FIT期間の満了を目前にして、余剰電力の新しい売電先を探している人も多いでしょう。秩父新電力は、2019年度にFIT期間の満了をむかえる家庭を対象に、太陽光発電による余剰電力の買取サービスを開始しました。
2つのプランがあり、買取価格や契約期間は、それぞれで異なります。
今回は、秩父新電力の卒FIT向けプランについて、くわしい内容や買取条件、年間収支のシミュレーションを紹介します。自家消費した場合に節約できる電気代との比較もするので、FIT満了後の選択肢としてどちらがよいか、検討してみてください。
秩父新電力の卒FIT向けプランの概要を紹介
【ちちぶEcoサポータープランA】
プラン概要:2019年度にFIT期間の満了をむかえる家庭を対象とした太陽光発電の買取サービス
買取価格 | 8.7円/kWh |
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特徴:契約は年度単位。蓄電池を設置している場合はこのプランが適用される
【ちちぶEcoサポータープランB】
プラン概要:契約時に地域通貨3000円分が1回もらえる太陽光発電の買取サービス
買取価格 | 8.5円/kWh |
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特徴:2年契約のプラン。秩父市のコイン型商品券「和同開珎」がもらえる。
2つのプランの違いは?秩父新電力の卒FIT買取サービスの詳細・条件
秩父新電力ではプランAとプランB、2つの買取プランを提供しています。両者の大きな違いは買取価格と契約期間です。ここでは、それぞれのプランの内容や買取条件について、くわしく解説します。
年度ごとに契約!プランAの詳細や買取条件は?
秩父新電力が提供する余剰電力買取サービスのプランAは、2019年度中にFIT期間が満了する人を対象として、太陽光発電設備の余剰電力を買い取るプランです。
買取価格は8.7円/kWhに設定されており、買取料金は年に1回、利用者が指定した口座に振り込まれます。契約期間は年度単位で、継続については不明です。
利用者が蓄電池を設置している場合、プランAしか契約ができません。2020年1月12日現在、申し込みの上限数が100件までに限定されています。申し込み数が100件に達した後も、追加募集が出る可能性もあります。
プランAの買取条件は以下の通りです。
- 2019年度にFIT期間が満了になる人
- 埼玉県または東京都(島しょ部を除く)に太陽光発電設備を設置している人
2年契約で安心!プランBの詳細・買取条件を紹介
秩父新電力が提供する電力買取サービスのプランBは、太陽光発電設備で発電した余剰電力を買い取り、ちちぶ地域で活用するサービスです。
買取価格はプランAよりも0.2円安いものの、契約時に秩父市の地域通貨「和同開珎(わどうかいちん)」が3000円分もらえます。秩父市内の約460店舗で使えて、有効期限はありません。
プランBの買取条件はプランAと同様に、以下の通りです。
- 2019年度にFIT期間が満了になり、余剰電力の売電先を探している人
- 埼玉県または東京都(島しょ部を除く)エリアの人
東急パワーサプライで売電すると年間いくらの収入になる?
ここでは、秩父新電力で売電した場合に年間いくらの収支が見込めるのか、シミュレーションした結果を紹介します。また、自家消費した場合に節約できる電気代も計算するので、どちらがお得になるかを比べてみましょう。
プランAで売電した場合の年間収支シミュレーションを計算
【条件】
- 太陽光発電の容量4.5kWh
- 余剰電力3150kWh(月間262.5kWh)
買取プランですべて売電した場合と、余剰電力をすべて自家消費した場合の年間収支を比較します。
余剰電力をすべて売電した場合
買取価格は8.7円/kWhで、年間の売電収入は約27405円(2284円/月)となります。
余剰電力をすべて自家消費した場合(東京電力の従量電灯B利用 )
実質年間節約額は約73908円(約6159円/月)です。
買取プランで売電するよりも、すべて自家消費した場合のほうが、年間で46503円(3875円/月)お得になる計算になります。
プランBで計算してみよう!年間収支と自家消費との差額は?
【条件】
- 太陽光発電の容量4.5kWh
- 余剰電力3150kWh(月間262.5kWh)
買取プランですべて売電した場合と、余剰電力をすべて自家消費した場合の年間収支を比較します。
余剰電力をすべて売電した場合
買取価格は8.5円/kWhで、年間の売電収入は約26775円(2231円/月)となります。
余剰電力をすべて自家消費した場合(東京電力の従量電灯B利用 )
実質年間節約額は約73908円(約6159円/月)です。
買取プランで売電するよりも、すべて自家消費した場合のほうが、年間で47133円(3928円/月)お得になる計算になります。
年間の売電収入と自家消費の節約額の差は?
上でシミュレーションした結果を一覧表にまとめたものがこちらです。
年間売電収入 | 自家消費相当額 ※東京電力の従量電灯Bを基準 | 差額 | |
---|---|---|---|
プランA | 27405円 | 73908円 | 46503円 |
プランB | 26775円 | 73908円 | 47133円 |
秩父新電力の卒FITプランには、お金とは別のメリットもあります。すなわち、秩父の低炭素化と経済を支えるなど、地域に貢献できる点です。
家計へのメリットが優先する場合は、売電するよりも自家消費に回すのが正解といえます。
さらに、蓄電池を導入すると、発電して使いきれなかった電力を貯めておくことができます。発電できない夜間や発電量が少ない悪天候時に、蓄電池に貯めた電力を使えます。
自家消費を増やして電気代の節約をしつつ、停電時への備えになるでしょう。
補助金や一括見積りを利用して蓄電池を安く設置しよう
卒FIT後は、売電を続けたとしても、自家消費に比べて経済的なメリットが小さいのです。ですから、蓄電池を設置して余剰電力をすべて自家消費できるように準備するほうがよいといえるでしょう。
蓄電池を設置するための初期費用はかかりますが、国や自治体の補助金制度によって購入費の一部を補助してもらえる可能性があります。
2019年度には埼玉県や東京都が家庭用蓄電システムに補助金を出しています。現在の支給状況については、自治体の最新情報を確認するか販売店に相談しましょう。
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