昭和シェルの卒FIT

太陽光発電の固定価格制度(FIT)の終了後も、余剰電力をできるだけお得に活用したいと思っている方は多いのではないでしょうか。出光昭和シェルでは、卒FIT向けに2つのプランを用意しています。中でも、売電契約と電気契約のセットで申し込めば、さらにお得な買取価格で売電が可能です。

この記事では、出光昭和シェルの買取プランについてくわしく紹介します。
それぞれの売電プランにおける年間収支を算出して、余剰電力を自家消費した場合とどちらがお得なのか検討してみましょう。そうすることによって、FIT終了後も余剰電力をお得に活用する方法がわかるでしょう。

出光昭和シェルの卒FIT向けプランの概要

【スタンダード買取プラン】

概要:FIT期間終了後の太陽光発電の余剰電力を買い取るサービスで、買取サービスのみ利用した場合のプラン

卒FIT買取価格(北海道/東北/東京エリア)9.5円/kWh
卒FIT買取価格(中部/北陸/関西/中国/四国エリア)8.5円/kWh
卒FIT買取価格(九州エリア)7.5円/kWh

特徴的な要素:買取価格は2019年11月から2021年3月までの適用で、1年ごとの更新となる

【でんきセット買取プラン】

概要:出光昭和シェルと電気契約した場合に利用できる買取プラン

卒FIT買取価格(北海道/東北/東京エリア)11.5円/kWh
卒FIT買取価格(中部/北陸/関西/中国/四国エリア)10.5円/kWh
卒FIT買取価格(九州エリア)9.5円/kWh

特徴的な要素:どのエリアも「でんきセット買取プラン」の買取価格は、「スタンダード買取プラン」よりも2円/kWh高い"

比べてみよう!昭和シェルの買取プランの詳細・買取条件

昭和シェルの卒FIT向けプランには、「スタンダード買取プラン」と「でんきセット買取プラン」の2つがあります。ここではそれぞれのプランについて、くわしい内容や買取条件を紹介します。

電気契約は別会社でもOK!「スタンダード買取プラン」

出光昭和シェルの「スタンダード買取プラン」は、FIT買取期間が満了した人や、まもなく満了する人ならだれでも契約できます。電気契約が別会社でも、買取契約のみで利用できるプランです。ただし、離島や沖縄エリアは例外で、サービス対象エリア外です。

買取価格はエリアによって異なります。初年度の買取価格は北海道・東北・東京エリアが9.5円/kWh、中部・北陸・関西・中国・四国エリアが8.5円/kWh、九州エリアが7.5円/kWhです。

買取価格については初年度が契約から2021年3月までとなっており、以降は1年ごとの更新時に変動します。卒FITの売電収入は4~9月分が11月末、10~翌年の3月分が翌年の5月末に、登録した銀行口座に振り込まれます。

電気契約とセットでお得!「でんきセット買取プラン」

「でんきセット買取プラン」は、出光昭和シェルと電気契約を締結した人のみが利用できる買取サービスです。

買取のみの「スタンダード買取プラン」と比較すると、それぞれのエリアで1kWhあたり2円高い買取価格が設定されています。

「でんきセット買取プラン」の場合、買取料金分が毎月の使用電気料金から差し引かれて精算が行われます。使用した電気料金よりも買取料金のほうが高くなった場合は、差額が「スタンダード買取プラン」と同様に、11月末と5月末に指定の銀行口座へ振り込まれる決まりです。

「でんきセット買取プラン」を契約するためには、出光昭和シェルと電気契約をしていること、および、電気契約と買取契約が同一の住所・名義の必要があります。

年間収支シミュレーションで自家発電と比べてみると?

収入シミュレーション

買取契約を結ぶとして、「このプランで本当にお得になるのか」が気になるという方も多いのではないでしょうか。

そこで、出光昭和シェルの「スタンダード買取プラン」と「でんきセット買取プラン」では、それぞれで年間いくらの収支になるのかシミュレーションしてみましょう。

くわえて、余剰電力を自家消費した場合とも比較するので、参考にしてください。

スタンダード買取プランなら年間収支はいくら?

「太陽光発電の容量4.5kW」「余剰電力3150kWh/年」を条件として、エリア別の買取価格で年間収支を試算してみます。ただし、発電量は太陽光設備の設置条件や状況によって変動することに注意してください。

【北海道・東北・東京エリア】

買取価格は9.5円/kWhなので、年間収支は2万9925円(1カ月あたり約2494円)です。

一方、同じ条件で余剰電力をすべて自家消費すると、1年間で節約できる電気代は約7万3908円(1カ月あたり約6159円)となります(東京電力の従量電灯Bを基準に計算)。

売電した場合と余剰電力をすべて自家消費した場合を比較すると、自家消費のほうが年間で約4万3983円(1カ月あたり約3665円)もお得になります。

【中部・北陸・関西・中国・四国エリア】

買取価格は8.5円/kWhのため、年間収支は2万6775円(1カ月あたり約2231円)です。

一方、関西電力の従量電灯Bを基準に余剰電力をすべて自家消費すると、節約できる電気代の目安は年間で約6万2074円(1カ月あたり約5173円)となります。

売電した収入と自家消費した節約額では、年間で約3万5299円(1カ月あたり約2942円)の差額が生じます。自家消費するほうが2倍以上もお得になるのです。

【九州エリア】

買取価格7.5円/kWhで試算すると、年間収支はおよそ2万3625円(1カ月あたり約1969円)となります。

それに対し、九州電力の従量電灯Bを基準に計算すると、自家消費した場合に節約できる電気代は、年間で約6万4575円(1カ月あたり約5381円)です。

売電した収入と余剰電力をすべて自家消費した節約額を比べると、1年あたり約4万950円(1カ月あたり約3413円)の差額になります。

他のエリアと同様、九州エリアでも自家発電のほうがお得になることがわかりました。

でんきセット買取プランならよりお得に!

ここでも、上記と同様に「太陽光発電の容量4.5kW」「余剰電力3150kWh/年」という条件に、エリア別の買取価格をあてはめて計算してみます。

「でんきセット買取プラン」では「スタンダード買取プラン」よりも買取価格が2円/kWh高く設定されています。なお、発電量は太陽光設備の設置条件や状況によって上下するため、参考程度にしてください。

【北海道・東北・東京エリア】

買取価格は11.5円/kWhです。試算した結果、年間収支は3万6225円程度(1カ月あたり3019円程度)となります。

また、同じ量の余剰電力をすべて自家消費すると、その場合の節約額は1年あたり約7万420円(1カ月あたり約5868円)です(東京電力エリアのシェルSプランを基準に試算)。

売電収益と自家発電した場合の節約額を比較すると、自家消費のほうが1年で約3万4195円(1カ月あたり約2850円)も、お得になります。

【中部・北陸・関西・中国・四国エリア】

買取価格10.5円/kWhで計算すると、年間収支の目安は3万3075円(1カ月あたり約2756円)です。

一方、すべての余剰電力を自家消費した場合は、年間で約7万882円(1カ月で約5907円)の節約になります(関西電力エリアのシェルSプランを基準に計算)。

売電するより余剰電力を自家消費するほうがお得という結果になりました。得する金額は年間で約3万7807円(1カ月あたり約3151円)です。

【九州エリア】

買取価格9.5円/kWhをあてはめて計算すると、年間収支の目安は2万9925円(1カ月あたり約2494円)となります。

同じ量の余剰電力をすべて自家消費した場合、電気代節約額は1年間あたり約6万3361円(1カ月あたり約5280円)です(九州電力エリアのシェルSプランを基準に計算)。

九州エリアにおいても、「でんきセット買取プラン」の収益より、余剰電力を自家消費するほうがお得になることがわかります。差額は年間で約3万3436円(1カ月あたり約2786円)です。

上記のように試算と比較した結果、「でんきセット買取プラン」を利用した場合でも、全国的に自家消費するほうがお得になることがわかりました。

どのプランでも自家消費の節約額のほうがお得!

上記の試算結果を一覧にまとめたものが下表です。

【スタンダード買取プラン】

年間売電収入自家消費相当額差額
北海道・東北・東京エリア2万9925円7万3908円(※東京電力の従量電灯Bを基準にした場合)4万3983円
中部・北陸・関西・中国・四国エリア2万6775円6万2074円(※関西電力の従量電灯Bを基準にした場合)3万5299円
九州エリア2万3625円6万4575円(※九州電力の従量電灯Bを基準にした場合)4万950円

【でんきセット買取プラン】

年間売電収入自家消費相当額差額
北海道・東北・東京エリア3万6225円7万420円(※東京電力エリアのシェルSプランを基準にした場合)3万4195円
中部・北陸・関西・中国・四国エリア3万3075円7万882円(※関西電力エリアのシェルSプランを基準にした場合)3万7807円
九州エリア2万9925円6万3361円(※九州電力エリアのシェルS3万7807円

このように、全国のどのエリアでも、「スタンダード買取プラン」や「でんきセット買取プラン」で余剰電力を売電するより、すべて自家消費するほうが4万円前後もお得になるのです。蓄電池を導入して自家消費を検討する価値は十分にあるといえます。

売電よりも自家消費で電気代を節約しよう

>売電よりも自家消費で電気代を節約

出光昭和シェルが提供する「でんきセット買取プラン」は買取価格が高く、電気料金も安いためお得です。しかし、どのエリアにおいても、自家消費するほうが年間でさらに3万円以上もお得になります。

太陽光発電の余剰電力を効率的に活用するためには、蓄電池を購入して自家消費することも検討するべきといえます。タイナビ蓄電池で見積もりを取り、できるだけ安く設置しましょう。