東京ガスの卒FIT

東京ガスでは、FIT期間満了後に太陽光発電の余剰電力を買い取るサービスが始まっています。東京電力管内の買取価格としてはトップクラスですが、電力の自家消費と比較した場合に、どちらがお得になるのか気になる方も多いでしょう。

今回は東京ガスの卒FITプランの詳細や自家消費との比較、年間収支シミュレーションを紹介します。ぜひFIT期間満了後の買取プラン選択の参考にしてください。

東京ガスの卒FIT向けプランを比較してみよう

【太陽光買取プラン】

概要:太陽光で発電した電力を買い取ってくれるサービス

買取価格9.5円/kWh

特徴的な要素:東京ガスとガスや電気の契約をしていない場合でも買取可能

【太陽光ずっともセットプラン】

概要:東京ガスと電気契約をしている家庭向けのサービス

買取価格10.5円/kWh

特徴的な要素:太陽光買取プランよりも買取価格が高く設定されている

東京ガスの卒FIT向けプランの詳細や契約条件は?

東京ガスの卒FIT向けプランのうち「太陽光買取プラン」は東京電力管内であれば電気使用契約者以外でも利用できます。「太陽光ずっともセットプラン」は電気使用契約が必要になります。この項では、それぞれのプランの詳細や契約条件について解説します。

買取サービスだけの利用も可能な「太陽光買取プラン」

「太陽光買取プラン」は、東京ガスがFIT満了後の太陽光発電の余剰電力を買い取るプランです。

2019年11月時点では、東京電力管内のみ買取可能となっています。買取単価は9.5円/kWhで、6カ月ごとに指定口座に振り込まれます。また解約時の違約金はありません。

太陽光買取プランの契約条件は下記になります。

  • 対象エリアは東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、栃木県、群馬県、茨城県、山梨県、静岡県の富士川以東のエリア
  • 住宅用太陽光発電を設置している世帯

太陽光買取プランは、東京ガスの供給エリア外でも買取が可能なので、東京ガスで電気やガスの契約をしていない場合も利用できるのが特徴です。

電気とセットの「太陽光ずっともセットプラン」

「太陽光ずっともセットプラン」は、2019年11月から開始される余剰電力買取サービスで、東京ガスの電気使用とセットになったプランです。

買取単価は10.5円/kWhで、通常の太陽光買取プランより1.0円/kWhも高く設定されています。東京電力エナジーパートナーの買取単価は8.5円/kWh(2019年10月時点)なので、2.0円/kWhも高いことになり、全国的にみてもトップクラスの高単価買取となっています。

太陽光ずっともセットプランの契約条件として以下条件が挙げられます

  • 東京電力管内で住宅用太陽光発電を設置している人
  • 東京ガスの電気使用契約の契約者であることが条件
  • 原則として電気の使用場所と発電場所が同じであること
  • 電気使用の契約者と買取契約の契約者が同じ名義であること

 

自家消費した場合と比較!各プランの年間収支シミュレーション

シミュレーション

東京ガスの太陽光買取プランを利用した場合、年間の収支はどうなるのか各プランのシミュレーションを紹介します。

ここでは容量4.5kWhの太陽光発電で、年間3150kWhの余剰電力を想定して計算しています。余剰電力量は天候や設置環境、日中の電気使用量などによっても左右されるため、一例として参考にしてください。

それでは、自家消費した場合と比べてどちらがいいのかを検討しましょう。

「太陽光買取プラン」の年間シミュレーション

【条件】

  • 太陽光発電の容量4.5kW
  • 余剰電力3150kWh(月間262.5kWh)
  • 買取価格10.5円/kWh

太陽光買取プランですべて売電した場合と、余剰電力をすべて自家消費した場合の年間収支を比較します。

余剰電力をすべて売電した場合

買取価格は9.5円/kWhで、年間の売電収入は約3万円(約2500円/月)となります。

余剰電力をすべて自家消費した場合(東京電力の従量電灯B利用)

実質年間節約額は約7万4000円(約6000円/月)です。

太陽光買取プランで売電するよりも、すべて自家消費した場合のほうが、年間で約4万3000円(約4000円/月)お得になる計算になります。

 

「太陽光ずっともセットプラン」の年間シミュレーション

【条件】

  • 太陽光発電の容量4.5kW
  • 余剰電力3150kWh(月間262.5kWh)
  • 買取価格10.5円/kWh

太陽光ずっともセットプランですべて売電した場合と、余剰電力をすべて自家消費した場合の年間収支を比較します。

余剰電力をすべて売電した場合

買取価格は10.5円/kWhで、年間の売電収入は約3万3000円(約3000円/月)となります。

余剰電力をすべて自家消費した場合(東京ガスのずっとも電気1S利用)

実質年間節約額は約7万2000円(約6000円/月)です。

太陽光ずっともセットプランで売電するよりも、すべて自家消費した場合のほうが、年間で約4万円(約3000円/月)お得になる計算になり、買取価格は高めの設定ですが、それでも自家消費のほうがお得といえます。

各プランの年間収支一覧

プラン年間売電収入自家消費相当額差額
太陽光買取プラン29925円73874円43949円
太陽光ずっともセットプラン33075円71933円38858円
※太陽光ずっともセットプランの自家消費相当額は、東京ガスのずっとも電気1Sの料金単価で計算しています。

どちらのプランの場合も、自家消費のほうが年間4万円ほどの節約になることがシミュレーションで明らかになりました。ただし、余剰電力を完全に自家消費するには蓄電池やエコキュートなどが必要です。その購入費用をどれだけ安くできるかが、本当の節約効果に影響します。

 

FIT満了後は売電よりも自家消費のほうがお得!

自家消費

東京ガスの卒FIT向けプランは9.5~10.5/kWhと高めの買取価格となっています。しかし、年間収支を計算してみると自家消費のほうが節約できることがわかりました。蓄電池を設置して余剰電力を自家消費へ回すことも検討しましょう。

蓄電池の設置には導入費用がかかるものの、非常時にも電源の確保ができるといったメリットもあります。また購入費の一部を補助金でまかなえる可能性もあるので情報収集も大切です。

タイナビ蓄電池では、複数の業者を比較しながら一括見積もりが可能なので、是非利用してみましょう。