大阪ガスの卒FIT

大阪ガス株式会社は、FIT(固定価格買取制度)の買取期間が終了する人を対象に、太陽光発電の余剰電力の買い取りサービスを開始しました。

誰でも契約できるプランに加えて、大阪ガスの電気を利用することでよりお得になるプラン、環境にやさしい電気料金メニューと併せることで、更にお得となるプランなども選べます。

この記事では、大阪ガスの3つの卒FITプランの概要や年間収支シミュレーション、卒FIT後のお得な選択肢などについて紹介します。それぞれの加入条件を確認してから、お得なプランを選んで活用しましょう。

大阪ガスの卒FITプランを比較

大阪ガスの卒FIT買取プランは全3種類。最もシンプルな【買取プラン】に加え、大阪ガスの電気料金プラン契約などの条件によって、売電価格が増えるしくみになっています。

【買取プラン】

・プラン概要:余剰電力の買い取りのみを行うシンプルなプラン

卒FIT後の買取価格8.5円/kWh

・特徴的な要素:「大阪ガスの電気」を契約していない人が対象

【電気セットプラン】

・プラン概要:大阪ガスの電気の購入と卒FIT買取がセットになったプラン。単価が比較的高い

卒FIT後の買取価格9.0円/kWh

・特徴的な要素:大阪ガスの電気契約者が対象

【電気セットプラン+スタイルプランEオプション】

・プラン概要:大阪ガスの電気料金プランのひとつ、「スタイルEプラン」を契約している人が対象の卒FIT買取プラン。一般的な卒FIT買い取りサービスの中でも単価が高め。

卒FIT後の買取価格9.5円/kWh

・特徴的な要素:スタイルEプランとは、環境にやさしい電気を求める人向けのプラン。

CO2排出量が実質ゼロになるように工夫された電気が買える「E-ZERO」と、燃やしたときに大気汚染などの悪影響を及ぼしにくい天然ガスで発電した電気が使える「E-SHERE」がある。

大阪ガスの卒FITプランの詳細と加入条件

大阪ガスの卒FITプランである、買取プラン、電気セットプラン、電気セットプラン+スタイルプランEオプションについて、その詳細と加入条件をプランごとに解説していきます。加入を検討する場合は、条件に合っているか、詳細は目的に沿っているかを確認しておきましょう。

買取プラン

シンプルな「買取プラン」の詳細や加入条件を確認しておきましょう。

【プラン詳細】

太陽光発電による余剰電力の買取のみを行うプランで、買取価格は8.5円/kWhです。

【加入条件】

関西電力のエリア内での利用であれば、大阪ガスの電気利用者であることは問われません。関西電力など、大阪ガス以外の電気を使っていても加入できます。

契約期間は4月1日から翌年の3月末までです。最初の契約期間は、買取開始日が初日で、最初に到達する3月末日までとなります。契約期間以降は1年ごとの更新です。

電気セットプラン

次に、購入・買取を組み合わせた「電気セットプラン」について、詳細と加入条件を紹介します。

【プラン詳細】

大阪ガスからの電気の購入と、太陽光発電で余った電気の買取がセットになったプランです。買取価格は9.0円/kWhと、買取プランよりも高く設定されているので、条件に合っていればお得になるでしょう。

【加入条件】

大阪ガスの電気を利用している人に限られるプランです。

契約期間は4月1日から翌年の3月末までで、最初の契約期間は買取開始日から最初に到達する3月末日までになります。契約期間以降は1年ごとの更新です。

電気セットプラン+スタイルプランEオプション

電気セットプランに「スタイルプランEオプション」を加えるプランの詳細や加入条件は、以下の通りです。

【プラン詳細】

再生可能エネルギーやエネファームにより発電された電気を利用する、環境に優しいプランです。太陽光発電の余剰電力の買取もセットになっているので、よりお得なプランと言えるでしょう。

【加入条件】

このプランに加入できるのは、大阪ガスの電気を利用している人で、「スタイルプランE」の適用を受けていることが条件です。

E-ZEROかE-SHARE、どちらかの電気料金プランを選んで契約するようになります。契約期間は、4月1日から翌年の3月末とされています。最初の契約期間は買取開始日から最初に到達する3月末日までで、契約期間が過ぎれば1年ごとの更新です。

年間収支をシミュレーション

大阪ガスの卒FITの各プランを実際に利用するとどうなのか、具体的なシミュレーションをもとに分かりやすく紹介します。

太陽光発電の容量を4.5kW、年間想定売電量を4500kWhとした、年間収支のシミュレーションを行います。

買取プラン

買取プランの収支について、シミュレーションを行った結果は下記の通りです。

【条件】

太陽光発電の容量を4.5kW、自家消費分を除いて余剰売電に回せる売電量を3150kWhとします。

【買取プラン年間収入目安】

買取価格が8.5円/kWhの場合には、1カ月あたりの売電収入は約2000円なので、年間売電収入は約2万7000円になります。

【余剰電力を全て自家消費した場合の電気料金の節約額を試算】

「大阪ガスの電気」「ベースプランA-G(関西電力従量電灯A 相当)」を契約した場合、実質節約額は1カ月あたり約6000円、年間約7万円になります。実際には、「ベースプランA-G」を契約した場合には、大阪ガスの電気セットプランが適用されます。今回の場合は、ひとつの試算例としてイメージしてください。

FIT後の余剰電力を「買取プラン」で売電した場合、年間の想定収入は約2万7000円という結果になりました。

太陽光発電の電気を全て自家消費した場合には、節約できる電気料金の金額は年間で約7万円です。差額は年間で約4万4000円と、自家消費による節約額のほうが多いということが分かりました。

電気セットプラン

次に、電気セットプランの収支についてシミュレーションしてみましょう。

【条件】

太陽光発電の容量を4.5kW、自家消費分を除いて余剰売電に回せる売電量を3150kWhとします。

【電気セットプラン 年間収入目安】

電気の買取価格が9円/kWhの場合、1カ月あたりの売電収入は2363円なので、年間にすると28350円になります。

【余剰電力を全て自家消費した場合の電気料金 節約額を試算】

「大阪ガスの電気」「ベースプランA-G(関西電力従量電灯A相当)」を契約した場合、年間の実質的な節約額の目安は1カ月あたり約6000円で、年間にすると約7万円になります。

FIT後の余剰電力を「電気セットプラン」で売電した場合、年間の想定収入は約2万8000円という結果になりました。

太陽光発電の電気を全て自家消費した場合、節約できる電気料金の金額は年間約7万円です。その結果、差額は年間およそ4万2000円で、自家消費による節約額のほうが多いということが計算から分かりました。

電気セットプラン+スタイルプランEオプション

電気セットプラン+スタイルプランEオプションについても、収支をシミュレーションしてみましょう。

【条件】

太陽光発電の容量を4.5kW、自家消費分を除き余剰売電に回す売電量を3150kWh、買取価格を9.5円/kWhとします。

【電気セットプラン+スタイルプランEオプション年間収入目安】

1カ月あたりの収入は約2000円、年間売電収入は約3万円になります。

【余剰電力をすべて自家消費した場合の電気料金 節約額を試算】

「大阪ガスの電気」「スタイルプランE-ZERO(関西電力従量電灯A 相当)」を契約した場合、実質節約額の目安は1カ月あたり約6000円で、年間にすると約7万5000円になります。

2つの試算の差額は年間約4万5000円で、余剰電力はすべて自家消費したほうがお得という計算結果になりました。

各プランの年間収支一覧

プラン年間売電収入自家消費相当額差額
買取プラン26775円70536円43761円
電気セットプラン28350円70536円42188円
電気セットプラン+スタイルプランEオプション29925円75192円45267円

どのプランを利用した場合でも、自家消費するほうが4万5000円前後お得になります。

 

お得で災害時も安心!蓄電池で自家消費がおすすめ

大阪ガスの卒FITプランの買取価格は、8.5円/kWh~9.5円/kWhと、他の電力会社のプランよりも比較的高い料金設定になっています。ただし、自家消費して電気代を節約したほうがお得、というシミュレーション結果が得られました。

節電することが重要ですが、全量自家消費するには蓄電システムが必須です。電気を貯めることができる蓄電池は、災害対策としても兼用できるため安心感も得られるでしょう。

全量自家消費できた場合の節約額が大きい点や、据え置き型の蓄電池には30年使える長寿命の機種が多いことは大切なポイントです。実際に運用すれば、本体購入費用の大部分は実質的にまかなうことができるでしょう。

本体価格をいくらで設置できるのか、できるだけ安く施工できる事業者はどこかを調べるために、タイナビ蓄電池の相見積もりを使うことをおすすめします。