東京電力の卒FIT

東京電力は、FIT(固定価格買取制度)の期間満了後も、再生可能エネルギーの余剰電力の買取を行っています。また買取のほかに、蓄電池の設置なしで余剰電力を有効利用できるプランや、初期費用0円で蓄電池を利用できるプランなども提供しています。

この記事では、東京電力の卒FITプランや年間シミュレーションを紹介します。ぜひ、卒FIT後の太陽光発電にお役立てください。

東京電力の卒FITプランを比較

【再エネ買取標準プラン】

プラン概要FITによる買取満了後も引き続き、余剰電力の買取を行う。
卒FIT後の買取価格8.5円/kWh(税込)
契約期間FIT買取期間満了日の翌日から満了日の翌日が属する年度
(4月1日から翌年の3月31日までの期間)の末日まで
※以降、1年毎の自動更新になります。
特徴以前から東京電力に売電している人:そのまま利用できるため手続きは不要。
その他の人:カスタマーセンター(電話)での加入ができる。

【再エネおあずかりプラン】

プラン概要余剰電力を預けたとみなす仮想蓄電サービスで、電気料金を相殺して節約できる。
ユーザーが使用した電気のうち、電力量料金が高い順に相殺できる。
※毎月250kWhまで
サービス料金4,000円/月(税込)
卒FIT後の買取価格250kWhを超える余剰電力については、
8.5円/kWh(税込)
特徴実質的に自家消費したような節約ができる。
サービス料がかかるほか、電気そのものを貯めるのではないことに注意。

【定額機器利用サービス(エネカリ)】

プラン概要初期費用0円で蓄電池など蓄電設備が使える。
毎月定額のサービス利用料が必要。
※サービス利用料は、契約内容によって異なるため問い合わせが必要。
特徴毎月定額の利用料のみが必要で、故障時の修理費用もかからない。

東京電力の卒FITプラン内容や加入条件など詳細

詳細確認

この項では、上記で紹介した卒FITプランの詳細と加入条件について、プランごとに詳しく解説します。それぞれのプランの特徴をおさえて卒FITの参考にしてください。

【再エネ買取標準プラン】はシンプルな基本の卒FITプラン

卒FIT後も売電収入を得たい世帯は「再エネ買取標準プラン」がおすすめです。再エネ買取標準プランは、引き続き余剰電力を8.5円/kWh(税込)で買い取ってくれるプランで、卒FIT後も余った電気を売りたいというユーザー向けです。

加入対象エリア栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都(島嶼地域を除く)、神奈川県、山梨県、静岡県(富士川以東)となっています。

【再エネおあずかりプラン】は電気の有効利用ができる

再エネおあずかりプランは、東京電力が提供する仮想蓄電サービスです。

毎月250kWhまでの太陽光発電の余剰電力を、ユーザーが使用した電気の電力量料金の高い順に買取ってくれます。預けた電力を他の時間帯に利用したとみなす仕組みです。

⽇中の電気の使⽤量が多い、毎⽉の余剰電⼒が多いという人におすすめです。ただし、サービス利用料金として毎月4000円(税込)がかかります。

対象エリア栃⽊県、群⾺県、茨城県、埼⽟県、千葉県、東京都(島嶼地域を除く)、神奈川県、 ⼭梨県および静岡県(富⼠川以東)です。

同⼀住所で東京電力との「電気の需給契約」と「再エネ発電の受給契約」を締結していることや、指定の電気料金プランのいずれかに加入していること、支払いがクレジットカードであることなどが加入の条件となっています。

【指定電気料金プラン】

東京電力の指定電気料金プラン
  • 時間帯別電灯(夜間8時間型)、時間帯別電灯(夜間10時間型)
  • 季節別時間帯別電灯
  • スタンダードS、スタンダードL
  • スマートライフS、スマートライフL、スマートライフプラン

【定額機器利用サービス(エネカリ)】は蓄電池の初期費用0円

定額機器利用サービス(エネカリ)プランは、初期費用0円で、蓄電池を利用できるサービスです。

最新の省エネ機器を使えるのがメリットですが、毎月利用料がかかります。

10年または15年の利用期間を満了すると、利用していた蓄電池を無料譲渡されます。あるいは、再度「エネカリ」を利用して最新機器に交換することもできます。

加入条件は対象機器によって異なります。エネカリでのリースが安いか、補助金などを使って蓄電池を買ったほうが安いかを調査した上で検討をおすすめします。

年間収支をシミュレーション

売電VS自家消費の年間収支をシミュレーション

この項では、実際に東京電力の卒FITプランについて、年間収支をシミュレーションした結果を紹介します。

発電量は、太陽光発電の容量4.5kWhで年間想定発電量4500kWh(JPEAの数値基準)としています。

太陽電池の方位や傾斜角度によって発電量が異なり、消費量も月によって波があるので金額には差があります。

【再エネ買取標準プラン】をシミュレーション

【条件】

  • 太陽光発電の容量4.5kWh
  • 余剰電力3150kWh(月間262.5kWh)

再エネ買取標準プランですべて売電した場合と、余剰電力をすべて自家消費した場合の年間収支を比較します。

再エネ買取標準プランですべて売電した場合

買取価格8.5円/kWh、年間の売電収入は26775円(2231円/月)となります。

余剰電力をすべて自家消費した場合(東京電力 関東エリア向け/スタンダードS/L利用)

実質年間節約額は73873円(6156円/月)。
※ 2019年11月以降の単価で計算しています。

買取プランで売電するよりも、すべて自家消費した場合のほうが、年間で47098円(3924円/月)程お得になることが分かりました。

【再エネおあずかりプラン】をシミュレーション

【条件】

  • 太陽光発電の容量4.5kWh
  • 余剰電力3150kWh(月間262.5kWh)
  • 毎月250kWhまで仮想的に預けて電気料金に充当できる
  • 利用料金が毎月4000円かかる

このプランは、余剰電力を電力量料金に相当する金額で買取ってもらい、電気代と相殺するという変則的な割引サービスです。契約している電気料金プランの中で、高い単価から順に相殺されます。

つまり、他のサービスのように「1kWhあたりの買取価格は○○円」と統一されているわけではありません。

「250kWh以上の余剰電力」あるいは「250kWh以下の使用電力量を上回る余剰電力」は、8.5円での売電対象になります。

再エネおあずかりプランで売電した場合(東京電力 関東エリア向け/スタンダードS/L利用)

ひと月に電力量料金と相殺できる額は5825円で売電収入は106円、実質的に5931円節約できることになります。ただし、サービス利用料金が月4000円かかりますので、月の総収支は1932円です。

年間の総収支は23179円(1932円/月)の節約が可能という計算になります。

余剰電力をすべて自家消費した場合(再エネお預かりプラン「スタンダードS/L」利用)

余剰電力を自家消費した場合、年間の節約額は73874円(6156円/月)となります。再エネお預かりプランよりも、自家消費した方が年間で50694円(4225円/月)お得です。

各プランの年間収支一覧表

東京電力の卒FITプランの年間収支比較
プラン名年間売電収入自家消費相当額差額
再エネ買取標準プラン26775円73874円47098円
再エネおあずかりプラン23179円73874円50694円

※太陽光発電の容量4.5kWhで年間想定発電量4500kWh(JPEAの数値基準)で計算した場合です。発電量や電気の使用状況により金額は異なります。

卒FIT後は自家消費で電気を上手に活用しよう!蓄電池は一括見積での購入がお得

蓄電池の自家消費

東京電力の卒FIT向けプランには、通常の買取プランだけでなく、再エネおあずかりプランや、定額機器利用サービスのエネカリなど、電気を有効に使えるプランがあります。

電力会社が余剰電力の買取だけでなく、さまざまな蓄電サービスを提供するのは、それだけ各家庭での自家消費にメリットが大きく、多くの人が移行すると予想できたからです。

蓄電池はリースすると、長期間の利用料金がトータルで大きな支出となります。リースサービスを検討するときは、購入費用と比較してみてください。

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