住友電工の蓄電池

日本最大手の非鉄金属メーカーとして知られる住友電気工業株式会社は、家庭用蓄電池の導入をするうえで、ぜひ候補に入れておきたいメーカーの1つです。

本記事では、住友電工が提供する家庭用蓄電池の特徴やメリット・デメリット安く設置する方法について解説します。

住友電工の特徴と蓄電池の実績

1920年設立以来の長い実績を持つ住友電工は、世界トップクラスの非鉄金属メーカーです。

ワイヤーハーネスや化合物半導体、電子ワイヤーにおいてトップシェアを誇り、自動車や情報通信の分野を中心に社会に貢献しています。

さらに再生可能エネルギーの活用にも力を入れており、蓄電池の重要な機能である電力変換技術や制御技術、蓄電技術などの開発を進めている企業です。

2011年6月から住友電工の大阪製作所にて、自社が開発する太陽光発電などの発電設備と蓄電池との連結を検証する実験をしています。その目標は、消費者にとって安定的かつ効率的な電力制御の実現です。

自宅に置く蓄電池だからこそ、安定性や効率を重視する方にピッタリのメーカーと言えるでしょう。

どんな人におすすめ?住友電工の家庭用蓄電池の特徴と性能の違い

ここでは、住友電工が提供する家庭用蓄電池の特徴と性能の違いや、どんな人におすすめかをご説明します。

工事なしですぐに使える「POWER DEPO®II」

POWER DEPO®IIはスタンドアロン型の蓄電池です。主な特徴は3つあります。

  • 配線工事不要で低コスト
  • 可動式のコンパクトボディで、様々な場所で使用できる
  • 太陽光発電のダブル発電に認定されない

設置に配線工事も必要ないため、すぐに蓄電池を使い始めたい人や、工事ができない物件におすすめです。

UPS機能も搭載しているため、一般家庭での使用に限らず、小規模オフィスのBCP対策として設置したい人にも適しています。

電力会社の系統システムに接続しないので、系統連携タイプのデメリットであるダブル発電をすることがありません。

2019年以前に太陽光発電設備を設置した家庭でも、FIT(固定価格買取制度)価格が下がる心配がないのがメリットです。

系統連系やシングル発電・ダブル発電とは

系統連携タイプの蓄電池では、電気代が安い夜間に蓄電し日中の電力使用分を蓄電池から賄うことによって、太陽光発電の売電量が増える「押上げ効果」が生じます。

太陽光発電からの売電量が増えることを「ダブル発電」といいます。

2019年までに設置された太陽光発電は、太陽光発電だけの設置者と利益のバランスを合わせるために、ダブル発電のFIT(固定価格買取制度)価格が安くなってしまうのです。

そのため、2018年までに太陽光発電を設置した場合は、ダブル発電に該当しない蓄電池のほうが、売電収入において有利になります。

POWER DEPO®IIの運転モード

停電を感知すると自動的に蓄電池からの給電に運転モードが切り替わるため、停電などの非常時にも安心できます。

タイマー運転により安い夜間電力で充電して昼間に給電するため、普段の電気料金を節約できる点もメリットです。

POWER DEPO®IIの容量と寿命

POWER DEPO®IIには、高性能で2.9kWhの充電容量を持つリチウムイオン電池が搭載されおり、停電時に5時間前後、主な家電を使えます(夏に冷蔵庫・テレビ・扇風機・パソコン・LED照明を連続使用した場合)。

また、6,000回以上の充電が可能。1日1回充放電して毎日使用した場合は約16年間使えるなど、長寿命であることも特徴です。

変換効率の高さと大容量が魅力「POWER DEPO®III」

POWER DEPO®IIIは、3.2kWhという大容量のリチウムイオン電池を採用した一体型蓄電システムです。

本製品のサイズはエアコン室外機の2/3程度と業界トップクラスの小ささで、重量は55kgの軽量クラス設計となっています。コンパクトなサイズは、出窓の下や階段下など、一般家庭の空きスペースに設置が可能です。

コンパクトな機体でありながら、停電したときは最大で約9時間の連続使用ができます(300Wで使用する場合)。従来製品よりも充放電時の変換効率が向上しており、経済的な効果を発揮する点がメリットです。

設置にあたってはコンクリート基礎工事が不要のため、現地調査は別として、最短半日で設置できます。施工コストも、従来製品に比べると半分くらいで済む点も魅力です。

POWER DEPO®IIIは大容量かつ高効率の蓄電池を、自宅の空いたスペースに導入したい人におすすめといえます。

住友電工の家庭用蓄電池のスペックと補助金について

ここでは、住友電工が提供する家庭用蓄電池の価格・保証・寿命といったスペックや補助金について、詳細をそれぞれ解説します。

価格と保証について

【住友電工の家庭用蓄電池の価格・蓄電容量・保証・寿命】

製品POWER DEPO®IIPOWER DEPO®III
価格オープン価格オープン価格
蓄電容量2.9kWh3.2kWh
保証期間10年10年

POWER DEPO®IIとPOWER DEPO®IIIは、どちらもコンパクトに設計されています。特に、POWER DEPO®IIIは蓄電池の容量が3kWh以上の蓄電システムにおいて、業界最小サイズかつ最軽量を誇ります。保証期間はどちらも10年間です。

補助金について

2020年3月現在、東京都の蓄電池に関する補助金は以下の通りです。

  • 申請期間:2020年1月15日~2020年3月31日まで
  • 要件:平成28年度以降実施する国の補助事業における補助対象機器として、一般社団法人環境共創イニシアチブに登録されているもの
    太陽光発電システムが導入されている、もしくは蓄電池と一緒に導入すること
    蓄電容量1kWh当たり20万円以下であること
  • 補助率:蓄電池機器費の1/2(上限:60万円もしくは、蓄電池システムの蓄電容量に10万円/kWhをかけた金額のうち、どちらか小さい額)

東京都の家庭用蓄電池に関する補助金は、太陽光発電を導入する(している)場合に限られるため、注意が必要です。

東京都以外でも自治体ごとに蓄電池の補助金制度があるので、確認してみましょう。

住友電工の家庭用蓄電池のメリット・デメリット

メリット・デメリット

ここでは、住友電工の蓄電池にどのようなメリットとデメリットがあるかについて、それぞれ解説します。

太陽光発電の併用でさらにメリットが大きくなる

家庭用蓄電池は単体でも使用できますが、太陽光発電システムと連携させると、さらにメリットが大きくなります。特に、POWER DEPO®IIIには「通常モード」と「グリーンモード」といった2種類の機能があるため、各家庭に適した方法でお得に電気を使えるようになるのです。

「通常モード」では、太陽光発電の余剰電力をしっかりと売電することにより、経済的な収益が得られます。

「グリーンモード」は太陽光で発電した電力の自家消費によって、電気代の節約につながります。自宅で発電した余剰電力をできる限り使えば、電力会社から購入する電気を減らせるのです。

デメリットは価格の相場がわからないこと

本記事で紹介した住友電工の蓄電池は、どちらも家中の電気をバックアップする「全負荷」タイプの機種ではありません。

一般的には、特定負荷型の蓄電池のほうが安価なため、停電時に必要な最低限の家電を選べる方に向いています。

ただし、住友電工のホームページでは、家庭用蓄電池の価格が公表されていません。

蓄電池を設置する際には、本体価格にくわえて工事費用がかかります。住友電工の蓄電池は基礎工事が不要な分、他社製品よりも安くなると考えられますが、業者によって価格が異なるのです。

そのため、あらかじめ業者を比較し、適正価格を知ったうえで蓄電池の導入を進める必要があります。

住友電工の家庭用蓄電池を安く設置する方法

住友電工の蓄電池は、住友電工の技術を集結させた高性能な蓄電池です。十分な充電容量がありながらコンパクト設計であるため、マンションなどの室内や空きスペースに設置することもできます。

しかし、費用の相場がわからないため、導入に踏み切れない人もいるかもしれません。

その場合は業者の一括見積りサイトを利用するのがおすすめです。複数社から見積りを取れるため、より安くて安全性の高い業者が選べ、お得に設置できる可能性が高くなります。

タイナビ蓄電池の無料一括見積りなら、ライフスタイルに合う蓄電池を提案してもらえたり、複数社を比較して安く設置できたりといったメリットがあります。ぜひ一度、相談してみてください。