停電とエアコン

台風や地震で停電が起きたとき、真っ先に困るのが「エアコンが使えない」ことではないでしょうか。

夏の熱帯夜や冬の底冷えのなかで冷暖房が止まると、快適さが失われるだけでなく、熱中症や低体温症といった健康リスクにも直結します。

2019年の台風15号では、千葉県を中心に大規模な停電が発生し、復旧までに1週間以上を要した地域もありました。

この記事では、停電でエアコンが使えないときの応急対策から、蓄電池を使えば実際に何時間エアコンを動かせるのか、復旧後にエアコンを正しく使うための手順まで、具体的な数字とともに解説します。

ぜひ最後までお読みください。

この記事でわかること

停電でエアコンが使えないときの熱中症・防寒対策

停電復旧後にエアコンを正しく起動させる手順

蓄電池の容量別に見る、エアコンを動かせる時間の目安

ポータブル電源と蓄電池、停電対策としてどちらが向いているか

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停電でエアコンが使えなくなる主な原因とは?

停電は季節を問わず、さまざまな要因で発生します。

あらかじめ原因を知っておくと、いざというときに落ち着いて行動しやすくなるでしょう。

代表的な原因としては、落雷による配電設備の損傷、台風や突風による電線・電柱への被害、地震による地中ケーブルの断線、大雪による電線への着雪や倒木などが挙げられます。

また、電力需給がひっ迫した際に実施される計画停電も、エアコンが使えなくなる原因のひとつです。

とくに台風や地震のような自然災害による停電は、復旧までに数時間から数日、地域によっては1週間以上かかることもあります。

長期化する可能性を踏まえて備えておくことが大切です。

停電復旧後、エアコンを正しく使うための手順

停電が復旧しても、エアコンがすぐに動き出すとは限りません。ここでは、復旧後にエアコンを正しく使うための手順を解説します。

まず確認したい「オートリスタート機能」の有無

停電から復旧したときにエアコンが自動で運転を再開するかどうかは、「オートリスタート(停電自動復帰)機能」の有無によって変わります。

近年のエアコンの多くにはこの機能が搭載されていますが、メーカーや機種によっては非搭載のものもあるため、取扱説明書で確認しておくと安心です。

オートリスタート機能があれば、外出中や就寝中に停電が起きた場合でも、復旧と同時に自動でエアコンが動き出します。とくに高齢者やお子さん、ペットがいる家庭では、この機能の有無を事前に確認しておくといいでしょう。

オートリスタート機能がない場合にやるべきこと

オートリスタート機能がない機種や、機能をオフにしている場合は、停電復旧後に手動で操作する必要があります。以下の手順で進めましょう。

  1. いったんエアコンのコンセントを抜く
  2. 分電盤でエアコン用のブレーカーを一度OFFにし、数秒待ってからONに戻す
  3. エアコンのコンセントを差し直し、リモコンで電源を入れる
  4. 室外機が正常に動作しているか、冷暖房がしっかり効いているかを確認する
  5. タイマーなどの設定が初期化されていないか確認し、必要であれば再設定する

停電による急な電源の切断・復旧では、エアコンの内部回路に一時的な異常が生じることがあります。コンセントの抜き差しやブレーカーのリセットは、この異常をリセットするための基本的な対処法です。

それでも動かないときは無理をせず専門業者へ

上記の手順を試しても電源が入らない、ランプが点滅したままである、冷暖房の効きが悪いといった症状が続く場合は、内部の基板や冷媒ガスに問題が生じている可能性があります。無理に分解したり触ったりせず、メーカーのサポート窓口や専門業者に点検を依頼しましょう。

台風などの災害後は、室外機のカバーやファン、ドレインホースに飛来物やゴミが詰まっているケースもあるため、目視できる範囲で確認しておくと、修理の相談がスムーズになります。

停電でエアコンが使えなくてもできる対策と注意点とは?

夏に停電して冷房が使えなくなった場合は、熱中症を避けるための対策が欠かせません。

熱中症にかかるのは屋外に限った話ではなく、気温と湿度がともに高い環境では、屋内でじっとしているだけでも発症することが多いのです。

実際、総務省消防庁の統計でも、熱中症による救急搬送は住居内での発生がもっとも多い年が続いています。

屋内にいるからといって油断はできません。

冷房がない室内でやるべき熱中症対策

喉の渇きを感じていなくても、こまめに水分と塩分を補給しましょう。

風通しの良い場所で過ごし、通気性・吸湿性・速乾性に優れた服を選ぶことも効果的です。

保冷剤や氷、濡らしたタオルなどで首まわりや脇の下、足の付け根といった太い血管が通る部分を冷やすと、効率よく体温を下げられます。

応急的な熱中症対策として覚えておくといいでしょう。

暖房がない室内でやるべき防寒対策

冬に停電して暖房が使えなくなった場合は、防寒対策が最優先です。

寒さは風邪や免疫力の低下を招くだけでなく、寒くて眠れないことによる睡眠不足にもつながりかねません。

保温効果の高い上着や毛布、使い捨てカイロなどで体を温めましょう。

避難所へ移動する際は、体育館のように足元が冷えやすい環境を想定し、厚手の靴下やスリッパ、断熱シートなどを防災袋に備えておくと安心です。

蓄電池なら停電時にエアコンを何時間使える?容量別の目安

応急対策だけでなく、蓄電池があれば停電中もエアコンを使い続けられます。

ここでは、蓄電池の容量とエアコンの稼働時間の関係を具体的に見ていきましょう。

エアコンの消費電力と必要な蓄電容量の関係

エアコンの消費電力は機種によって100~2,000W程度と幅があります。

また、家庭の電圧は一般的に100Vですが、機種によっては200Vに対応したものもあるため、あらかじめ仕様を確認しておく必要があります。

蓄電池でエアコンを動かせる時間は、大まかに「蓄電容量(Wh)× 使用可能な割合 ÷ エアコンの消費電力(W)」で見積もれます。

ここでは省エネタイプ・6畳用エアコン(100V・450W)を例に、蓄電池の容量別の目安を見てみましょう。

蓄電容量別・エアコン稼働時間の目安

蓄電容量の目安エアコン(450W)を
動かせる時間の目安
4kWh前後(小容量タイプ)約6~7時間
8kWh前後(標準タイプ)約13時間
12kWh前後(大容量タイプ)約20時間
16kWh前後(大容量タイプ)約27時間

※上記は、変換効率85%・使用可能容量90%(バッテリー保護のための残容量を考慮)という仮定に基づく独自の試算です。

実際の稼働時間は、蓄電池の機種や劣化状況、外気温、エアコンの運転モードによって変動するため、あくまで目安としてご参照ください。

正確な数値は、各メーカーのカタログや取扱説明書でご確認いただくことをおすすめします。

一般的な家庭用蓄電池の容量は4~16kWh程度の製品が主流とされています。

一戸建てでエアコンを含む複数の家電を長時間使いたい場合は、8kWh以上の容量を目安に検討すると安心でしょう。

https://www.tainavi-battery.com/library/5496/
https://www.tainavi-battery.com/library/172/

エアコン以外の家電も同時に使うときの注意点

蓄電池には、エアコン以外の電気製品も同時に接続して使用できます。

ただし、蓄電池には「定格出力」という、同時に接続できる電力量の上限があります。

接続する電気製品の消費電力の合計が、この定格出力を超えないようにしなければなりません。

停電時に使いたいと想定される主な電気製品の消費電力は、以下のとおりです。

電気製品消費電力の目安
デスクトップパソコン150~300W程度
ノートパソコン50~120W程度
携帯電話の充電15W程度
モデム・ルーター10~30W程度
液晶テレビ(32V型)40~60W程度
冷蔵庫150~600W程度
LEDスタンドライト6~10W程度
ラジオ5~10W程度

運転状況によって家電の負荷は変動するため、蓄電池にかかる負荷にも余裕を持たせる必要があります。

目安として、接続する電気製品の消費電力の合計は、定格出力の80%以下に抑えるようにしましょう。

たとえば定格出力が2kVA(2,000Wまで使用可)の場合、同時に使う電気製品の合計は1,600W以下にしておくと、過不足なく安全に運用できます。

蓄電池と太陽光発電で長期停電に備えられる

蓄電池と太陽光発電で長期停電も安心

蓄電池にくわえて太陽光発電設備を導入すると、より長期の停電にも備えられます。

太陽光発電設備があれば、停電が長引いたとしても電力会社の復旧を待たずに、自力で電気を作り出して使用できるためです。蓄電池に蓄えた電気の容量が減ってきても、太陽光発電設備から日中に再び充電できます。

ただし、太陽光発電設備だけでは万全とはいえません。太陽が出ない曇りや雨の日、夜間は発電できませんし、日中にたくさん発電しても、蓄えておく蓄電池がなければ夜まで電気を持ち越せないためです。

太陽光でつくった電気を蓄電池にためておけば、日が沈んだあとも電気を使い続けられます。もちろん、夜間にエアコンを使うことも可能です。

蓄電池と太陽光発電はお互いの弱点を補い合う関係にあり、両方をセットで導入することで、停電対策としては非常に心強い組み合わせになります。

ポータブル電源と蓄電池、停電のエアコン対策に向いているのはどっち?

停電時のエアコン対策として、近年は持ち運びできる「ポータブル電源」も注目されています。

蓄電池とポータブル電源にはそれぞれ特徴があるため、目的に応じて選ぶことが大切です。

比較項目家庭用蓄電池ポータブル電源
設置方法工事による固定設置工事不要・持ち運び可能
容量の目安4~16kWh程度0.3~5kWh程度(機種による)
対応範囲家全体(全負荷型)または特定の回路接続したコンセントの家電のみ
停電時の切り替え自動切り替え対応機種が多い手動接続、一部にUPS機能あり
太陽光発電との連携ハイブリッド型で高効率に連携可能専用ソーラーパネル充電が中心
おすすめの人家全体で長期停電に備えたい方、卒FIT後の自家消費も両立したい方手軽に一部の家電だけ備えたい方、アウトドアでも使いたい方

ポータブル電源は手軽に導入でき、持ち運びできる点が魅力です。

一方で、容量には限りがあり、エアコンのような消費電力の大きい家電を長時間・家全体で使い続けるには、家庭用蓄電池のほうが適しています

とくに、太陽光発電と組み合わせて自動で切り替えながら家全体の電気をまかないたい場合や、卒FIT後の自家消費による節約効果も同時に得たい場合は、蓄電池を選ぶメリットが大きいでしょう。

エアコンの停電対策は蓄電池!安く買うには?

蓄電池んら停電対策になる

停電時でもエアコンが使える環境を整えるには、蓄電池、そして太陽光発電との組み合わせが有効です。

電力の供給が止まった場合でも、昼間は太陽光でつくった電気を利用し、夜間や曇天時は蓄電池に貯めた電気を活用できます。

これにより、災害時でも普段と変わらない室内環境を維持し、健康を守りやすくなります。

とくに夏の猛暑日は熱中症のリスクが高まり、冬は厳しい寒さによる体調不良が懸念されます。

停電によるエアコンの停止は生活の質を大きく損ないますが、蓄電池を備えておけば、いざというときも安心です。

蓄電池の導入には初期費用がかかりますが、一括見積もりサイト「タイナビ蓄電池」を活用すれば、複数の販売店から見積もりを取り寄せ、費用や条件を比較しながら、最適なプランを見つけられます。

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よくある質問(FAQ)

Q. ポータブル電源でもエアコンは動かせますか?
一部の大容量モデルであれば、消費電力の小さいエアコンを短時間動かすことは可能です。ただし、家全体を長時間まかなうには容量が不足しやすいため、長期停電に備えるなら家庭用蓄電池のほうが適しています。
Q. 蓄電池は停電になったら自動でエアコンに電気を供給してくれますか?
機種によって異なります。停電を感知して自動で運転モードを切り替えるタイプと、手動での切り替えが必要なタイプがあるため、導入時に自動切り替え機能の有無を確認しておくと安心です。
Q. 蓄電池の価格相場はどれくらいですか?
容量やメーカー、工事内容によって幅がありますが、家庭用蓄電池の設置費用は一般的に90万~160万円程度が目安とされています。正確な金額は機種や設置条件によって変わるため、一括見積もりで複数社を比較することをおすすめします。
Q. ペットや高齢者がいる家庭は何に気をつければいいですか?
留守中や就寝中の停電では、室温の急激な変化に気づきにくいという課題があります。オートリスタート機能付きのエアコンや、自動切り替えに対応した蓄電池を組み合わせておくと、留守中でも室温を維持しやすくなります。

まとめ

今回は、停電でエアコンが使えないときの対策と、蓄電池を使った場合の稼働時間の目安、復旧後の正しい操作手順について解説しました。

夏は熱中症、冬は防寒対策を優先しつつ、蓄電池があれば停電中も普段と変わらない室内環境を維持しやすくなります。

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