停電とエアコン

停電はいつ起きるかわからないものです。夏や冬など、暑さや寒さが厳しい季節であれば、不便というだけでなく、健康を害するおそれもあります。

大きな災害で発生する停電は長期化する傾向があります。2019年9月の台風15号では、千葉県など広い範囲で数日間から2週間におよぶ長期停電となりました。連日の熱帯夜を冷房なしで過ごすため、熱中症のリスクが高かったと言えます。

長期間にわたる停電に備えて健康な暮らしを守るためには、どのような対策をとれば良いのでしょうか。今回は、停電時のエアコンの電力確保に着目して解説します。

停電でエアコンが使えなくてもできる対策と注意点とは?

夏に停電して冷房が使えなくなった場合は、熱中症を避けるために対策する必要があります。熱中症にかかるのは屋外に限りません。温度と湿度が高い場合、屋内でじっとしているだけでも熱中症になることが多いのです。

実際、熱中症で救急車が要請されたケースでは屋内で発生した割合が一番多く、全体の37%を占めています。公益社団法人全日本病院協会などから室内型熱中症に関する注意喚起もされているのです。

冷房がない室内でやるべき熱中症対策

屋外でも、こまめに水分と塩分を補給しましょう。喉の渇きを感じない場合でも意識的に水分・塩分を摂取することが大切です。

できるだけ風通しの良い場所で過ごすようにしましょう。それから、体に熱がこもるのを予防するために、通気性が良く吸湿性や速乾性のある服を着るようにします。

保冷剤や氷、ぬらしたタオルなどで首周りや脇の下、足の付け根など太い血管が通っている部分を冷やすことも熱中症予防や応急手当として効果的です。

暖房がない室内でやるべき防寒対策

冬に停電が起きて暖房が使えなくなった場合は防寒対策が重要です。

寒さが体に及ぼす悪影響としては風邪をひくほか、免疫力の低下、寒くて眠れないことによる睡眠不足といった弊害があります。

停電で暖房が使えない時は保温効果の高い上着や毛布、カイロなどで体を温めるようにしましょう。

避難所に行くときは体育館など足元が冷える場所であることを想定して、防災袋に防寒対策グッズを用意しておきましょう。冬の災害時・避難時には厚手の靴下やスリッパ、断熱シートなどが役に立ちます。

どんな蓄電池なら停電時にエアコンを使える?

エアコンと蓄電池

蓄電池とは電力を蓄えておける設備です。では、蓄電池を活用した場合は停電時にどのくらいの時間エアコンを使えるのでしょうか。この段落では蓄電池とエアコンについて解説していきます。

エアコンが使える蓄電池の出力と容量

エアコンの消費電力は機種によって100~2000W程度と幅があります。また、家庭の電圧は一般的に100Vですが、エアコンの機種によっては電圧が100Vの場合と200Vの場合があるため、あらかじめ把握しておく必要があります。

蓄電池には、さまざまな蓄電容量の製品があります。たとえば、蓄電容量が1600kWhの場合、省エネタイプ・6畳用のエアコン(100V・450W)なら3時間ほど動かせます。

蓄電容量が3200kWhなら、省エネタイプ・6畳用のエアコン(100V・450W)を約6時間、稼働できます。

蓄電池を利用すればエアコン以外の家電も同時に使える

蓄電池にはエアコン以外の電気製品も同時に接続して使用できます。ただし、蓄電池には定格出力といって、同時に接続できる電力量に制限があります。接続する電気製品の消費電力が定格出力値を超えないようにしなければいけません。

参考までに、停電時に使いたいと想定される主な電気製品が必要とする電力量を紹介します。

電気製品消費電力
デスクトップパソコン150~300W程度
ノートパソコン50~120W程度
携帯電話の充電15W程度
モデム・ルーター10~30W程度
液晶テレビ(32V)40~60W程度
冷蔵庫150~600W程度
LEDスタンドライト6~10W程度
ラジオ5~10W程度

運転状況によって電気製品の負荷は変動するため、蓄電池にかかる負荷も考慮する必要があります。蓄電池の取扱説明書に書かれている容量は一定の条件下で使用した場合の値のため、実際に使用する時と環境が異なる可能性もあるのです。

これを頭に置いておかないと、実用の際に使いたい家電が使えないといった状況にもなりかねません。

目安として、接続する電気製品の消費電力の合計は定格出力の80%以下に抑えたほうが過不足を防止できます。たとえば、定格出力が2kVA(2000Wまで使用可)となっている場合、同時に接続できる電気製品は1600Wまでにしておいたほうが無難です。

蓄電池と太陽光発電で長期停電に備えられる

蓄電池と太陽光発電

蓄電池にくわえて太陽光発電設備を導入すると、さらに長期停電への万全な備えができます。

太陽光発電設備があれば、停電が長引いたとしても電気業者の復旧をあてにせず、自力で電気を作り出して使用できるのです。蓄電池に蓄えられた電気の容量が減ってきても、太陽光発電設備から再び充電できます。

なお、太陽光発電設備だけでは十分とはいえません。太陽光が射さない曇りや雨の日、夜間などは発電できませんし、天気の良い日中にたくさん発電しても蓄電池がなければ電気を蓄えておくことができないためです。

太陽光によって生じる電気を蓄電池にためておくことによって、太陽の出ていない時間帯でも電気を使い続けられるようになります。もちろん、夜間にもエアコンを使えます。

蓄電池と太陽光発電で弱点を補い合うと、停電対策が万全になるのです。

エアコンの停電対策は蓄電池! 安く買うには?

停電でエアコンが使えなくなったときは、健康を守ることが最も大切です。夏は熱中症に注意し、冬は防寒対策をする必要があります。しかし、エアコンが使えなくなってしまってからでは、ふだん通りの生活をすることは難しいでしょう。

蓄電池を活用すれば、停電してもふだんと変わらない電気を使った生活ができます。配線工事が難しくても、ポータブル蓄電池を利用するという方法もあります。

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