スマートテックの卒FIT

電力の固定買取制度(FIT)の期間が満了したあと、太陽光発電の余剰電力をどう活用するのが良いか悩んでいませんか?

電気小売事業者のスマートテックは、卒FITを対象とする買取プランを発表しました。同エリアの大手電力会社よりも高額の買取価格を提示している点が魅力です。

本記事ではスマートテックの卒FIT向けプランの年間収支を計算して、自家消費した場合と比較を行い、FIT後はどちらがお得になるのかを紹介します。FIT期間後の余剰電力をどうするかを決めるとき、本記事を参考にしてください。

高値で売電できる?スマートテックの卒FIT向けプランの概要

【スマートFIT】

概要:2019年11月以降にFIT契約が終了する家庭・法人を対象に、太陽光発電の余剰電力を買い取るサービス

卒FIT買取価格(東京/東北電力管内)11.5円/kWh(税込み)
卒FIT買取価格(中部/関西/中国/九州電力管内)10円/kWh(税込み)

特徴的な要素:買取価格は2年間保証され、2年目以降は1年ごとの更新となる 。支払いは買取金額が1万円(税込)超過ごとに指定口座へ振り込み。1万円以下の場合は翌月に自動繰越し。

買取プランの詳細・買取条件

スマートテックはFIT期間の満了を迎える太陽光発電設備を対象とする電力買取プランとして「スマートFIT」をスタートしました。

東京電力と東北電力の管内では買取価格11.5円/kWh、中部電力・関西電力・中国電力・九州電力の管内では買取価格10円/kWhで、この買取価格は契約開始から2年間保証されます。

スマートテックの卒FIT向けプラン「スマートFIT」を契約するためには以下の条件を満たす必要があります。

  • 10kW未満の家庭用太陽光発電設備で発電した余剰電力であること。
  • 東北・関東・中部・近畿・中国・九州(離島以外)エリアが対象

契約期間にかかわらず契約・解約に手数料がかかりません。

オプションで訪問点検サービスも!

「スマートFIT」のメリットとしては、まず、正常に発電できているかを自動でチェックし、異常が発生している可能性がある場合は通知してくれる「発電量見守り機能」を無料で利用できることです。

また、買取価格から2円/kWhを積み立てることによって太陽光発電設備の訪問点検サービスを利用できるオプションもあります。

自家消費よりお得?「スマートFIT」の年間収支シミュレーション

スマートテックの卒FIT向けプランで売電した場合は、どのくらいの収益を見込めるでしょうか。

ここでは、年間収支のシミュレーションを紹介します。また、売電をした場合と自家消費した場合の節約額を比較して、どちらがどのくらいお得になるのかについても紹介します。

東京・東北電力管内の年間収支より自家消費の節約額が大きい

発電量は対抗校発電設備の設置条件や状況によって変動します。ここでは、以下の条件で売電収支をシミュレーションします。

  • 太陽光発電の容量4.5kW
  • 余剰電力3150kWh/年
  • 買取価格11.5円/kWh

すべての余剰電力を売電すると、1年につき3万6225円(1カ月につき3019円)の収支となります。

続いて、すべての余剰電力を自家消費した場合の節約額もシミュレーションしてみましょう。東京電力の従量電灯Bを基準にして計算すると、節約額は1年につき約7万3908円(1カ月につき約6159円)です。

このように、「スマートFIT」で売電するよりも、自家消費するほうがお得になります。両者の差額は1年につき約3万7683円(1カ月につき約3140円)です。

中部・関西・中国・九州電力管内でも自家消費がお得

上と同じようにシミュレーションを行います。条件は以下の通りです。

  • 太陽光発電の容量4.5kW
  • 余剰電力3150kWh/年
  • 買取価格10円/kWh

収支は1年につき3万1500円(1カ月に就き2625円)となります。

一方、余剰電力をすべて自家消費する場合の節約額は1年につき約6万2074円(1カ月につき約5173円)となります(関西電力の従量電灯Bを基準にして計算)。

売電した場合の収支と自家消費で節約できる額を比較すると、自家消費するほうが1年につき約3万574円(1カ月につき約2548円)お得になります。

自家消費の節約額のほうが3万円以上お得に!

上記のシミュレーション結果を一覧表にまとめました。

年間売電収入自家消費相当額差額
東京・東北エリア3万6225円約7万3908円約3万7683円
中部・関西・中国・九州エリア3万1500円約6万2074円約3万574円

※買取価格は東京・東北電力管内が11.5円/kWh、中部・関西・中国・九州電力管内が10円/kWh

※自家消費相当額については、東京・東北電力管内は東京電力の従量電灯B、中部・関西・中国・九州電力管内は関西電力の従量電灯Bを基準に計算

このように、「東京・東北電力管内」と「中部・関西・中国・九州電力管内」のどちらのエリアでも、余剰電力をすべて自家消費するほうが3万円以上もお得になります。

「スマートFIT」はどんな人に向いている?

向いている

スマートテックの卒FIT向けプラン「スマートFIT」は、どのような人に向いているプランといえるでしょうか。ここでは、プランの契約条件やサービスの特徴を基に、「スマートFIT」がおすすめの人4タイプをピックアップしてみます。

FIT期間終了後に自動継続する予定の人

FIT期間が終わってからも、これまで契約していた電力会社で売電を続けるとお考えかもしれません。

しかし、これからの余剰電力をより高額で買い取ってもらいたいなら、スマートテックの卒FIT向けプラン「スマートFIT」へ切り替えたほうが良いでしょう。

東京電力の卒FIT買取価格が8.5円/kWhであるのに対して、スマートFITの買取価格は11.5円/kWhです。1kWhあたり3円も高く卒FITの電力が売れます。

関西電力の買取価格は8.0円/kWhで、スマートFITの買取価格のほうが2円高いです。

年間の余剰電力を3150kWhとすれば、1年につき6300~9450円もお得になるのです。少しでも高く売電したい人は「スマートFIT」に切り替えるメリットがあると考えてよいでしょう。

FIT期間終了後の対応を検討中の人

「もうすぐFIT期間が満了する」という人、または、「すでにFIT期間が満了してしまった」という人の中には、これからの余剰電力をどのように活用していくか、まだ決まっていないという場合もあるでしょう。そのような人にも「スマートFIT」がおすすめです。

スマートFITは契約期間の途中で解約した場合でも解約手数料が発生しません。ですから、とりあえずはスマートFITに切り替えて地元の大手電力会社よりも高く買取をしてもらいつつ、それ以降の対応をゆっくり検討すると良いでしょう。

たとえば、余剰電力をためておくための蓄電池を用意するまでの期間をスマートFITに切り替え、蓄電池を購入したら解約するといった活用が可能です。

発電量の無料見守り/訪問点検サービスを利用したい人

スマートFITにおける大きな特徴が、発電量の無料見守り機能と訪問点検のサービスです。

発電量見守り機能は、発電状況をチェックすることによって太陽光発電のシステムが正常に機能しているかを診断し、異常があれば通知が届くというものです。こういった機能を使わないと、何らかの理由で発電していない場合も気付くのに時間がかかり、損失につながります。

訪問点検サービスでは、専門スタッフの点検とアドバイスを定期的に受けることができます。太陽光発電設備を10年前後も使い続けており、設備の劣化や発電量の減少が気になっているという人にとって、こういったサービスがあるほうが安心できるでしょう。

ただし、訪問点検サービスを利用するためのオプション費用として、買取価格から1kWhあたり2円を積み立てなければなりません。そのため、必要に応じて点検を依頼した場合と訪問点検サービスのどちらがリーズナブルになるのか、検討したほうがよいでしょう。

https://www.tainavi-battery.com/library/734/

スマートテックの卒FIT向けプランより自家消費がおすすめ!

FIT期間の満了後、余剰電力をできるだけお得に活用したいと考える人には、売電するよりも自家消費がおすすめです。スマートテックが提供する卒FIT向けプラン「スマートFIT」も地元大手電力会社に売電するよりはお得ですが、自家消費すれば、さらに、年間で3万円以上もお得になるのです。

余剰電力を無駄なく自家消費するためには、蓄電池の設置が欠かせません。そこで、蓄電池設置の初期費用を抑えるためにも、ぜひ、タイナビ蓄電池の一括見積りを利用してください。