近年、環境への配慮から持続可能なエネルギーへの関心が高まってきました。この流れを受けて、多くの方がで蓄電池システムの導入を検討している現状があります。
災害など非常時の電源確保や電力コストの削減など、蓄電池には多くの利点が期待されています。メリットがある一方で蓄電池にはデメリットも存在するため、両面を知っておくことも大切です。
蓄電池のデメリットを初めから知っていれば、想定できるリスクを避けることや最小限に抑えることができます。
この記事では「蓄電池を導入するべきではないかもしれない」と感じる8つの理由について説明します。
記事を読むことで、蓄電池の後悔しない選びかたや最適な価格の蓄電システムを選択できるでしょう。
蓄電池設置を考える前に知っておくべきこと
一見すると蓄電池には節電や非常時の電源確保などの多くの利点があるように思えますが、実際のところはどうなのでしょうか。
設置費用やメンテナンス、寿命、性能などを総合的に考えると、蓄電池は本当にお得な選択なのか、という悩みも生まれがちです。
蓄電池設置を検討する前に悩みへの対処法を知れば、設置後の後悔を防ぐことができます。
蓄電池の基礎知識
蓄電池は充電式電池やバッテリーとも呼ばれ、電気を貯めて繰り返し使うことができる機器です。自動車やスマートフォンなど、蓄電池は多岐に渡って利用されています。
蓄電池の設置を考える方が最近増えているのには、停電対策や電気代節約などの理由があります。
特に、太陽光発電設置から10年が経過すると、固定買取期間の終了を迎えることから卒FIT対策として蓄電池導入を検討するケースが多いようです。
FITが終了すると売電価格が安くなるため、太陽光発電の電気を蓄電池に貯めて自家消費するほうが電気代を抑えることができます。
また、パワーコンディショナーの交換は10年が目安とされているので、太陽光発電にも対応できるハイブリットタイプの蓄電池が注目されています。
蓄電池のメリット
蓄電池には、非常時の電源として活用できることや電気料金を節約できるという大きなメリットがあります。
1.非常時の電源確保蓄電池があれば自然災害などの非常時に電源を確保できるため、停電が発生しても安心です。
停電によってエアコンが使えないと健康を害する可能性もあり、情報を得るためのテレビやスマートフォンなども使えません。
通常時から蓄電池に電気を貯めておくと、急な停電時にも必要な家電が使えます。
2.電気料金の節約蓄電池は、太陽光発電と連携して電気を貯めることができます。ハイブリットタイプのパワーコンディショナーなら、1台で効率良く太陽光発電と蓄電池の連携が可能です。
電力を多く使う時間帯を避けるピークシフトは、蓄電池を活用することで実現可能です。
- ピークシフトとは?
- 「ピークシフト」とは、電気使用量が少ない時間帯(朝・夜間)に電気をためておき、ピーク時(昼間)に使うことです。
一般的に、電気料金は電力使用が多い時間帯は高く設定され、電力使用が少ない時間帯は安く設定される傾向があります。
そのため、使用電力量が少ないときに蓄電池に電気を貯めておき、電力需要の多い時間帯に電気を使い、使用電力を平準化させることで電気代が抑えられます。
蓄電池をやめたほうがいい理由
メリットが多い蓄電池ですが、一方でデメリットも存在します。
両面を知って対処することをおすすめします。
理由① 設置に高い初期費用がかかる
経済産業省「定置用蓄電システムの普及拡大策の検討に向けた調査」では、2022年度における家庭用蓄電システムの導入費(システム価格+工事費)は13.9万円/kWhです。
蓄電池の導入費用は年々下がっています!
現在の相場は、容量やメーカー、販売店からの見積りによりますが、80〜200万円(税込)の間で購入することができます。
一般家庭で導入される蓄電池の容量は、家族構成にもよりますが、4.5kWh~15.0kWh程度です。
蓄電池の導入価格は140万程度となり、
補助金(約30万)を活用すると110万程度となります。
※導入価格約140万:(住宅用蓄電池目標価格14.1万円/kWh×9.8KWh)
※補助金約30万:(2.7万円/kWh~3.2万円/kWh×9.8KWh)
蓄電池の初期費用を抑えるには、
補助金を活用する方法や一括見積りで価格を比較する方法が有効です。
また、太陽光発電システムと蓄電池を同時に設置する場合、ハイブリッド型蓄電池の選択は長期的な視点で考えると経済的です。
ハイブリッド型蓄電池は単体型に比べると高額ですが、太陽光用と蓄電池用のパワコンを一台にまとめられるため、将来的に発生するパワーコンディショナー(パワコン)の交換費用を抑えることができます。
太陽光発電システムを既にお持ちの方で、10年ごとのメンテナンスでパワコンの交換が必要になるタイミングでは、ハイブリッド型への切り替えが推奨されます。ニーズに合わせてモード設定ができ、停電時にも出力が高く、変換ロスが単機能よりも少ないのも大きなメリットです。
最終的には、蓄電池を導入する際の選択は、個々の状況や将来の計画に大きく依存します。
初期投資は確かに大きな出費ですが、適切な情報と計画に基づけば、長期的な利益と安心を得られます。
以下の記事でハイブリット型蓄電池や補助金について詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。
理由② 保守・メンテナンスに手間がかかる
定期的な点検や保守が必要なことはデメリットに感じられるでしょう。
ただし、基本的に蓄電池には定期的なメンテナンスの必要はありません。
普段のお手入れは、通風口やフィルターのホコリや落ち葉などを掃除する程度で大丈夫です。
機器の稼働状況は、モニターなどのシステムを見れば異常がないかをチェックできます。故障などのトラブルがあった場合は、設置業者へ連絡すると機器保証を使って無料で対応してもらえるので安心です。
理由③ 長期間の使用で効果が減少する
蓄電池には、長期に渡って使ううちに性能が低下していくデメリットもあります。蓄電池は、サイクル数や使用期間で寿命の目安が示されています。
一般的な蓄電池のサイクル数は6,000〜12,000回で、サイクル数が多いほうが寿命は長くなります。
1日に1サイクルの場合、6.000サイクルの製品寿命の目安は16年程度です。
蓄電池は、基本的にはメーカーが提示している寿命を過ぎても使えます。ただし、最大容量や使用時間の減少など性能低下のサインが見られたときには、点検や部品の交換時期と考えられます。
理由④ 電気料金の節約が期待ほどではない
蓄電池で電気料金を節約するには、太陽光発電からの余剰電力や安い夜間電力(深夜電力)を買電して貯める仕組みを活用することが必要です。
蓄電池を導入する際には、より安くなるように現在の電気料金プランの見直しをしないと期待通りにならない可能性もあります。
理由⑤ 電力会社との契約トラブルになる可能性も
蓄電池を設置して現在よりも電気料金を安くするには、それぞれのニーズに合わせて適切な電力会社の電気料金プランを選ぶ必要があります。
夜間電力は昼間の電気料金を少し高く設定し、代わりに深夜の料金を安くする契約プランです。日中は出かけていてあまり電気を使わない方向きで、夜間の使用電力量が多いほどお得になります。
夜間電力は電力会社によって多様なプランが提供されているのも特徴です。
電力使用量や使い方に合わせたプランも提供されているので、ニーズに合うものを選ぶことができます。
夜間電力と蓄電池を併用すれば電気代の節約ができますが、契約変更による違約金が発生することもあります。電力会社やプランによっては契約期間が定められていることもあるので、プランを変更する際には契約期間の設定がないものを選ぶと良いでしょう。
理由➅ 悪質・経験不足による施工不良リスクがある
蓄電池には悪質な訪問販売の手口もあるので注意が必要です。
例えば「特別価格」「今だけの価格」といったフレーズで契約を急かせて、顧客の冷静な判断を阻む業者も存在します。
製品の性能や効果を誇張し不正確な情報を提供するケースや、断っても高圧的な態度でしつこく営業して、精神的なプレッシャーをかけてくる手口にも注意しなければなりません。
また、官公庁や電力会社などを装い、信頼を取り付けてから商材を売り込むパターンもあります。
悪質な業者や経験不足の業者を見分けるには、ほかの業者や製品と比較検討することが大切です。
購入する側が不利になる条件や高額な価格設定になっていないか、確認することをおすすめします。
さらに、インターネットで業者の口コミや評判を調べれば、ほかの人々の経験が参考になります。購入を決める前に、会社の詳細や製品情報をしっかりと確認しましょう。
「タイナビ蓄電池」では、経営の安定性や施工品質を事前審査し、しつこいセールスをしないことを約束した企業だけを紹介しているのが特徴です。
ご自分のニーズにぴったり合う業者が、数分の見積もり依頼だけで見つかりますので、業者探しの時間と労力を節約できます。
理由⑦ 適切な設置スペースの確保が難しい
蓄電池を設置するには、機器を置くための適切なスペースが必要です。特に都市部の住宅ではスペースが限られているため、設置場所を確保するのが難しいこともあります。
- ただし、近年では企業の技術革新が進みコンパクトな蓄電池が開発されています。
そのため、狭いスペースでも設置できる製品ラインナップから選ぶことも可能になってきました。
理由⑧ 太陽光の発電量が下がるケースがある
ハイブリッドタイプのパワコンを設置する際は、太陽光発電との相性も考慮する必要があります。太陽光発電のパワーコンディショナーの回路数よりも、蓄電池の回路数が少ないと発電量の低下につながります。
また、もとのパワーコンディショナーを外して交換するときに施工不良が生じることのないよう、信頼できる施工業者を探すことがポイントです。
蓄電池が向いていない人とは?
「設置して後悔した」
「思ったより電気代が下がらなかった」
蓄電池を設置したあと、後悔をしないために、購入前に蓄電池の使用には向いていない人をチェックしておきましょう。
昼間の電気使用量が少ない人
共働きなどで日常的に昼間に使う電力量が少ないご家庭が大型の蓄電池を設置すると、経済的なメリットが少なくなる可能性もありますす。
基本的に蓄電池は容量が大きいほど高額になるため、必要以上の容量の蓄電池を購入すると初期費用は高くなります。
電気を使用する時間帯にかかわらず、1日の電気消費量を見積もることが購入の第一歩です。必要な家電の消費電力量と使用時間を確認し、それぞれの使いかたに合う容量の蓄電池を選ぶようにしましょう。
停電がほとんどない地域に住んでいる人
停電が稀な地域にお住まいの方でも、最近の気候変動により、地震や台風といった自然災害が予期せず発生することが増えています。
これまで安全だと思われていた地域でも、
停電のリスクは否定できません。
特に、台風の通り道にある地域や、落雷や瞬電などで停電が起こりやすい場所にお住まいの方は、予期せぬ停電に備えることが重要です。
蓄電池を導入することは、電力供給が不安定な状況下でも、日常生活を快適に送るための保険となります。
特に、厳しい真夏や真冬には、長時間の停電が生命に関わるリスクを高めることがあります。小さな子どもや高齢者がいる家庭では、その危険性はさらに増します。
停電時にペットの命を守れるのは、飼い主しかいません。
多くの蓄電池は、日常的な電力需要には十分対応できますが、生命維持に必要な医療機器やデータ損失のリスクがあるデスクトップパソコンなど、特定の重要機器への供給は限られていることが一般的です。
しかし、NAYUTA「レムリア」のような製品は例外で、これらの重要な機器にも電力を供給することが可能です。このような製品は、万が一の事態に備えて、より広範な安心を提供します。
初期投資を避けたい人
蓄電池の設置には高額な初期投資が必要になるため、資金的な負担を避けたい方には不向きです。
利便性やエネルギーのコスト削減、災害対策など蓄電池の利点を理解し、自身のニーズに最もマッチする蓄電池を選ぶのことがおすすめです。
蓄電池を設置するメリットやデメリットを理解し、自身のライフスタイルや将来のプラン、リスクの許容範囲と照らし合わせながら蓄電池を選ぶようにしましょう。
初期投資を抑えながらご家庭にピッタリの蓄電池を探したい方は「タイナビ蓄電池」へ相談することをおすすめします。まずは相談だけでも大丈夫なので、お気軽にタイナビ蓄電池にお問合せください。
設置した後に引っ越しの予定がある人
現在の住居に短期間しか住まない予定の方は、工事費用などの投資コストを回収するのが難しくなります。
短期間の居住で初期費用を抑える方法として、蓄電池のリースやレンタルオプションもあります。
ただし、現在では蓄電池のリースやレンタルの業者は減少し新規契約を停止している場合もあります。長期間利用するなら購入するほうが安くなります。
また、短期居住の後で新しい居住地へ蓄電池を移設するオプションもあります。これには工事費用が発生しますが、新しい住まいでも引き続き蓄電池を利用できる方法です。
- 蓄電池と工事費用を合わせた費用は、条件によって80~160万円程度と幅があります。
蓄電池の設置工事は、基礎工事後に機器工事、機器の設定や試運転という流れで行われ、期間は1~2日程度です。
環境に適した設置スペースがない人
蓄電池の設置には適する場所の条件があるため、適切なスペースがない場合には何らかの対策が必要です。
- マンションで設置スペースに制限がある場合、どのような蓄電池を検討すればよいでしょうか?
- 室内設置が可能なコンパクトタイプの蓄電池を検討すると良いです。
特に、省スペースを意識した5kWh未満の小型蓄電池、高出力モデル、小容量で壁掛けができるモデルなどがおすすめです。
ニチコン、オムロン、京セラなどのメーカーから様々なモデルが発売されています。
太陽光発電を使っていない人
太陽光発電を利用していない場合は、蓄電池の効果を最大限に発揮するのが難しくなります。
高騰する電気の使用量を減らすには、太陽光発電で電気を作り蓄電池に貯めて自家消費する方法が効果的だからです。
太陽光発電は蓄電池がなくても運用できますが、蓄電池とセットで設置するほうが大きなメリットを得られます。
太陽光発電と蓄電池をセットで導入すると、太陽光発電だけで運用するほりも売電量は減少します。
しかし、太陽光発電で作った電気を蓄電池に貯めて、より多くの電気を自家消費できるので、結果的には電気料金の節約になります。
蓄電池設置を成功させるポイント
蓄電池の設置を検討する際には、利用する方の目的を明確にしておくのが成功の秘訣です。
まず、自宅や仕事に使う電力需要を把握してから、必要な蓄電池の容量を割り出します。
その上で、電気料金の削減や非常時の電源確保、再生可能エネルギーの利用など、蓄電池を導入する目的を明らかにするのがコツです。
蓄電池設置を成功させる方法として知っておきたいこととして、蓄電池設置にかかる予算の計画や法規制、補助金の利用などがあります。
適切な蓄電池の選定
蓄電池選びで大切なのは、容量や出力、サイクル寿命など製品の性能を確認してから自分のニーズに合ったものを選ぶことです。
その上でメーカーの評価や製品の信頼性について検証し、信頼できると判断したものを選択します。
製品の保証を確認することも大切で、保証期間やカバーできる範囲を忘れずにチェックしておくと安心です。
専門家との相談
蓄電池にかかるコストは、蓄電池システムとインストールにかかる初期費用のほかに、運用やメンテナンス費用も考慮して予算を計画するのが成功のポイントです。
長期に渡って運用する蓄電池は、保守やメンテナンスにかかる費用、電池の交換周期や寿命を考慮して、長期的な運用コストを計算します。
電気料金の節約額を含めたシミュレーションには専門知識が必要なので、専門家に相談するのがおすすめです。
補助金や助成金の活用
蓄電池の設置で気になるのは初期費用ですが、補助金や助成金を活用すればコストを抑えられます。国や地方自治体では蓄電池を設置する方に向けて補助金制度を設けているので、利用しない手はありません。
蓄電池の導入を検討するにあたって補助金を希望するのであれば、設置する前に早めに施工店に相談することがおすすめです。
補助金や助成金制度には一定の要件や期限などがあるため、初めての方には難しく感じられて敬遠する可能性もあります。経験豊富な施工店なら地域の制度や手続きなどに詳しいので、強力なサポートが得られるでしょう。
販売業者を選ぶのも重要ポイント
蓄電池は安価なものではなく、設置を検討する際には初期費用の高さやメンテナンスの手間など、悩むポイントも多いことでしょう。
しかし、本記事で紹介したように、どのデメリットにも対策があります。
個々ののニーズに合う性能の製品を選ぶことや専門家に相談するなど、必要な対策を取っていれば安心して蓄電池設置を検討できます。
初期費用などのコスト削減を目指すなら、一括見積りをとり、設置費用が一番安い施工店を見つけるのがおすすめです。
一括見積りなら業者同士の価格競争で、よりお得な価格で購入できます。
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