されているのは電気の自家消費を進める活用方法です。蓄電池を活用すれば時間に関係なく太陽光発電の電気を自家消費できるため、太陽光発電をより便利に使えます。

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