
販売終了して数年が経過したエコウィルですが、そろそろ買い替えが必要となるケースが増えてきます。エコウィルからの買い替えを検討しているものの、どの製品を選ぶべきかわからないという人は少なくありません。
今回はエコウィルの寿命や買い替え候補となる製品の価格、特徴を紹介します。本記事を読めば、エコウィルからの買い替えに関する疑問を解決できるでしょう。
エコウィル販売終了の理由とは
エコウィルには高額の補助金制度があったため、それが追い風となって導入する家庭が多数でした。しかし、2011年に補助金制度が廃止されたことにくわえて、エネファームなど、エコウィルと同様に発電も給湯もできる製品の価格が徐々に下がっています。
それに伴ってエコウィルの出荷台数が低下し、各ガス会社での新規販売申し込み受付は2017年9月30日をもって終了となりました。
エコウィルの寿命
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エコウィルは給湯ユニットと発電ユニットから構成されています。どちらのユニットも、寿命(耐用年数)は購入してから10年が目安です。
定期的なメンテナンスをすれば、10年以上、使用できるケースもあるかもしれません。しかし、購入してから10年もたつと故障や修理の必要が出てくる場合が多いため、買い替えを検討するには良いタイミングといえるでしょう。
エコウィルから乗り換えるなら?4つの製品を比較
ここでは、エコウィルから買い替える際の候補となる4つの製品(エネファーム、エコジョーズ、エコワン、エコキュート)について、それぞれの価格やスペックを紹介します。
各製品の価格とスペック
エコウィルやエコジョーズ、製品の価格とスペックを下表にまとめました。
名称 | エコウィル | エネファーム | エコジョーズ |
---|---|---|---|
動力 | ガス | ガス | ガス |
方式 | 家庭用ガスコージェネレーションシステム | 家庭用燃料電池コージェネレーションシステム | 潜熱回収型ガス給湯器 |
発電能力 | あり | あり | なし |
給湯能力 | あり | あり | あり |
貯湯タンク | あり | あり | なし |
販売価格 | (販売終了) | 200万円前後 | 30万円前後 |
名称 | エコワン | エコキュート |
---|---|---|
動力 | ガス・電気 | 電気 |
方式 | ハイブリッド給湯・暖房システム | 家庭用ヒートポンプ式給湯器 |
発電能力 | なし | なし |
給湯能力 | あり | あり |
貯湯タンク | あり | あり |
販売価格 | 80万円前後 | 50万円前後 |
販売価格は目安ですが、製品によって開きがあります。家庭によって最適な買い替え先は異なるため、各製品の特徴をくわしくみていきましょう。
エネファームの特徴
ガスを利用して発電すると同時に、排熱を利用して水を加熱し、お湯も作るしくみです。
エコウィルと同様に発電と給湯が自宅で可能なため、使い勝手がとても似ている点がメリット。発電に使うガス代もエコウィル使用時と同じくらいです。ガス会社によってはエネファーム専用の料金体系があり、光熱費の削減が期待できます。
エネファームの発電効率は40~50%超と、エコウィルよりも高めです。(エコウィルの発電効率は40%程度)電気をたくさん使う家庭においては、エネファームに交換することで高い費用対効果を見込めるでしょう。
ただし、エネファームの余剰電力を買い取ってもらえるかどうかは地域によって異なるため、売電をしたい場合は注意が必要です。また、他の製品と比べて製品価格が高額というデメリットもあります。
エコジョーズの特徴
エコウィルと同様、動力はガスを使用します。お湯を作るときに発生する排気熱を回収して、その熱で再びお湯を作るしくみです。
エコジョーズでは発電できませんが、浴室乾燥機や床暖房、キッチン、シャワー、浴槽への給湯や追い炊きをする分には問題ありません。よって、エコウィルを使用していたときに電気代をあまり節約できなかったと感じている人にとって、エコジョーズに交換するデメリットは特にないといえるでしょう。
エコジョーズでは貯湯タンクがない分、省スペースになります。お湯を使用する都度、加熱しながら給湯する瞬間式構造のため、タンクがなくてもお湯が不足する心配はありません。
エコジョーズは製品価格が比較的安いほか、ガス代の節約も期待できます。一方、エコウィル使用時に節約できていた分の電気代が月々、上乗せとなる可能性があります。
エコワンの特徴
エコワンはガスと電気を動力としています。お湯が必要な時はガスで瞬間的に沸かし、電気で保温するしくみです。
エコワンもエコジョーズと同様に、発電はできませんが、お風呂のお湯はりや追い炊き、床暖房や浴室乾燥機などを使う分には問題ありません。ガスと電気の組み合わせによって高い省エネ性を実現しており、給湯と暖房の両方において光熱費の節約が期待できます。
ただし、エコウィル使用時には節約できていた分の電気代が、月々上乗せとなるかもしれません。
エコキュートの特徴
エコキュートの動力は電気のみで、大気中の熱と電気を使って水を加熱し、お湯を作るしくみです。エコジョーズやエコワンと同様に発電はできませんが、浴室乾燥機や床暖房、給湯やお風呂の追い炊きはできます。
エコキュートは電気代の安い深夜にお湯を作るため(深夜帯の電気料金が安いプランに加入した場合)、電気代を節約できる点がメリットです。ただし、空気熱を活用してお湯を作るしくみのため、冬は夏に比べて電気代が上がります。
エコキュートを使えばガス給湯器に比べて光熱費を削減できるため、エコウィルの節電効果がいまひとつ感じられず、毎月のガス料金が高い人におすすめです。
停電時でも使えるのは?
エコウィルには「エコウィルプラス」など、停電時に自立運転できる機種もありました。そこで、買い替え候補となる4製品が停電時に使用できるかどうかについて説明します。
【エネファーム】
停電中でも発電が可能なため、電気とお湯を使用できます。ただし、停電時専用コンセントの設置工事が別途必要です。また、エネファームの発電停止中に停電した場合は、蓄電池などにエネファームの電源プラグを差し替えなければなりません。
【エコジョーズ】
停電時自立型の機種(※)があり、停電時でも給湯を使用できます。
※20 号セミオート GFK-S2030WKA-1、24 号セミオート GFK-S2430WKA-1、24 号フルオート GFK-S2430WKX-1など
【エコワン】
停電時には蓄電池の電力を利用してガス給湯運転が可能です。ガスの供給が停止した場合でも、蓄電池の電力で給湯運転できます。
【エコキュート】
断水していない状態でタンクにお湯の残量があれば、お湯を使えます。ふだんと同じように使用するためには、蓄電池を利用するとよいでしょう。
電気を貯めるに特化した蓄電池も検討しよう
エコウィルは、そろそろ買い替えを検討するべき時期です。エコウィル以外にも多彩な省エネ型給湯器が出ているので、光熱費や特徴を比較し、ライフスタイルに合う製品を選びましょう。
近年は大型災害や停電が多発しています。災害対策に特化するなら、エコウィルから買い替える省エネ型給湯器と併せて、家庭用蓄電池の導入も検討してはいかがでしょうか。
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