東邦ガスの卒FIT向けプランの買取価格は？自家消費した場合とどちらがお得？

東邦ガスでは、卒FIT向けプランとして2種類の買取単価を設定しています。ほかにも、現金だけの買取だけでなくポイントがもらえるプランも選べるのが、東邦ガスの特徴といえるでしょう。

この記事では、東邦ガスの卒FIT向けプランのサービス内容や買取価格、買取条件などを詳しく解説します。また、年間収支のシミュレーションを行い、プランを利用して売電した場合と自家消費した場合で、どちらがお得なのかを比較しました。

FITが終わった後の余剰電力を売るか、自宅で使うのかを判断するときの参考にしてください。

東邦ガスの卒FIT向けプランを比較してみよう

【買取プラン】

・概要：FIT期間が終わった後、家庭用の太陽光発電で余った電力を買い取ってくれるサービス

・特徴的な要素：毎年度4月1日から翌年3月31日までの1年間で買い取った金額を6月頃に指定の口座へ振り込む

【セレクトプラン】

・概要：FIT期間満了後の太陽光の余剰電力を買い取り、商品やサービスと交換できるサービス

・特徴的な要素：リロクラブとの提携により、買取金額をポイントで付与する

東邦ガスの卒FIT向けプランの詳細や買取条件は？

この項では、東邦ガスの卒FIT向けプランの詳細や、買取条件などを解説していきます。東邦ガスの「買取プラン」と「セレクトプラン」の2つのプランについて、要点を押さえて把握しておきましょう。

「買取プラン」の詳細・買取条件

画像引用元：https://www.tohogas.co.jp/taiyoko-kaitori/

「買取プラン」の太陽光発電による余剰電力の買取価格は、東邦ガスのガスと電気をセットで契約した場合は9.5円/kWhです。セット契約しない場合は9.0円/kWhで、東邦電気のガス・電気ともに契約していない場合も申し込むことができます。

「買取プラン」は、一部の地域を除く「愛知・岐阜・三重県」とその周辺地域で、住宅用太陽光発電を設置していることが買取条件です。

対象になるのは、固定価格買取制度（FIT）期間の満了を迎えた家庭用太陽光発電です。FITが満了する日は、業者からのFIT満了の通知や契約書に記載されています。

ガスと電気セット契約は、東邦液化ガスグループの東邦液化ガス(株)、(株)東栄、(株)ワセ田ガスのLPガス契約も含まれます。

買取金額は年度ごとに1円未満の端数を切り上げて計算され、1年に1回、指定口座へ振込まれます。なお、買取単価は2021年3月まで適用され、それ以降は改めて単価が決められるため変動する可能性があります。

「セレクトプラン」の詳細・買取条件

画像引用元：https://www.tohogas.co.jp/taiyoko-kaitori/

「セレクトプラン」の買取価格は「買取プラン」と同じで、ガス・電気とのセット契約で9.5円/kWh相当、セット契約しない場合は9.0円/kWh相当です。

このプランで売電すると、リロクラブで使えるポイントがもらえます。1円の買取価格に対して1ポイントが付与され、貯まったポイントはリロクラブの専用WEBサイトで好きなギフトと交換できるので、買取プランよりもお得になるでしょう。

買取金額は年度ごとに集計されて、毎年6月にポイントが付与されます。ポイントの有効期限は発行日から6カ月経過した日の前日までで、利用していないポイントは失効となるので注意が必要です。

「セレクトプラン」の買取条件は、「買取プラン」と同様の対象エリア、同様の買取条件となっています。ポイントのサービスや商品への交換は、最低100ポイントからで、100ポイント未満は利用できません。また、このポイントの譲渡や現金への交換はできません。

自家消費の場合とどちらがお得？年間収支シミュレーション

この項では、東邦ガスの卒FITプランで余剰電力を売電すると、年間でどのくらいの収入になるのかをシミュレーションした結果を紹介します。

さらに、余剰電力を自家消費する場合とどちらがお得になるのかについても比較するので参考にしてください。

ガスと電気をセットで契約した場合

ガスと電気をセットで契約し、余剰電力を売電した場合

年間収支のシミュレーション結果は以下のとおりです。

【条件】

• 太陽光発電の容量4.5kW
• 余剰電力3150kWh/年
• 買取価格9.5円/kWh

収支をシミュレーションした結果、1年間で約3万円(約2500円/月)の売電収入がある結果になりました。

太陽光発電の余剰電力をすべて自家消費した場合

年間収支のシミュレーション結果については以下のとおりです。

【条件】

• 太陽光発電の容量4.5kW
• 余剰電力3150kWh/年
• 東邦ガスのファミリープランの電力量料金40A以上（120kWhまで21.05円/kWh、300kWhまで25.53/kWhで計算）

電気代の節約額をシミュレーションした結果、1年間で約7万2000円（約6000円/月)という結果になりました。

東邦ガスの電気とガスをセット契約して卒FIT売電をした場合と、自家消費した場合の差額は、年間で約4万2000円、1月あたり約3500円です。このシミュレーション結果から、太陽光発電の余剰電力はすべて自家消費したほうがお得になることがわかります。

ガスと電気をどちらも別の会社で契約する場合

ガスと電気のどちらも別の会社で契約し、余剰電力を売電する場合

年間収支のシミュレーション結果は以下のとおりです。

• 条件：太陽光発電の容量4.5kW、余剰電力3150kWh/年、買取価格9.0円/kWh
• 年間収支の目安：1年間で28350円、1カ月で約2363円

太陽光発電の余剰電力をすべて自家消費した場合

間収支のシミュレーション結果については以下のとおりです。

【条件】

• 太陽光発電の容量4.5kW
• 余剰電力3150kWh/年
• 中部電力の従量電灯Bの電力量料金で計算

電気代の節約額は、1年間で約7万2700円、1カ月で約6000円という結果になりました。

ガスと電気の両方を別会社で契約した場合と、余剰電力をすべて自家消費した場合の差額は、年間で約4万4300円、1カ月では3700円になりました。このシミュレーション結果から、太陽光発電の余剰電力はすべて自家消費したほうがお得となることがわかりました。

売電収入と自家消費による節約額との比較

東邦ガスで太陽光発電の余剰電力を売却した場合と、すべて自家消費した場合の収支について、わかりやすいように以下の表にまとめました。

セット契約とセット以外（電気もガスも別会社と契約）のどちらの場合でも、自家消費したほうが年間4万円以上の節約になることがわかりました。

ただし、自家消費で太陽光発電の余剰電力を活用するためには、蓄電池の設置が必要不可欠です。蓄電池をできるだけ安く手に入れることが、自家消費による節約額を増やすポイントになるでしょう。

東邦ガスで売電するより自家消費のほうがお得

東邦ガスでは、1kWhあたり9.0～9.5円で余剰電力の買取を行うプランを提供しています。しかし、余剰電力の買取額よりも買電する電気代のほうが高いという現状があるので、売電ではなく自家消費で電気代を節約したほうが経済的にはお得です。

太陽光発電で得た余剰電力をすべて自家消費するには、蓄電池の設置が欠かせません。蓄電池の設置費用は年々下がる傾向にあるので、卒FITするタイミングで設置を検討してみてはいかがでしょうか。蓄電池の設置には補助金が適用される場合もあるため、利用すれば初期費用を抑えられる可能性もあります。

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