災害向けポータブル蓄電池

持ち運びできるポータブル蓄電池は、さまざまな場所やシチュエーションで使えて便利なものですが、なかでも災害への備えを想定するなら、どのような製品を選べばよいのでしょうか。

必要な容量や持ち運びしやすい重さ、災害対策に使いたい電化製品との相性など、ポータブル蓄電池を選ぶために必要なことを確認していきましょう。

今回は、災害時に適したポータブル蓄電池の選び方を紹介します。

災害対策向けのポータブル蓄電池とは

持ち歩きもできるポータブル蓄電池があれば、非常時でも電気が使えなくなるという不安は解消できるでしょう。ただし、キャンプやアウトドアで使うものは容量が小さいものが多いので、普段使っている電化製品が十分に使えません。災害時には、冷蔵庫やテレビなど電力消費の多い電化製品も使える大容量の製品がおすすめです。

大容量の蓄電池なら、スマホの充電やラジオ、テレビなど災害時の情報収集に必要な製品の電源確保はもちろん、炊飯器や電気ポットなど、調理に必要な電化製品も使えます。

さらに、大容量ポータブル電源とソーラーパネルの組み合わせなら、長期間の電源確保も可能です。ソーラーパネルと連携すれば、停電が長引いても電気が枯渇しません。

持ち運べるタイプが便利!ポータブル蓄電池の重さ

ポータブル蓄電池

ポータブル蓄電池を購入する場合は、持ち運べる重さかどうかも確認しておきましょう。ポータブル蓄電池の重さは、製品によって1.3kgから8.0kgと様々です。

一般的には、5kgくらいまでならキャスターなしでも運べる重さと言えるでしょう。それ以上の重さの製品でも、キャスター付きの蓄電池ならアウトドアや災害時の持ち出しも可能です。

容量も大きくできるため、生活に必要な電化製品も十分に使用でき、災害時の自宅避難に重宝するでしょう。

https://www.tainavi-battery.com/library/172/

ポータブル蓄電池の容量は災害時にどのくらい必要?

ポータブル蓄電池

ポータブル蓄電池の容量について、災害対策に必要な目安はどれくらいなのかを確認しておきましょう。

実際に災害時に利用することを考えると、蓄電容量は大きいほど安心できます。ポータブル蓄電池には、最大で5kWhの製品もあり、このくらいの容量があれば、災害時にも冷蔵庫やテレビ、照明器具などの電化製品が使えます。

1Whは、1Wの電力を1時間使い続けたときの電力量を示しています。たとえば、「500Whのポータブル蓄電池」なら、65Wの小型冷蔵庫を7時間以上使用できることになります。

ポータブル蓄電池の容量は、製品によって表記方法が違って分かりにくいかもしれません。mAhで表示されている場合は、Whに変換すると比較しやすいでしょう。

mAhは、「mAh÷1000×定格電圧(V)」の計算式でWhに変換できます。たとえば、電流500mAh、電圧5Vの場合は「500÷1000×5=2.5」で2.5 Wh になります。

たくさんの電気を使う可能性がある、冷蔵庫にも使える電気を貯めておきたいなら、ポータブルではなく据え置き型の蓄電池を選びます。

手持ち家電が使えるかチェック! ポータブル蓄電池の出力ポートの種類

ポータブル蓄電池を選ぶときには、出力ポートについて確認しておく必要があります。

出力ポートとは、電気製品のコードをつなげる接続部分のことで、電化製品によって種類が異なります。災害時に使いたい電化製品に対応する電力ポートが、ポータブル蓄電池に付いているのかを確認しましょう。

ポータブル蓄電池の出力ポートは、主にAC出力、DC電源出力ポート、USBポートの3種類です。

USBポートは、スマートフォンやタブレット、PCなどの充電、電源確保に便利な出力ポートです。モバイルバッテリーのほとんどにも付いています。

AC出力は、いつものコンセントに挿せる電化製品に取り付けられているものです。たとえば、携帯充電器やテレビ、電気ポットなど、一般的なコンセントが付いている電化製品であれば使用できると考えて問題ありません。

DC電源出力ポートには、ピンジャックタイプとシガーソケットタイプがあります。搭載されている出力ポートや口数は蓄電池によって異なります。使いたい電化製品の数や種類に合わせて選ぶようにしましょう。

照明や冷蔵庫など、停電とほぼ同時に使いたい家電がある場合は、こちらのポータブル蓄電池が最適です。自動的に電気が供給されるので、慌てているときや外出中でもすぐに電気がつく機能つきです。

誤ったバッテリー選びで家電が故障するかも!地味ながら要チェック「電圧の出力波形」

ポータブル蓄電池選びであまり知られていない「出力波形」というものがあります。出力波形は、矩形波・疑似正弦波・正弦波(サイン波)の3つのタイプがあります。

使う機器によっては故障する可能性もあるため、注意しなければなりません。

ここではその理由や3種類の出力波形の違いを説明していきます。

安い製品は矩形波・疑似正弦波タイプで、おすすめなのは正弦波タイプです。

矩形波・疑似正弦波タイプの価格は安いのですが、冷蔵庫やテレビ、PCなどの精密機器には使えません。携帯の充電や点灯のみなど、用途が限られることを理解したうえで選ぶようにしましょう。

正弦波タイプの価格は高いのですが、冷蔵庫やテレビ、PCなど多くの電化製品に使うことができるのでおすすめです。

また、ACアダプター出力時の周波数(Hz、ヘルツ)は、東日本では50Hz、西日本では60Hzと地域によって異なります。周波数が合わないと使えない電化製品もあるので、どちらも使えるモデルを選ぶといいでしょう。

災害対策にはソーラーパネル対応の蓄電池がおすすめ

ソーラーパネルと蓄電池

ポータブル蓄電池の充電方式にも気をつけて選びたいところです。

一般的に、ポータブル蓄電池を充電するのはACアダプター、シガーソケット、ソーラーの3種類があります。災害時に使うポータブル蓄電池には、家庭用電源から充電するACアダプターだけでは足りません。災害で停電し、電力の供給が途絶えるケースも想定されるためです。

コンセント以外で充電できることも、災害対策のポータブル蓄電池にとって重要なのです。

ソーラーパネルとポータブル蓄電池は、別売りになっている製品とポータブル蓄電池とセット販売になっている製品があります。両方を比較した上で、価格や目的に合った製品を選ぶといいでしょう。

ソーラーパネル対応の蓄電池は、太陽が出ている時間に充電できるため電気が不足する心配がありません。長期化する可能性もある災害時に、ソーラーを使って電力を確保できるためおすすめです。

車内泊ができるなら、シガーソケットに対応した蓄電池も有効です。

安全性の高いポータブル蓄電池を選ぶには?

モバイルバッテリーから、火災が発生した事例があることから、ポータブル蓄電池を選ぶときには、安全性についても確認しておきましょう。

モバイルバッテリーと同じリチウムイオンバッテリーを内蔵した製品も多いので、ポータブル蓄電池に対しても安全性が重要視されています。

安全性の高い製品を選ぶ目安としては、「PSE検査」に合格した製品であることが基準になります。PSE検査合格製品なら、電気用品安全法(PSE)に適合していることの証明になるので、安心して使えるでしょう。

また、ポータブル蓄電池の保証期間は、製品によっても異なりますが、一般的には1~2年程度とされています。安全に使用するためにも、購入時には製品ごとの保証期間も確認してください。

災害時の電気確保にピッタリのポータブル蓄電池を選ぼう

急な停電や災害時には、生活に必要な電化製品を使える電源を確保することが大切です。災害用にポータブル蓄電池を用意する場合は、必要とする容量も重要ですが、機能や性能、安全性などにも着目し、各家庭に最適の製品を選びましょう。

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