卒FIT

九州電力は、FIT制度(固定価格買取制度)による買取期間が満了する住宅用太陽光発電の電気買取単価を7.0円/kWh(税込)とすることを発表しました。同時に、電気をためたとみなす「仮想蓄電サービス」のほか、卒FITを迎える顧客向けサービスについても情報が出ています。

この記事では、卒FITを迎えた太陽光発電の有効利用を考えるために、九州電力の卒FIT向けプランについて詳しく紹介します。

九州電力の卒FITプランを比較

【買取プラン】

プラン概要:FITによる買取満了後も引き続き、余剰電力の買取を行う。

卒FIT後の買取価格7.0円/kWh(税込)

特徴:現在契約中の人への詳細内容は、買取期間満了の「4か月を目途に郵送で個別にお知らせをしてくれる。

【お預かりプラン】※詳細未定

プラン概要:太陽光の余剰電力を九州電力に一旦預けて、余剰が発生しない時間帯に使用したと見なすことができるため、蓄電池を設置しなくても余剰電力を活用することができる。 詳細は未定。

卒FIT後の買取価格7.0円/kWh(税込)
サービス利用料金未定
預けられる電力の最大量未定

特徴:余剰電力を活用してもさらに余る場合は、九州電力が7.0円/kWh(税込)で買い取る。

一般的には、電気を仮想的に預ける「仮装蓄電サービス」には利用料金(月額)と、預けられる電力量の上限があります。例えば東京電力の「再エネおあずかりプラン」は、月額4000円のサービス料金と、電力会社に仮想的に預けられる電力量に毎月250kWhまでの上限があります。

【蓄電池・エコキュート設置会社をご紹介】

プラン概要:「エコキュート」や「蓄電池」の設置に関して、九州電力のグループ会社などを紹介してシステム提案や施工を行う。

卒FIT後の買取価格7.0円/kWh(税込)

特徴:太陽光で発電した電力を、蓄電池へ蓄電、太陽光発電システム連携エコキュートで使用しても余剰電力が発生した場合は、7.0円/kWh(税込)で買い取る。別途、リース料金または設備購入費用がかかる 。

九州電力と売電契約を行う方を対象に、IoTサービス「QuUn」(キューン)をお得に利用開始できる特典あり。 QuUnは、スマートスピーカーに話しかけると、家電操作やBGMの再生を行い、家を24時間見守るサービスが受けられるものです。

九州電力の卒FITプラン内容や加入条件など詳細

この項では、上記で紹介した九州電力の卒FITプランの詳細と加入条件について、それぞれのプランごとに、詳しく解説します。プランごとの特徴をおさえて、卒FIT後の買取の参考にして下さい。

【買取プラン】は引き続き電力の買取をしてくれる

卒FIT後も売電収入を得たい世帯は「買取プラン」がおすすめです。

買取プランは、引き続き余剰電力を7.0円/kWh(税込)で買い取ってくれるプランで、卒FIT後も電気を売りたいユーザー向けのプランです。

また、スマートスピーカーに話しかけて家電操作や、BGMの再生が行えたり、家を24時間見守るサービスが受けられるIoTサービスの「QuUn(キューン)」をお得に利用開始できる特典があります。

加入条件となる対象エリアは福岡県・佐賀県・⾧崎県・大分県・熊本県・宮崎県・鹿児島県となっています。

2019年現在詳細検討中の【お預かりプラン】は余剰電力の活用ができる

2020年4月ごろサービス開始予定の「お預かりプラン」は、太陽光発電の余剰電力を九州電力が預かり、余剰の発生しない時間に使用したとみなします。その分が電気料金から差額が差し引かれ、電気代を節約することができます。蓄電池を設置せずに余剰電力を自家消費するのと似た形での電力使用ができるのです。

いわゆる仮想蓄電池サービスは、実際には蓄電池を設置せずに、太陽光発電の余剰電力をためておくことができるサービスとして注目されています。契約者にとって仮想的に預けた電力を預けたのと同量の電力を無料もしくは割引きされた価格で後から利用できます。

一般的に初期費用はかかりませんが、月額料金は必要です。対象エリアは、九州7県で、離島は対象外となっています。

年間収支をシミュレーション

シミュレーション

この項では、実際に九州電力の卒FITプランについて、年間収支をシミュレーションした結果を紹介します。

発電量は、太陽光発電の容量4.5kWhで年間想定発電量4500kWh(JPEAの数値基準)としています。実際には、太陽電池の方位や傾斜角度によって発電量が異なったり、消費量も月によって波があったりしますので、あくまでも参考程度にご覧ください。

買取プラン

【条件】

  • 太陽光発電の容量4.5kWh
  • 余剰電力3150kWh(月間262.5kWh)

買取プランですべて売電した場合と、余剰電力をすべて自家消費した場合の年間収支を比較します。

余剰電力をすべて売電した場合

買取価格は7.0円/kWhで、年間の売電収入は約22050円(1838円/月)となります。

余剰電力をすべて自家消費した場合(九州電力従量電灯B利用 )

実質年間節約額は約64575円(約5381円/月)です。※ 2019年11月以降の単価を適用した場合

買取プランで売電するよりも、すべて自家消費した場合のほうが、年間で42525円(3544円/月)お得になる計算になります。

お預かりプラン※詳細未定

九州電力のお預かりプランは、太陽光発電の余剰電力量と、家庭内で消費した電力量を一定の条件下で相殺して節約する仕組みです。

サービスの利用料金と預けられる電力量の上限が決まってから、収支を計算できるようになります。

各プランの年間収支一覧表

プラン年間売電収入自家消費相当額差額
買取プラン22050円64575円42525円
※太陽光発電の容量4.5kWhで年間想定発電量4500kWh(JPEAの数値基準)で計算した場合

卒FIT後の余剰電力を有効活用するなら自家消費がおすすめ!蓄電池をお得に購入しよう

九州電力の卒FITプランには、通常の買取プランとお預かりプランがあります。しかし、卒FIT後の価格は7.0円/kWhと安く、自家消費のほうが断然お得だとシミュレーションの結果に出ています。

自家消費を効率的に行うためには、実際に蓄電池を導入することをおすすめします。九州電力による設置業者紹介サービスもありますが、相見積もりによって価格競争することとで初期費用を抑えることができます。

タイナビ蓄電池は、複数の業者を一括見積りで比較検討することができるので、導入の際は是非活用してお得に蓄電池を設置しましょう。