シャープの蓄電池

日本の蓄電池メーカーの中で、シャープは大きなシェアを占めています。蓄電池と太陽光との組み合わせにより電気を有効活用することを目指し、製品を開発しているメーカーといえるでしょう。

この記事では、シャープの蓄電池の特徴やメリット、デメリットなどを紹介します。蓄電池の購入を検討するときの参考にしてください。

国内シェア1位の実績 シャープの蓄電池

研究

はじめに、シャープの蓄電池関連の実績について紹介していきます。シャープは、住宅用太陽光発電やメガソーラー発電など、太陽光発電事業を幅広く行っている定番メーカーです。蓄電池の出荷台数の実績では、2017年度に1位になりました。

蓄電池の性能を簡単に使いこなすためのサポート機能に強みを持ち、電気の使用状況がすぐにわかるシステムを搭載しています。各家庭のライフスタイルに合わせて選べる、モード機能などが充実していることも特徴です。

「経済性モード」では売電と節約を両立し、「クリーンモード」では環境に配慮して太陽光からの電力を優先的に使用できます。

太陽光発電との連携もしやすく、マルチエネルギーモニターで発電や蓄電状況が一目でわかる利便性、管理のしやすさも見逃せません。本体がコンパクトで、設置しやすいことも特徴です。

シャープの家庭用蓄電システムの特徴と性能

シャープの蓄電池は、大容量でもコンパクトなのが特徴といえるでしょう。ここでは、コンパクトタイプ、大容量タイプ、屋内専用のミドルタイプの製品を挙げ、それぞれの特徴と性能を紹介していきます。蓄電池を購入するときには、比較検討の材料にしてください。

省スペース重視の家庭にピッタリの蓄電池

 

コンパクトサイズの「JH-WB1621」は、蓄電池を設置できるスペースが限られる場合におすすめです。また、機器を設置するスペースをできるだけ少なくし、部屋を広く使いたい家庭にも向いています。容量は4.2kWhなので少ないように見えますが、標準的な電気使用量の家庭には最適でしょう。

太陽光発電と併用する場合にも、ハイブリッドパワーコンディショナ1台で制御できるため省スペースです。屋内に壁掛けもできるので場所をとりません。屋外設置の場合は簡易基礎で済むため、工事期間を短縮でき低コストになるメリットもあります。

電気使用量が多いなら大容量タイプ

 

大容量タイプの「JH‐WB1821」は8.4kWhで、電気使用量が多い家庭に向いています。電気代が安い夜間電力を貯めて日中使う方法では、たっぷり電気を貯めて使えるので安心です。また、太陽光発電の電力を貯めて夜間に使えば、上手に電気代を節約できます。

屋外に設置する場合にも、大容量にも関わらず簡易基礎を施工するだけなので、大幅に工期を短縮できます。簡易基礎は、コンクリートの上に設置することが推奨されているので、確認しておくといいでしょう。

屋内に設置できるスリムタイプの蓄電池

「JH‐WB1711」は、屋内設置用タイプの蓄電システムです。屋外に設置できない寒冷地や、塩害地域などのエリアにおすすめです。室内専用に開発されているため本体がスリムで、クローゼットや階段下などの、ちょっとした空きスペースにも設置できます。

太陽光発電との連携により、余って貯めた電力の売電と使用が同時にできる点も見逃せません。電気を多く使う時間帯や災害時の停電に備えて充電できるので、いざというときにも安心です。

シャープの蓄電池は停電のときにも大活躍

停電のとき蓄電池

万一、停電が起こったときには、リチウムイオン蓄電池をどのように活用すればいいのでしょうか。

4.2kWhのリチウムイオン蓄電池を満充電にしておいた場合、1日に使用できる家電の目安は以下のとおりです。

  • 冷蔵庫:24時間
  • テレビ:3時間
  • 照明:5時間
  • スマートフォンの充電:1台

容量の大きい6.5kWhのリチウムイオン蓄電池でしたら、上記の家電に加えて炊飯器も1日1回、スマートフォンは3台分が充電可能になります。

停電のときに家全体で電気が使える蓄電池が豊富

特定負荷と全負荷

一般的に蓄電池は、停電時に使用できる家電製品が限定される「特定負荷」タイプと、家全体で電気が使える「全負荷」というタイプがあります。家全体で電気が使えると停電中も普段どおりの生活ができて安心感がありますが、蓄電できる電気が多くなり、高額な傾向があります。

特定負荷タイプはリーズナブルで取り入れやすいのが長所ですので、「ここだけはしっかりと停電に対応できて欲しい部屋を選ぶ」のがポイントです。

https://www.tainavi-battery.com/library/369/

シャープの「クラウド蓄電池システム」とは

クラウド蓄電池システム

シャープのクラウド蓄電システムは、蓄電池、ハイブリッドパワーコンディショナ、マルチエネルギーモニターがセットになった蓄電システムです。太陽光発電と蓄電池を、同時に制御できるようになりました。

一般的な蓄電池との違いは、これまで太陽光と蓄電池に2台必要だったパワーコンディショナーが、1台にまとめられたことです。メリットは、設置機材を減らすことで低コスト・省スペース化できることです。太陽光から発電した電気を無駄なく使えることも、メリットとして挙げられます。

太陽光発電からの電力が無駄にならない理由は、パワコンの出力を超えて発電した電力を蓄電できる能力があるからです。さらに、電力を行き来させる機材が減るため変換回数が少なく、ロスが減ることも、効率化に貢献しています。

停電中でも安心して生活できる機能

停電の時に蓄電池システム

SHARP(シャープ)は、2019年10月にクラウド蓄電池システム「JH-WBPB6150」を発売しました。従来の製品よりも、停電した際の電力供給機能が充実しているのが特徴です。

今までの蓄電システムでは、停電時に一部のコンセントしか使えませんでしたが、JH-WBPB6150では家中のコンセントが使用できる全負荷タイプになりました。

停電時にもコンセントを差し替えたり、使う家電を選んだりする手間がなく、より便利に使えます。

蓄電池の容量が6.5kWhに増えたいるにも関わらず、従来よりもサイズがコンパクトになりました。この連携型のシステム構成には、太陽光発電の電力を効率よく使える「ハイブリッドパワーコンディショナ」を含んでいます。

周辺機器をすべて合わせた場合の本体価格は、286万円ほどになる見通しです。

https://www.tainavi-battery.com/library/201/

最大出力電力が大幅にアップ

「JH-WBPB6150」では、最大出力電力を大きく向上させたところが特に注目したい点です。

停電時の出力電圧は200Vにも対応できるようになりました。災害などの影響で急に停電が起こっても、大型エアコンやIHなど200V電源を必要とする家電製品も使えます。

停電時に家中のどのコンセントでも使えるので、生活に必要な多くの家電機器を同時に使用できるようになりました。家電の使用可能時間も長くなるので、万一停電が長期化しても安心でしょう。

蓄電池を2台組み合わせることも可能

「JH-WBPB6150」では、1台のパワーコンディショナーに対し、6.5kWhのリチウムイオン蓄電池を2台連携することができます。

連携が可能になったことで、最大13kWhまで貯めることができるようになりました。最初は1台のみの使用だったとしても、家族が増えた場合や、電力使用量の増加などに応じて、後から1台追加することもできます。

消費電力の多い家庭では、災害などの非常時に備えて2台を組み合わせて使うことも検討しておきたいところです。

蓄電池がさらにコンパクト化

「JH-WBPB6150」の蓄電容量は、同じシャープ製の従来機よりも増えて6.5kWhになりました。機器の容量が大きくなれば、一般的には奥行きや高さ・重量なども大きく、重くなります。

JH-WBPB6150本体の形寸法は、従来モデルよりも5%のコンパクト化を実現しました。以前よりも狭いスペースでも設置が可能になるので、設置場スペースへの不安も軽減されるでしょう。

JH-WBPB6150は、屋内・屋外のどちらの設置にも対応が可能です。設置場所の選択肢が多いのも本製品の特長です。

シャープの蓄電池の価格とスペック

シャープの蓄電池の本体価格とスペックをまとめました。

製品名蓄電容量
JH-WB16214.2kWh
JH‐WB18218.4kWh
JH‐WB17116.5kWh
製品名JH-WB1921
希望小売価格238~262万円(パッケージ価格)
蓄電容量6.5kWh

シャープの蓄電池は充実した保証内容が魅力

シャープの蓄電池の導入を検討するときには、保証内容についても知っておきましょう。この項では、シャープの保証内容について、どのような点が充実しているのかを解説するので、ぜひ参考にしてください。

保証期間と寿命は、いずれの機種も以下のとおりです。

保証期間寿命
15年保証(有償)
または10年保証(無償)
1万2000サイクル
(1日1.5回の充放電で約20年)

無償でも10年は保証が受けられる

保証

シャープの蓄電池を購入する際に、「10年保証」を選んだ場合は、無料で機器保証が受けられます。その場合は、導入時に保証費として別に費用を支払う必要はありません。

蓄電池本体のほか、ハイブリッドパワーコンディショナ、電力モニタ、クラウド連携エネルギーコントローラなども機器保証の対象になっています。

蓄電システムは長期にわたり使用する機器なので、周辺機器に不具合が起こる可能性も否定できません。無料で10年まで充電可能容量の60%保証が付く長期保証も、シャープの蓄電池の魅力といえるでしょう。

後付けの場合でも無償で10年保証

シャープでは、蓄電池をシャープ製の太陽光モジュールに後付けした場合についても、10年間の長期保証の対象としています。

ただし、後付けで10年間の保証を受けるには、蓄電池がシャープの指定モデルであることが条件です。

設置済みの太陽光発電システムに蓄電池を増設した場合は、もともと設置している蓄電池と同一のモデルであることが条件とされています。

蓄電池を後付けする場合は、モデルの型番などをよく確認しておく必要があります。

有償で付けられる15年保証

シャープの蓄電池は、導入時に有償の15年保証か無償の10年保証かのどちらかを選べるようになっています。より長期間の保証が付く15年保証を選んだ場合、引き渡しから15年間は、充電可能容量の50~60%が保証されます。

15年保証は有償になるものの、その分保証内容が充実しており、安心を買うという意味でぜひ検討しておきたいものです。

保証料金は蓄電池の容量によって異なり、3万3000円~9万5700円となっています。10年保証、15年保証へ申し込みをする場合、どちらも蓄電システムの導入から1カ月以内に行わなければなりません。

https://www.tainavi-battery.com/library/206/
https://www.tainavi-battery.com/library/402/

シャープの蓄電池のメリット・デメリット

メリット・デメリット

3機種とも、インターネット上でクラウドに接続できる蓄電池システムに対応しています。電気代の安い夜間や太陽光発電で余った電力を蓄電できるので、電気代が無駄になりません。

一般的な蓄電池と異なる点は、天気予報や家庭内の電力使用量などの情報を取り込み、電気代が最安となるように蓄電池を最適に運転してくれることです。

シャープの蓄電池は高性能でコンパクトなのが特徴です。メリットの多いシャープの製品にデメリットは特に見受けられないのですが、あえて挙げるとすれば価格といえるかもしれません。導入するときには、両面から見た特徴をつかんでおくことも必要です。

コンパクトで使い勝手のよさが魅力

蓄電池Webモニタリングサービス

シャープの蓄電池のメリットは、どの製品もコンパクトなので、屋内や屋外のスペースを有効活用できることです。狭いスペースでも設置できるので、これまでためらっていた人も導入しやすいでしょう。

また、クラウド蓄電システムにより、蓄電池の運転を最適にしてくれることもメリットです。太陽光発電を組み合わせるメリットも見逃せません。太陽光からの余った電力を蓄電しておき、発電量が少ないときに蓄電池から電力を供給するという判断を自動で行います。

シャープの蓄電池は、「蓄電池Webモニタリングサービス」により、専門の担当者が毎日蓄電状況をチェックしています。不具合があれば知らせてくれるので、すぐに点検や修理ができるメリットも得られるでしょう。

初期費用が難点? 対策は

初期費用

シャープの蓄電池のデメリットを知り、対策を取っておきましょう。シャープの蓄電池に限ったことではないのですが、蓄電池システムの導入には初期費用がかかることがデメリットといえます。

メーカーが希望小売価格を提示しているものの、工事費を含んだ費用は業者によって価格差があります。太陽光発電との同時購入は、別々に買うよりは安いのですが、できるだけ安く購入できる方法を選ぶべきでしょう。

シャープの蓄電池を安く設置するなら、複数の業者を比較して、最安で設置できるところに依頼することをおすすめします。

https://www.tainavi-battery.com/library/223/
https://www.tainavi-battery.com/library/235/

シャープの蓄電池は運転モードで最適化

シャープの蓄電池を有効に使うには、どうすればよいのでしょうか。この項では、普段の生活のなかでシャープの蓄電池を上手に使いこなす方法を解説していきます。

対案

効率的に売電できる「経済性モード」

シャープの蓄電池を利用して効率的に売電するには、「経済性モード」を活用するといいでしょう。経済性モードは、売電による収入を得たい場合におすすめのモードです。

日中に太陽光発電システムで発電した電力を売電して、夜間の安い電力を蓄電池に貯めて使用します。貯めておいた電力を発電量の少ない時間帯に使えるので、日中の割高な電気を買わずに済むのです。

電気料金は年々値上げが進んでいるので、昼間の電力を購入する量を減らすことで、今後も節約ができるでしょう。

経済性モードには、買電中に自動で放電する「自動」設定と、放電する時間を設定できる「時刻指定」設定があるのでニーズに合わせて使い分けましょう。家庭の消費電力を削減しながら効率的に売電する方法としておすすめです。

https://www.tainavi-battery.com/library/306/

太陽光発電ユーザーにおすすめ「グリーンモード」

蓄電池のグリーンモード

太陽光発電システムと蓄電池の連携により、買電を抑えるのが「グリーンモード」です。グリーンモードは、電力をできるだけ購入しない仕組みになので、電力会社から購入する電気の量を抑え、電気代を削減できるようになります。

グリーンモードにすると、昼間に太陽光発電システムで発電した電力のうち、使用せずに残った余剰電力を蓄電池に貯めます。貯めておいた電力は、夕方や早朝などの発電量が少ない時間に使うことで買電を減らすことができるでしょう。

夜間に電力を蓄電することも可能なので、電力会社の時間帯別電灯のプラン(深夜の電気代が安いプラン)を利用すれば電気代が抑えられます。

使う電気を太陽光発電システムだけでまかないたい人、発電した電気をすべて自家消費したい人におすすめの運転モードです。

https://www.tainavi-battery.com/library/992/

シャープの蓄電池を安く設置するなら一括見積もり

一括見積もり

シャープの蓄電池は性能がよく、クラウド蓄電システムにより効率的に電気を使用できます。また、サービスや保証も充実しているため、長期使用でも安心して使うことができることがわかりました。

ただし、導入にかかる初期費用はできるだけ抑えておきたいものです。シャープの蓄電池を安く購入するなら、タイナビ蓄電池の一括見積りを利用し、価格を比較して決めるのがおすすめです。複数の業者からの見積もりを手間なく得られるので、その中から選ぶといいでしょう。