沖縄電力の卒FIT

沖縄電力はFIT期間の満了を迎える顧客に対し、期間が終了した後も余剰電力の買取を実施することを発表しました。2019年度の買取価格は7.5円/kWhで、沖縄電力エリアが対象です。

この記事では、沖縄電力の卒FIT向けプランの詳細や買取条件を紹介します。

また、プランを利用して太陽光発電の余剰電力を売電した場合に、年間収支はどうなるのかについてのシミュレーションも行いました。自家消費した場合の節約額も紹介しているので、売電した場合の年間収支と比較できます。

卒FIT後は売電と自家消費のどちらがお得なのかをチェックしてみてください。

沖縄電力の卒FIT向けプランの概要

概要:太陽光発電を含む、再生可能エネルギーで発電された電力を買い取るサービス

買取価格7.5円/kWh


特徴的な要素:
買取単価は年度ごとに見直される

沖縄電力の卒FIT向けプランとはどんなサービス? 

 

沖縄電力の卒FIT向けプランでは、2019年度の買取価格は7.5円/kWhと設定されています。ただし、今後は見直しとなる可能性もあるとしているので、定期的に確認するようにしましょう。見直しとなった場合の買取価格は、沖縄電力の公式ホームページに掲載されます。

沖縄電力の卒FITプラン向けプランの対象エリアは沖縄電力管内のみとされています。これまで沖縄電力へ売電していた場合は、自動継続となるので改めて手続きをする必要はありません。

ただし、契約期間はFIT期間が終了した年度の末日までとされ、1年ごとの更新になります。従来の契約は卒FITプランへと自動的に継続されますが、毎年契約の更新が必要であることには注意しましょう。

年間の売電収入はいくら?自家消費の節約額と比べてみよう

収入比較

沖縄電力へ売電する場合を想定して、年間の収支はいくらになるのかを計算しておきましょう。太陽光発電の余剰電力をすべて自家消費する場合についても、年間収支のシミュレーションが必要です。

自家消費した場合と比較して、どちらがお得なのかを検討することをおすすめします。

沖縄電力へ売電する場合の年間収支シミュレーション

太陽光発電の余剰電力を沖縄電力へ売電する場合 収支シミュレーション結果

  • 条件:太陽光発電の容量4.5kW、余剰電力3150kWh/年、買取価格7.5円/kWh
  • 年間収支の目安:1年間で2万3600円、1ヶ月で約2000円
  • ※実際の発電量は異なる可能性があります。

余剰電力をすべて自家消費した場合 収支シミュレーション結果

  • 条件:太陽光発電の容量4.5kW、余剰電力3150kWh/年、沖縄電力の従量電灯を基準にした場合
  • 年間の電気代節約額の目安:1年間で約8万1800円、1ヶ月で約6800円
  • ※実際の発電量は異なる可能性があります。

沖縄電力に売電する場合と、余剰電力をすべて自家消費する場合の差額は、年間で約5万8100円、1ヶ月では約4800円になりました。

このシミュレーション結果からは、売電するよりもすべて自家消費するほうがお得になることがわかります。

年間の売電収入と自家消費でどちらがお得?

沖縄電力で余剰電力を売却した場合と自家消費した場合の年間収支を、わかりやすいように以下の表にまとめました。

年間売電収入自家消費相当額差額
23625円81766円58141円

卒FIT売電と自家消費のどちらがお得なのかは、表を見れば明らかです。「売電」と「全量を自家消費」した場合を比較すると、年間5万8000円以上も自家消費のほうがお得であることがわかりました。

沖縄電力では、卒FIT後の売電価格があまり高くない上に、電気料金の単価が高めの設定となっていることが、このような価格差の一因でもあります。電気料金の単価が1kWhあたり22.95~30.47円と、卒FIT買取価格の3~4倍も高いことにも着目しましょう。

このことから、卒FITの太陽光発電はすべて自家消費することを検討したほうがお得ということです。

卒FITの疑問や不安を解消しよう! 

不安解消

ここでは、卒FITに関するよくある疑問について確認していきます。卒FITを迎えるにあたり、疑問や不安要素をなくしておきましょう。

まず、FIT制度は長期契約のため、期間が満了になる日はいつなのか、どのようにすればわかるのか、という疑問を持つ人も多いでしょう。

沖縄電力は、FIT期間が満了になる前に「太陽光発電からの電力買取契約の終了について」のお知らせを出しています。その書類の中で、契約期間の満了日を確認することができるため知らずに満了を迎えることはありません。

FIT期間が満了したら、具体的にはどうすればいいの?

沖縄電力へ継続して売電するために契約する、という方法以外に、ほかの電力会社へ売電する方法もあります。さらに、余剰電力をすべて自家消費する方法もあるので、さまざまな選択肢を検討しましょう。

FIT期間を終えても卒FITプランの手続きをしなかったらどうなる?

この場合は、沖縄電力が自動的に卒FIT向けプランの買取価格で、余剰電力を買い取ることになります。

継続買取になった後でも売電先を変更することは可能なのか、という点も気になるところです。買取契約が自動継続となった後でも、売電先を自由に変更することができ、その際の違約金は発生しません。

沖縄電力エリアの卒FITプランの比較

比較

沖縄電力エリアには、沖縄電力以外にも売電できる電力会社があります。それぞれの会社によって買取価格や条件が異なるので、沖縄電力と比較してみましょう。

沖縄電力エリアにある電力会社には、「おきなわコープエナジー」と「丸紅ソーラートレーディング」があります。おきなわコープエナジーの買取価格は、コープでんき契約者が8.53円/kWh、コープでんき未契約だと8.03円/kWhです。

また、丸紅ソーラートレーディングの買取価格は7.6円/kWhで、シャープ製の蓄電池を購入する場合には11.6円/kWhと高くなっています。

おきなわコープエナジーと、丸紅ソーラートレーディングでは、沖縄電力へ売電するよりも買取価格が高く設定されています。少しでも高く売電したい場合は、沖縄電力以外の電力会社へ売電することも検討するといいでしょう。

ただし、どの電力会社を選んでも、FIT期間中より売電収入が減ることは避けられません。太陽光発電の余剰電力をすべて自家消費した場合と、売電したときの節約額と、どちらが得なのか比較して卒FIT後の選択をしましょう。

沖縄電力へ売電するより自家消費のほうがお得

沖縄電力では、卒FIT後も1kWhあたり7.5円で余剰電力を売電できます。買取価格はそれほど高いとはいえません。この価格で売電した収入と、すべて自家消費した場合の節約額を比較したところ、自家消費のほうが格段にお得であるとわかりました。

太陽光発電の電力をすべて自家消費するには、蓄電池の設置が必要です。蓄電池は、補助金や一括見積りを活用して、できるだけ安く購入しましょう。

タイナビ蓄電池では、蓄電池の販売施工店を最大5社まで無料で見積りできます。見積もりするのは、実績が豊富で審査をクリアした業者ばかりです。お得で役立つ蓄電池を入手するために、ぜひ利用してください。