蓄電池の機種選びと容量の決め方

家庭用蓄電池の容量はどのくらい必要なのか、機種選びで迷ってしまうのではないでしょうか。各メーカーからさまざまな製品が発売されており、同じメーカーでも容量の違う複数の蓄電池が販売されていることもあります。

蓄電池の適切な容量は、蓄電池をどのように活用したいかによって変わってきます。どの家電をどれくらい使えれば十分かは、家庭によって異なるからです。

蓄電池は安い買い物ではなく、容量によって価格が100万以上異なります。ご自身に適切な蓄電池容量に失敗すると大損する可能性もあります。

必要な蓄電池の容量を検討するために知っておきたい家電に必要な電気の量と、スペックの見方を解説します。

フル充電で家電は何時間使えるのか?

フル充電の使用時間

家庭用蓄電池を導入する主要目的の1つは、「災害への備え」です。それだけに、「停電時、どの家電がどれくらい使えるのか?」というのは、蓄電池の容量を選ぶうえでの重要な判断ポイントになりえます。

ここでは、4人家族の家庭を例に、停電時、蓄電池に溜めた電力を使ってできることを解説します。

出力と容量の違い

蓄電池選びでは、「容量」や「出力」がポイントになります。蓄電池の容量、出力を考える時は、使いたい電気機器や家族構成などに合わせて決めましょう。

家電を長時間うごかせる「容量」

容量には「定格容量」と「実効容量」の2種類があります。

実効容量とはバッテリーの容量、つまり電気を貯められる量を指しており単位は「kWh」です。

蓄電池の容量は、接続した機器の使用時間に関係しています。容量が多い蓄電池ほど、家電を長時間使えるということです。特に、消費電力の大きい機器を長時間使いたい場合は容量が大きい蓄電池が必要になります。照明くらいしか使わないなら、容量の小さい蓄電池でも十分かもしれません。

定格容量とは規定された条件下で蓄えられる電気量のことで、「実効容量」とは実際に使用できる電気量を意味します。メーカーによっては実効容量の記載がない場合もあります。

蓄電池は蓄電容量が増えるほど、価格が高くなる傾向にあります。本体価格と設置費用は、蓄電池の販売・施工会社により差があります。一つの会社が提示する金額だけで判断するのではなく、いくつかの業者の見積もりを見比べて、より良いサービスをリーズナブルに選ぶようにしましょう。

電力を一気にたくさん使う家電をうごかす「出力」

蓄電池の出力は一度に出せる電力の量、つまりバッテリーから取り出す時の瞬間的なパワーのことをいい、単位は「kW」や「W」です。

電気を一度にどのくらい使えるかに関係しており、出力が大きいほど同時に使える機器が多くなります。貯水槽の大きさが「容量」、蛇口から出る水の量が「出力」とイメージすると分かりやすいかもしれません。

一般的な電化製品の出力

蓄電池を選ぶ際、普段使っている電化製品の出力がどのくらいなのか知っておくと、必要な容量を把握しやすくなります。

一般的な電化製品の出力(W)の目安は、次の通りです。

キッチン家電

冷蔵庫(40L)190W
電子レンジ1500W
電気ケトル250W
IH調理器(弱)700W

冷暖房機器

ホットカーペット(3畳用)800W
エアコン(暖房)750W
エアコン(冷房)650W
こたつ(弱)100W

その他家電

洗濯機(8kg)600W
テレビ150W
携帯電話の充電15W
パソコン100W
照明100W

製品によって必要な電力がかなり異なることが分かります。電子レンジやエアコンなど消費電力が大きい家電を使いたい人は、ある程度の容量のある蓄電池を選ぶべきです。ただ、停電時にガスが利用できる家庭はあえて電子レンジを使う必要性はないので、電子レンジなどの出力の大きいものは使わない方が良いでしょう。エアコンやIH調理器を使いたい人は蓄電池の容量はもとより、出力にも注意が必要です。

停電はどのぐらいの時間続くかわかりません。最低限の出力の家電を利用して、長時間使える事をまずは考えたほうが良いでしょう。

なお、同じ家電でも実際の消費電力は製品ごとに異なります。正確な消費電力についてはメーカーカタログや取扱説明書で確認しましょう。

https://www.tainavi-battery.com/library/734/
https://www.tainavi-battery.com/library/446/

「どんな目的で電気を貯めたいか?」から必要な蓄電容量を考える

蓄電池を設置する主な経済的目的は「余剰電力の活用」「深夜電力の活用」に二分されます。どちらの目的を優先させたいかを基準にして、蓄電池に必要な蓄電容量を考えましょう。

余剰電力を貯める目的の場合、太陽光発電の発電量や売電量と照らし合わせ、余剰電力の量から蓄電池に必要な蓄電容量を判断できます。

一方、電気料金が安い深夜電力を活用する場合は、ライフスタイルを振り返りましょう。家庭の電気使用量がどの程度になるかを考えれば、必要な蓄電容量を把握できます。

一日あたり、あるいは時間ごとの詳しい電気使用量は、電力会社の会員向けサービスで見られる可能性があります。現在ご契約中の電力会社のホームページをご確認ください。

太陽光発電の容量で選ぶ

太陽光発電で作った電気を蓄電池で活用するためには、発電する電力量と蓄電したい電力量を算出して選ぶ方法があります。1日の発電量と余剰電力量、消費電力量の目安を把握してから蓄電池の容量を決めると良いでしょう。

1日に発電する電力量の目安は太陽光パネルの容量の3倍程度(3時間程度)で、そのうち自家消費する分は3割程度と言われています。

例えば、太陽光発電の容量が4.5 kWの場合、発電量は13.5kWです。4.5kWを自家消費するなら、蓄電池の容量は9kWのものを選べば良いと判断できます。

太陽光発電を設置済みの場合

太陽光発電をすでに設置している場合は、固定価格買取制度(FIT)が終わっているかどうかで蓄電池の容量の選び方も違ってきます。

例えば、FIT終了前で電気料金が安い深夜に蓄電池に貯めておいて日中に使う場合は、夜に貯める分の容量があれば良いでしょう。

FIT終了後であれば、太陽光発電システムが稼働しない時間帯の分も貯めておくのがおすすめです。この場合は、安い深夜電力で貯める電力に加えて朝晩の時間帯の電力も貯めておくことになります。

安い深夜電力のプランに加入している場合、必要な蓄電池の容量は日中に使う電力量で算出しましょう。

太陽光発電が未設置の場合

太陽光発電が設置されていない場合は、深夜電力の分を蓄電池に貯める考え方で容量を選ぶと良いでしょう。

太陽光発電から貯める電力がないため、安い深夜電力の時間帯の電力を貯めておく分の容量があれば大丈夫です。この場合も、深夜電力が安いプランと契約していることが前提で、従量電灯プランではない点に注意が必要です。

https://www.tainavi-battery.com/library/306/

「何を何時間使いたいか?」から必要な蓄電容量を考える

具体的に使いたい家電およびその使用時間から、必要な容量を逆算して選ぶこともできます。たとえば、照明(100W)、冷蔵庫40L(190W)、テレビ(150W)を10時間使いたいと思った場合、必要な電力は合計440Wです。これらの機器を10時間使う時、必要な電力量は次のようになります。

440W×10時間=4400W(4.4kWh)

つまり、容量5kWhの蓄電池があれば余裕をもってまかなえる計算です。ただ、エアコンのように消費電力の多い家電を使いたい・使いたい家電の数が多い人は、もっと大きな容量の蓄電池が向いているかもしれません。

ただ、過去の使用量を必ずチェックして最適な蓄電池容量を知ることがまずは重要です。過去の使用量と今後使いたい家電の種類や数、使用時間を一度考えてみましょう。

容量6.5kWhの蓄電池でどんな家電がどのくらい使えるか?

4人家族の1日の電気使用量は、だいたい18.5kWhといわれています。停電時にこの全ての電力をまかなう必要はありませんが、最低限の暮らしに必要な容量は確保しておきたいところです。その目安といわれているのは、6.5kWh~7kWhです。

6.5kWhの蓄電池とは、次の電化製品(合計1220W)を、同時に5時間ほど使える計算になります。

  • エアコンの冷房(650W)
  • テレビ(150W)
  • 照明2部屋(100W×2)
  • 携帯電話充電2台(15W×2)

これくらいの容量があれば、たとえ1晩近く停電が続いたとしても、家電を使っていられるということです。猛暑でもエアコンが使えますし、冷蔵庫の中身を腐らせる心配もありません。情報収集に欠かせない携帯電話やテレビも不自由なく使えます。

停電がもっと長く続くと想定するなら、次の対策が考えられます。

  • もっと容量が大きい蓄電池を買う
  • 使う家電を減らす
  • 停電化でも充電できる手段を用意する(太陽光発電など

太陽光発電で蓄電池を充電できるタイプなら、停電が続く中でも充電が可能です。さらに、太陽光発電の自家発電で節電をすれば、いつもの電気代が少なくなります。

太陽光発電と蓄電池を一緒に使うメリットは、こちらの記事を御覧ください。

https://www.tainavi.com/library/790/

IHやエアコンを使いたいときは? 100Vと200Vの使い分け

出力に関しては、100Vタイプと200Vタイプのどちらを選ぶかがポイントです。一般的には100Vタイプが多いのですが、100Vの蓄電池ではエアコンやIHは使えません。IHやエアコンを使うには、200V対応の蓄電池を選びます。

真夏に停電が起きることも想定して、どちらのタイプにするかを決めましょう。

停電時の使いかたで選ぶ

蓄電池は「停電時にどのように使いたいのか」でも必要な容量は異なります。100Vと200Vを使い分けるほかに「全負荷型」と「特定負荷型」のどちらにするのかを考えることも大切です。

全負荷型は、停電時に家中の家電に蓄電池の電気を供給できるタイプです。急に停電が発生しても通常の生活ができます。

特定負荷型は停電時に使いたい場所を選んでおくもので、指定されていない回路には電気が供給されません。

一般的に、100Vの蓄電池は特定負荷型、200Vは全負荷型になっています。

出力と容量ってどのくらい? 主要メーカーの蓄電池 一覧

まず、主要メーカー各社の家庭用蓄電池の容量や出力について、確認してみましょう。

パナソニック

メーカー名パナソニックパナソニック
商品名・型番LJ-SF50BLJP25533K/LJP255338K
設置場所屋内専用屋外専用
停電時に利用できる消費電力と時間約265W程度/15時間約265W程度/32~72時間
充放電サイクル及び寿命目安3,000回不明
蓄電容量5kWh11.2kWh
定格出力電力不明3.0 kW
保証7年15年

SHARP

メーカー名シャープシャープシャープ
商品名・型番JH-WB1621JH-WB1711JH-WB1821/JH-WB1622
設置場所屋内・屋外兼用屋内専用屋内・屋外兼用
停電時に利用できる消費電力と時間約430W程度/10時間不明約430W程度/20時間
充放電サイクル及び寿命目安12,000回不明12,000回
蓄電容量4.2kWh6.5kWh8.4kWh
定格出力電力2,000W2,000W2,000W
保証15年15年15年

京セラ

メーカー名京セラ京セラ
商品名・型番EGS-LM1201EGS-ML0650
設置場所屋外専用屋内・屋外兼用
停電時に利用できる消費電力と時間約430W程度/23時間約430W程度/12時間
充放電サイクル及び寿命目安6000回/6000回
蓄電容量12kWh6.5kWh
定格出力電力2000W1500W
保証15年10年

オムロン・ニチコン・伊藤忠商事

メーカー名オムロンニチコン伊藤忠商事
商品名・型番KP-BU98-BESS-H1L1LL3098HOS
設置場所屋外専用屋外専用屋外専用
停電時に利用できる消費電力と時間約300W程度/29時間約430W程度/23時間約300W程度/24時間以上
充放電サイクル及び寿命目安8000回6000回6000回
蓄電容量9.8kWh12kWh9.8kWh
定格出力電力2000W5900W3000W
保証10年15年10年

4kW未満の比較的容量の小さいものから、10kW以上の大容量のものまで、さまざまなタイプの製品があることが分かります。

容量別おすすめメーカー

ここでは、蓄電池製品の蓄電容量別に、それぞれのおすすめメーカーを紹介します。

5kWh未満

京セラは3.2kWhのコンパクトなサイズの蓄電池を用意しています。「EGS-LM0320」は幅530mm×高さ650mm×奥行300mmとエアコン室外機程度の大きさです。

シャープは多彩な容量の製品を出しています。「JH-WB1621」は容量4.2kWh、サイズは500mm×605mm×360mmです。

もっと小容量で小さいサイズがよい方は、エリーパワーの「POWER YIILE 3(パワーイレ・スリー)」を検討してみてはいかがでしょうか。蓄電容量は2.5kWhでキャスターが付いているため、室内に設置しても掃除の時などもスムーズに移動できます。

5kWh~8kWh未満

家庭用蓄電池としては一般的な容量のため、選択肢も多くあります。

家電製品なども多く取り扱っている有名なメーカーの蓄電池を選びたい場合は、NECシャープ京セラパナソニックなどの蓄電池製品から選択が可能です。

ただし、設置できる場所や保証期間はメーカーによって異なりますので、その点も参考にして選ぶとよいでしょう。

8kWh以上

家庭用蓄電池でも、8kWh以上の大容量機種が、さまざまなメーカーから販売されています。京セラの「EGS-LM1201」は蓄電容量12kWhと、家庭用蓄電池としては最大クラスです。

家庭用蓄電システムの生産台数を大きく伸ばしているニチコンには、大容量機種の選択肢が豊富にあります。蓄電容量11.1kWhの「ESS-U2M」シリーズ、12.0kWhの「ESS-U2L」シリーズ、16.6kWhの「ESS-U2X1シリーズなどをチェックしてみましょう。

その他、健康家電で有名なオムロンも9.8kWhの蓄電池「KP-BU98-B」を用意しています。

https://www.tainavi-battery.com/library/172/

家庭用蓄電池は大容量化・低価格化している

家庭用蓄電池

「どの電化製品を、どのくらいの時間使えるようにしたいか」を考えると、必要な蓄電池の容量が自然と分かってきます。

必要最低限の容量の製品を購入するのもよいですが、家電をたくさん使うなら、ある程度大きい容量の蓄電池を買っておくと安心です。容量にゆとりをもたせることで、もしもの時の電池切れや電力不足に備えられるからです。

国は、エネルギー消費量の収支がゼロとなるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を後押ししています。

家庭用蓄電池に補助金を出す自治体も増加傾向にあり、太陽光発電システムなどを活用した電気の自給自足や自家消費が、ますます注目されているのです。

こういった状況も家庭用蓄電池が大容量化する背景の一つとなっています。それにともない、容量の大きい蓄電池の価格も安くなっています。

https://www.tainavi-battery.com/library/369/
https://www.tainavi-battery.com/library/666/

大容量の蓄電池のメリット

蓄電池の容量が大きいほど、停電した際に、さまざまな家電製品を使える時間が長くなります。つまり、停電中に電気の心配をせずに生活できることが最大のメリットです。

災害の多い日本では頼りになります。特に、家族の人数が多い家庭や、室温変化に弱い子どもや高齢者がいる家庭に便利でしょう。

また、大量の余剰電力を貯められるので、太陽光発電の自家消費に最適です。

太陽光で発電した電力を無駄にすることなく、再生可能エネルギーを有効活用できます。今後も電気代は高くなっていくと予想されますが、大容量の蓄電池と太陽光発電を併用することで電気の自給自足を促進でき、電気代削減対策にもなります。将来的には海外のように自宅で蓄電池に余った電気を誰かに売る事も可能となるかもしれません。

https://www.tainavi-battery.com/library/992/

大容量の蓄電池のおすすめ機種

ここでは、電気製品メーカーがそれぞれ販売している大容量の蓄電池製品の中から、おすすめの機種を2つ紹介します。

伊藤忠商事 スマートスターL

「スマートスターL」のスペックは、大容量9.8kWh、3kVAの高出力が特徴です。9.8kWh あれば、一般的な家庭の消費電力1日分に相当します。

また、IH調理器やエアコン、エネファームやエコキュートなど燃料電池にも対応可能です。停電時にも太陽光発電システムが稼働を続けることにより、電気を補充することができます。

停電時にもエアコンやIH調理器が使用できるので、オール電化住宅には特におすすめです。災害時の備えとして、また、電気の自給自足対策として活用できます。

https://www.tainavi-battery.com/library/839/

ニチコン ESS-U2X1

業界最大級の蓄電容量である16.6kWhを搭載しており、太陽光発電システムと一緒に使えば電気の完全自給自足を目指せる家庭用蓄電池です。

照明や冷蔵庫、液晶テレビや携帯電話充電器など、標準的な家電を長時間使えるため、非常時への備えとしても心強いといえます。

VPP(バーチャルパワープラント)にも対応可能で、将来の技術革新にいち早く対応する機種です。電気をずっとお得に使うのに適した蓄電池といえるでしょう。

容量別に価格を比較

メーカー各社の蓄電池製品の価格を蓄電容量別に一覧表にまとめました。

5kWh~8kWh未満の蓄電池の価格を比較

メーカー機種容量価格
京セラEGS-LM03206.4kWh150万円
シャープJH-WB16214.2kWh136万3800円
オムロンKP-S-B646.4kWhオープン価格

8kWh以上の蓄電池の価格を比較

メーカー機種容量価格
伊藤忠商事スマートスターL9.8kWh285万円
ニチコンESS-U2M111.1 kWh320万円
オムロンKP-BU98-B9.8kWhオープン価格

蓄電池の価格は、容量だけでなく、メーカーや容量以外の仕様によって異なります。

蓄電池の見積サイト等を利用した場合の相場価格としては、4kWhなら80万円程度が目安価格といえるでしょう。10kWhを超えると150万円以上になります。
2021年現在は、国や自治体から蓄電池に対して多くの補助金でており、更に安く設置する事が可能です。

同じ製品でも業者によって値段が違う!一括見積りで安く購入しよう

まずは、自分にとって適切な蓄電池容量がどのぐらいなのか?を複数業者から提案を受ける事でまず適切な容量(4kwh~12kwh)を絞り込む事が重要です。

同じ容量のメーカーの蓄電池でも、販売と設置を行う業者によって仕入額や工事に差が出ます。そこで、複数の業者を比較することによってお得な適正価格で設置できるのです。

最大5社からの見積りを比べて安い業者を見つけられるタイナビ蓄電池を利用し、お得に蓄電池を設置しましょう。