中部電力の卒FIT

中部電力は、FIT(固定価格買取制度)が2019年に満了する「卒FIT」を迎えた太陽光発電ユーザーに向けて、再生可能エネルギーを活用するための新たなサービスを展開します。余剰売電に相当する額を電気料金から差し引きする割引サービスや、AmazonやWAONなどのポイント還元もあることが大きな特徴と言えるでしょう。

サービスの対象になるのは、中部電力エリアで2009年11月ごろからFITを適用してきた住宅用太陽光発電です。首都圏については今後公表する予定となっています。

この記事では、中部電力の卒FIT向けサービスプランの内容を紐解き、今後の太陽光発電をお得に使い続ける方法について解説します。

中部電力の卒FITプランを比較

【シンプルプラン】

プラン概要:卒FIT対象者ならだれでも契約できる、単純に余剰売電ができるだけのプラン。

卒FIT後の買取価格7.0円/kWh


特徴:中部電力の卒FITプランで唯一、口座振込で売電収入が得られる。

【プレミアムプラン】


プラン概要:余剰電力を8円/kWhで買い取り、翌月の電気料金から差し引く。

卒FIT後の買取価格8.0円/kWh


特徴:翌月の電気料金に全額充当できる。オプションの家族シェアにより、中部電力が買い取った金額を家族や知人にシェア(電気料金に充当)することもできる

【Amazonギフト券プラン】


プラン概要:余剰電力を8.1円/kWhで買い取り、Amazonギフト券をもらえる。

卒FIT後の買取価格8.1円/kWh


特徴:Amazon利用者にとって魅力的なプラン。ギフト券はeメール型で届く。

【WAONプラン】


プラン概要:余剰電力をイオングループの店舗へ売電し、電気料金の差し引きとWAONポイントがもらえる。中部電力で最も実質的な還元額が大きい。

卒FIT後の買取価格9.0円相当(7.0円/kWh +WAONポイント2ポイント/kWh)


特徴的な要素:WAONポイント2ポイント(2円/kWh分相当のWAONポイントがもらえる)

【再エネスマートプラン】

プラン概要:余剰電力を自分で使用したものとみなし、電気を利用する時間帯ごとに割引額を算定し、電気料金の割引に充てるものです。

卒FIT後の買取価格デイタイム(平日10時〜17時):12.0円/kWh
ホームタイム(平日8時〜10時、17時〜22時):8.0円/kWh
ナイトタイム(平日22時〜翌8時):7.0円/kWh
卒FIT後の買取価格昼間・朝晩(デイ/ピークタイム):8.5円/kWh
深夜(ナイトタイム):7.0円/kWh
※ タイムプラン(時間帯別電灯)・ピークシフト電灯を利用の場合

特徴:電気を使用する時間帯と、加入する電気料金メニューによって割引単価が決まる。中部電力HPでの事前シミュレーションがオススメ。

売電収入が口座振込で得られるシンプルプラン以外は、電気料金への充当(割引)やポイント還元で余剰売電のメリットが受け取れます。一般的に卒FITの単価は8円前後が一般的であることから、売電価格が9円のWAONプランはお得度が高いと言えるでしょう。

再エネスマートプランは、最大12円/kWhとお得に見えますが、少々複雑な仕組みになっています。次の段落で、それぞれのプランを詳しく見ていきましょう。

中部電力の卒FITプラン 内容と加入条件など詳細

中部電力の卒FIT後のプランの詳細と加入条件について、プランごとに解説します。
プレミアムプランなど5つのプランには、それぞれ特徴があるので詳細を押さえておきましょう。卒FIT後にプランの利用を検討する際には参考にしてください。

【プレミアムプラン】は電気料金が差し引かれてお得

プレミアムプランの詳細と加入条件については、下記の通りです。

【詳細】

太陽光発電などで発電した再生可能エネルギーの余剰電力を、中部電力が8円/kWhで買取り、翌月の電気料金から差し引くプランです。オプションには「家族シェア」もあり、利用すると家族や知人に買取金額をシェアすることも可能になります。

【条件】

まず、プランの利用料金明細を、WEB(カテエネ)で確認することに同意する必要があります。

また、中部電力が指定する電気料金メニューの、いずれかに加入していなければなりません。対象メニューには、ポイントプラン、おとくプラン、とくとくプラン、暮らしサポートセットなどがあります。プランの利用にあたっては、専用WEBサイトからの申し込みが必須です。

【Amazonギフト券プラン】はAmazonギフト券で還元

Amazonギフト券プランの詳細と加入条件については、下記の通りです

【詳細】

余剰電力を8.1円/kWhで中部電力に売電し、eメール型のAmazonギフト券で受け取ります。

【条件】

プランの利用にあたっては、Amazonアカウントを持っていなければなりません。利用料金明細は、WEB(カテエネ)で確認することに同意することが必要です。

また、中部電力が指定する電気料金メニューの、いずれかに加入していることが求められています。対象メニューには、ポイントプラン、おとくプラン、とくとくプラン、暮らしサポートセットなどがあります。プランへの申し込みは、WEB上の専用サイトから行わなければなりません。

【WAONプラン】はポイント還元+電気代差し引きでお得

WAONプランの詳細と加入条件については、以下の通りです。

【詳細】

太陽光発電の余剰電力をイオングループ店舗へ送ることで、9円/kWh相当の特典がもらえます。7円/kWhで翌月の電気料金から差し引きされる上に、2ポイント/kWhのWAONポイントがもらえるので、上乗せ分がお得になるでしょう。

【条件】

WAONポイントを取得するためのWAONカードが必要です。

こちらも利用料金明細をWEB(カテエネ)で確認することに同意し、中部電力が指定する電気料金メニューのいずれかに加入することも条件になります。対象メニューには、ポイントプラン、おとくプラン、とくとくプラン、暮らしサポートセットなどです。

申し込みは、WEB上の専用サイトから手続きを行わなければなりません。

【シンプルプラン】は誰でも加入できる!

シンプルプランの詳細と条件については、以下の通りです。

【詳細】

シンプルプランには、中部電力と契約をしていなくても加入できます。余剰電力を7円/kWhで買取を行い、料金は半年に一度、指定の口座に振り込まれます。中部電力と太陽光の買取契約を締結している場合には、申し込みの手続きをする必要はありません。

【条件】

以下の条件に当てはまる場合には、電話による申し込みが必要です。

  • 2017年4月以降に引っ越しなどで契約変更を行った場合
  • 2017年4月以降に新たに買取契約が成立している場合
  • 中部電力以外の電力会社に売電を行っている場合

【再エネスマートプラン】は12円/kWhで高額買い取りに見えるけど…!?

再エネスマートプランの詳細と条件については、下記の通りです。

【詳細】

電気を使う時間帯に応じて売電額(電気代の割引額)が決まるプランです。自宅で電気を使った時間帯によって余剰電力の実質売電額が決まり、翌月の電気料金の割引に充てられます。

例えば、「スマートライフプラン」という電気料金プランで再エネスマートプランに加入した場合には、以下のような割引が適用されます。

  • デイタイム(平日10時〜17時)に電気を使うと、翌月分の電気料金に対して12円/kWhが割引される。
  • @ホームタイム(平日8時〜10時、17時〜22時)に使った電気に対しては、8円/kWhが割引される。
  • ナイトタイム(平日22時〜翌8時)については、7円/kWhとして割引額を計算する。

一見、デイタイムの割引額が12円と高額に見えますが、デイタイムに使う電気の単価は、38円/kWhとかなり高くなっています。差し引きすると、デイタイムの電気代は1kWhあたり26円、@ホームタイムは1kWhあたり20円、ナイトタイムは11円ということになります。

トータルで見た電気代がお得かどうかは、各家庭の電気の使い方によって判断が異なりますので、事前のシミュレーションをしっかり行うことが重要です。

【条件】

プランを利用するには、料金明細をWEB(カテエネ)で確認することに同意することが条件です。

また、中部電力が指定する電気料金メニューの、いずれかに加入していなければなりません。対象メニューには、スマートライフプラン、スマートライフプランforスマート・エアーズがあります。そのほか、新規加入停止になっている、Eライフプラン、タイムプラン、ピークシフト電灯も指定メニューになっています。

年間収支をシミュレーション

中部電力の卒FITの各プランについて、年間収支をシミュレーションした結果を紹介するので参考にしてください。

ひとつの計算例として、「太陽光発電の容量4.5kW、年間想定発電量を4500kWh」として算出しました。想定発電量は、JPEAの数値を参考にしています。

ただし、太陽電池の方位や傾斜角度などにより発電量は異なります。また、発電量と消費する電力量には月によって波があるため、実際には全てを自家消費できないケースなどもあることに注意しましょう。

シンプルプラン

シンプルプランの収支については、下記の通りです。

【条件】

太陽光発電の容量4.5kW、余剰電力3150kWh(月間262.5kWh)が条件です。

【シンプルプラン年間収入目安】

買取価格7.0円/kWhなので、1カ月で約1800円、年間実質売電収入は約2万2000円になります。売電した金額は半年に一度(9~10月、3~4月)指定口座に振り込まれます。

【余剰電力を全て自家消費した場合の電気料金 節約額を試算】

中部電力おとくプランを契約した場合には、1カ月の実質節約額は約6000円、年間で約7万2000円になります。シンプルプランと自家消費の実質的な節約金額を比較すると、自家消費のほうが1年で約5万円お得になる結果になりました。

プレミアムプラン

プレミアムプランの収支については、下記の通りです。

【条件】

太陽光発電の容量4.5kW、余剰電力年間3150kWh(月間262.5kWh)のときに、余剰電力を全てプレミアムプランで売電した場合と、自家消費した実質的な節約額を比較します。

【プレミアムプランに加入したときの年間収入目安】

買取価格は8.0円/kWhなので、1カ月の売電収入は2100円、年間売電収入は約25000円になります。ただし、 売電額は現金収入ではなく、電気料金への充当(割引)という扱い方になりますのでご注意ください。

【余剰電力を全て自家消費した場合の電気料金 節約額を試算】

中部電力おとくプランを契約した場合、実質節約額は1カ月で約6100円、年間では約7300円です。余剰電力を全て自家消費した場合と売電した場合では、年間で約4万7000円の差が出る計算になります。

卒FITの買い取り単価よりも、おとくプランで提供される電気の単価が高いため、自家消費のほうが得になることが分かりました。

Amazonギフト券プラン

Amazonギフト券プランの収支については、下記の通りです。

【条件】

太陽光発電の容量4.5kW、余剰電力3150kWh(月間262.5kWh)として収支を算出します。

【Amazonギフト券プラン年間収入目安】

買取価格8.1円/kWhなので、1カ月の売電収入は約2100円、年間売電収入は約2万6000円になります。売電額については、現金収入ではなく電気料金への充当(割引)という扱い方です。

【余剰電力を全て自家消費した場合の電気料金 節約額を試算】

中部電力おとくプランを契約した場合には、実質節約額は1カ月で約6100円、年間では7万3000円になります。Amazonギフト券プランで1カ月分の余剰電力262.5kWhを売電すると、1カ月に約2100円相当のAmazonギフト券がもらえます。

一方、全てを自家消費すれば約6000円の節約ができるので、家計へのメリットは自家消費のほうが高いことが分かりました。

WAONプラン

WAONプランの収支については、下記の通りです。

【条件】

太陽光発電の容量4.5kW、余剰電力を3150kWh(月間262.5kWh)とします。

【WAONプラン年間収入目安】

「買取価格7.0円/kWh」と「WAONポイント還元2.0円/kWh」を合わせて収入を計算すると、年間実質売電収入は約2万8000円相当になりました。(売電額の約2万2000円と6300WAONポイント還元を合算。ひと月あたり約2300円に相当します。)

なお、売電額は現金収入でもらえるのではなく、電気料金への充当(割引)という扱いになります。

【余剰電力を全て自家消費した場合の電気料金 節約額を試算】

中部電力おとくプランを契約した場合、実質節約額は1カ月で約6100円、年間で約7万3000円になります。WAONプランと自家消費の実質的な節約金額を比較すると、自家消費のほうが、約4万4000円(年間)お得になるという計算結果になりました。

各プランの年間収支一覧

プラン年間売電収入自家消費相当額差額
プレミアムプラン25200円72666円47466円
Amazonギフト券プラン25515円72666円47151円
WAONプラン28350円72666円44316円
シンプルプラン22050円72666円50616円

4つのプランと自家消費を比較した場合、どのプランでも自家消費のほうが5万円前後お得になります。

https://www.tainavi-battery.com/library/734/

卒FIT後は自家消費が一番お得!蓄電池は相見積もりで安く購入しよう

ここまで、中部電力の主な卒FIT向けプランについて紹介してきました。FIT終了後の余剰電力には、売電収入や電気料金の割引、Amazon商品券やWAONポイントでの還元など多彩なプランが選べます。しかし、いずれのプランも買取価格は安く、自家消費をする方がお得になることが分かりました。

多くの電気料金プランでは、電力会社から買うひと月の電力量を0kWhにできた月は基本料金が半額になります。その場合には、家計へのメリットは大きくなるでしょう。

ただし、夜間や雨天の時も含めて、太陽光発電の電気で全てを賄わなければなりません。それには電気を貯めておく装置が必須で、その代表が蓄電池なのです。

蓄電池に太陽光発電の電気を貯めておくことで、全ての時間において自家消費が可能になります。蓄電池は災害などによる停電時の備えを兼ねることもできるので、一石二鳥と言えるでしょう。

しかし、気になるのは蓄電池の価格ではないでしょうか?

太陽光発電との併用で補助金がもらえる場合があるので、自治体や国の最新情報を確認しましょう。いくつかの補助金にも詳しい施工会社から見積もりを取り寄せて、一番良い条件で蓄電池を購入することをおすすめします。