卒FIT

関西電力はFIT制度(固定価格買取制度)の期間満了した家庭用の太陽光発電の余剰電力を買い取ることと、自家消費で節約する新プランを発表しました。中でも注目は、蓄電池をもたずに余剰電力を関西電力に預ける新サービスです。

売電と自家消費どちらがお得か、比較しながら卒FITプランを選びましょう。この記事では、関西電力の卒FIT向けプランの詳細と、収支シミュレーションを紹介します。

関西電力の卒FITプランを比較

【買取り】

・プラン概要:FITによる買取満了後も引き続き、余剰電力の買取を行う。

卒FIT後の買取価格8.0円/kWh(税込)

・特徴:現在契約中の人への詳細内容は、買取期間満了の4か月前までに書面で案内がもらえる。

【貯めトクサービス】

プラン概要:太陽光発電の余剰電力を仮想的に貯めておき、電力会社から買う電力量と相殺して電気料金を節約する仕組みです。

貯めトクサービスは、仮想的に貯めておける電力量に応じて3つのプランが存在します。プランごとに定められた仮想蓄電容量を超えると、卒FITの買取価格で売電されます。

卒FIT後の買取価格8.0円/kWh(税込)
貯めトクサービスS(容量50kWh/月)利用料800円/月
貯めトクサービスM(容量150kWh/月)利用料2350/月円/月
貯めトクサービスL(容量無制限)利用料5000円/月

・特徴:貯めトクサービスは、買取りサービスと異なり利用料金がかかります。仮想的に貯めておける電力量の多さに比例して、月額料金は高額になります。電気料金に充当された額と売電による収入は、検針日の翌月に指定口座に振り込まれます。

関西電力の卒FITプラン内容や加入条件など詳細

この項では、上記で紹介した卒FITプランの詳細と加入条件について、プランごとに詳しく解説します。それぞれのプランの特徴をおさえて卒FITの参考にしてください。

【買取り】は引き続き余剰電力の買い取りをしてくれる

卒FIT後も売電収入を得たい世帯は「買取り」がおすすめです。

買取りプランは余剰電力を8.0円/kWh(税込)で買い取ってくれるプランで、卒FIT後も余った電気を売りたいというユーザー向けです。

対象エリアは、滋賀県・京都府・大阪府・奈良県・和歌山県・兵庫県(一部を除く)・福井県の一部・岐阜県の一部・三重県の一部となっています。

【貯めトクサービス】は仮想的に貯めた電気を必要な時に使用できる

貯めトクサービスは、太陽光発電の余剰電力を仮想的に貯めておいて、必要に応じて電力を使用することができるサービスです。実際には蓄電池設置の必要がないのが大きなメリットですが、災害時の非常用電力としては利用することはできません。

関西電力の貯めトクサービスは、他の電力会社の仮想蓄電サービスと比べて、特徴的なポイントが3つあります。

  • 蓄電容量ごとに3つのプランが選べること
  • 利用料金が安いこと
  • 電気料金に充当された額が現金で得られること

多くの仮想蓄電サービスは、預けた電力量と購入した電力量を相殺(充当)した結果、電気料金の支払額が減ることでメリットを受けとります。関西電力の貯めトクサービスは、充当できた額を口座振込で受け取るため、節約効果を収入として実感したいときにピッタリです。

【加入条件】

貯めトクサービスの利用結果の通知を関西電力のWEB会員サービスで行うこと(紙面の明細がもらえません)
契約する電気料金プランを、下記の中から選択すること
はぴeタイム(新規契約終了)、はぴeタイムR、eスマート10、eおとくプラン、時間帯別電灯、季時別電灯PS(新規契約終了)、なっトクでんき

対象エリアは、滋賀県・京都府・大阪府・奈良県・和歌山県・兵庫県(一部を除く)・福井県の一部・岐阜県の一部・三重県の一部です。

年間収支をシミュレーション

シミュレーション

この項では、実際に関西電力の卒FITプランについて、年間収支をシミュレーションした結果を紹介します。

発電量は、太陽光発電の容量4.5kWhで年間想定発電量4500kWh(JPEAの数値基準)としています。実際には、太陽電池の方位や傾斜角度によって発電量が異なり、消費量も月によって波があるので参考程度としてください。

買取りの場合

【条件】

  • 太陽光発電の容量4.5kWh
  • 余剰電力3150kWh(月間262.5kWh)

買取りのプランですべて売電した場合と、余剰電力をすべて自家消費した場合の年間収支を比較します。

買取りプランで余剰電力をすべて売電した場合

買取価格8.0円/kWh、年間の売電収入は25200円(2100円/月)となります。

余剰電力をすべて自家消費した場合(関西電力/従量電灯A利用)

実質年間節約額は70272.96円(約5856.08円/月)。※2019年10月以降の単価で計算した場合

買取りプランで売電するよりも、すべて自家消費するほうが、年間で44086.56円(3673.88円/月)お得になります。

貯めトクサービスSの場合

【条件】

  • 預かり電力量 50kWh/月
  • 利用料金 800円/月額
  • 関西電力の「はぴeタイム」を契約した場合

【はぴeタイム とは】

関西電力のの電気料金プランで、時間帯ごとに電気の単価が異なります。とくに夏の日中(10時〜17時)が最も高単価になる「季時別電灯タイプ」で、夜間の割安な電気を活用して節約できるのが特徴です。現在は新規加入を終了しています。

貯めトクサービスで仮想的に貯めた電気は、はぴeタイムの高額な料金単価から順に充当されます。はぴeタイムで高額なのは夏季デイタイムの34.31円/kWh、その他季デイタイムの31.19円です。

貯めトクBOXに貯めた太陽光発電の電力は、タイミングによっては1kWhあたり34円近い価値を持つようになります。ただし、余剰電力を増やすために節電していればデイタイムに消費する電力量は少なくなりますので、充当の収入が多くなるとは限りません。

月額料金もかかりますので、よく確認してから検討してください。

卒FITプランの年間収支一覧表

プラン年間売電収入自家消費相当額差額
買取り25200円70272.96円44086.56円
貯めトクサービス充当による支払い額ーサービス料金の支払い額--
※太陽光発電の容量4.5kWh、年間想定発電量4500kWh(JPEAの数値基準)で計算した場合
https://www.tainavi-battery.com/library/734/

卒FIT後でも電力を有効活用!蓄電池を設置して電力の自家消費をしよう

関西電力の卒FITのユーザー向けに、通常の余剰売電の買取りサービスと、余剰電力を仮想的に貯める仮想蓄電サービスがあります。しかし、卒FIT後の価格は8.0円/kWhと安く、基本的には自家消費のほうがお得であることが分かりました。

自家消費を効率的に行うためには蓄電池の導入がおすすめです。関西電力による設置業者紹介サービスもありますが、相見積もりによって価格を競わせることで初期費用を抑えることができるのです。

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