蓄電池ってどうなの

蓄電池を設置する家庭が増えるなかで、わが家にも設置すべきか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。とはいえ、蓄電池を購入するメリットは本当にあるのか、実用性はあるのなどが気になるかもしれません。

今回は、「蓄電池ってどうなの?」と思っている人に向けて、蓄電池が売れている理由や蓄電池の長所・短所、買うべきタイミングについて紹介します。蓄電池の購入を検討している場合はぜひ参考にしてください。

蓄電池はなぜ売れている?設置件数が増えている理由とは

蓄電池の出荷台数は年々、増加しています。2014年~2018年の5年間における出荷台数を下表にまとめました。

【2014~2018年度の出荷台数と累計台数(5年間の推移)】

年度出荷台数累計台数
2014年度23,71653,663
2015年度37,56091,223
2016年度34,569125,792
2017年度49,481175,273
2018年度73,594248,867

蓄電池の出荷台数が増加している理由としては、主に4点を挙げられます。

  • 災害による停電への備えとして設置する人が増えている
  • 蓄電池の購入費用が年々、安くなっている
  • 蓄電池の本体が省スペース化しており、設置しやすくなった
  • 蓄電池を設置して太陽光発電の自家消費を進める人が増えている

とくに、2019年は太陽光発電の自家消費と災害対策で蓄電池の人気が爆発しました。

住宅用の太陽光発電は10年間、高値で電気を電力会社に売ることができます。この10年間を終える家庭が2019年から現れており、その後の電気を安値で売るよりも自宅で電気を使ったほうが得だと判断した方が多かったのです。

実際のところ実用性はあるの?蓄電池の長所は?

蓄電池を設置する人が増えているとはいえ、実用性はあるのか気になっている人もいるでしょう。ここでは、そのような人に向けて蓄電池の主な長所を2点、紹介します。

蓄電システム

太陽光発電との組み合わせで電気代を節約

太陽光発電と蓄電池を組み合わせることにより、昼間に発電した分を夜間に利用できます。また、日照量が少なく太陽光発電の発電量が減る雨の日などにも、蓄電池に貯めた電気で家電製品などに必要な分をまかなうことも可能です。

蓄電池を活用して太陽光発電の自家消費分を増やせば、電力会社から購入する電力量が減り、電気代の節約につながります。電気代の安い夜間電力を蓄電池に貯めておき、日中に利用するといった利用法もあります。

停電に大活躍!いざというときの電源確保に

太陽光発電には、台風や地震などで停電したときの非常用電源としても活用できるというメリットがあります。しかし、昼間など太陽が出ている時間帯にしか発電できないため、太陽光発電だけでは夜間や雨天時に電気を使えません。

そこで、太陽光発電と蓄電池と組み合わせて使うことにより、昼間に発電した電力を夜間の停電時に使用できるようになります。蓄電池から消費した電力は昼間に太陽光発電で充電できるため、長期間にわたる停電にも備えることが可能です。

費用やスペースの問題は?蓄電池の短所

蓄電池の短所としてはコストやスペースの問題が挙げられます。ここでは、蓄電池の主な短所2点について解説します。

初期費用や買い換えのコストがかかる

蓄電池を設置する際には、本体価格だけではなく、設置費用や電気系統の工事費もかかります。

リチウムイオン電池を搭載した蓄電池の場合、設置費用込みの価格相場は1kWhあたり20万円程度です。つまり、容量5kWhの蓄電池を購入する場合には100万円程度のコストが必要になります。

そのうえ、蓄電池には寿命があるため、10~15年程度で買い替えなければなりません。

設置費用や電気系統の工事費が業者によって異なる点にも注意が必要です。できるだけ安く設置するためには、複数の業者から見積もりをとることが大切といえます。

蓄電池を設置するためのスペースが必要

蓄電池のだいたいの大きさは、屋外設置型でエアコンの室外機1~2つを縦に積んだくらい、屋内型でエアコンの室外機1つ分くらいです。本体を置くために必要なスペースだけでなく、設置や工事などの作業をするための十分なスペースも確保しなければなりません。

蓄電池を屋外に設置する場合は、温度や湿気、塩害にも注意が必要です。蓄電池が正常に機能する温度の下限は-10~-20℃程度とされています。

室内に設置する場合も、熱や湿気がこもる場所では蓄電池の内部温度が上がって劣化が進んだり、最悪の場合は発火や破裂したりするおそれがあります。

蓄電池はいつ導入すべき?最適なタイミングとは

タイミング

蓄電池を導入したいと思いながら、どのようなタイミングが最適なのかを迷っている人もいるかもしれません。ここでは、蓄電池の導入に適したタイミングについて2パターン紹介します。

新しく太陽光発電を設置するとき

太陽光発電を新規で購入する場合は、蓄電池もセットで購入することで、別々に設置工事をするよりも工事費を安く抑えられるでしょう。太陽光発電と蓄電池の両方で使えるハイブリッドパワーコンディショナ(創蓄連携タイプ)を選べば、パワーコンディショナの設置スペースも1台分で済みます。

太陽光発電を導入した当初から電気代節約や停電時の備えができる点もメリットです。

太陽光発電のFIT期間が終わるタイミング

すでに太陽光発電を導入している場合は、FIT(固定価格買取制度)が期間満了を迎えるタイミングで導入してはいかがでしょうか。

FITが終了すると売電価格は8円/kWh前後まで下がりますが、それに対して電気代は20~26円/kWと割高となっています。そこで、FIT期間満了後は売電するよりも、蓄電池を活用して、すべて自家消費したほうがお得になるのです。

補助金があるうちに購入する

2020年度もSII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)による「災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金」が追加公募されることになりました。

そのほかにも、地方自治体によっては蓄電池の補助金制度があります。

補助金は公募期間中に申し込む必要があるため、補助金があるうちに購入するのも一つの方法です。お住まいの市区町村に補助金制度の有無や公募期間を問い合わせてみましょう。

今の蓄電池は導入するメリットが大きい!

蓄電池の導入には、電気代節約や停電への備えなど、大きなメリットがあります。特に、これから太陽光発電の導入を考えている人やFIT終了を迎える人におすすめです。

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