あいでんきのメリット・デメリット

固定買取期間の終了後を見据え、電力各社から新しい電気料金プランが続々と登場しています。そんな中、東京電力の子会社TRENDEから発表されたのが、太陽光発電+蓄電池利用を前提とした「あいでんき」というプランです。

固定価格買取制度(FIT制度)を利用しているユーザーの中には、卒FIT時に備えて蓄電池の導入を検討している人も多いのではないでしょうか。

「あいでんき」では蓄電池をAIで制御することで、各家庭の事情に合わせて効率よく電気を使えると謳っています。太陽光発電と蓄電池を併用する人にとっては、メリットが多いように思えるかもしれません。

それでは、本プランは卒FIT後の蓄電池の活用方法として適しているのでしょうか。プランの内容や利用上の注意点について解説します。

蓄電池専用の電気料金プラン「あいでんき」はどんなサービス?

「あいでんき」は、グリッドシェアジャパン株式会社提供の「グリッドシェアサービス」に加入者向けのサービスです。

その特徴は、蓄電池システムとAI(人工知能)の連携にあります。AIを活用することで、各家庭の事情や天候に合わせて蓄電池の充蓄電を最適な状態にコントロールしてくれます。

具体的には、その家庭の電気の使われ方を学習させ、翌日に必要になる電力量を予測し、さらに天気予報から翌日の太陽光発電からの発電量の見込みも予測します。そして、そのデータをもとに蓄電池への充電と電気を使う際の放電の量を調整していくのです。

例えば「平日の日中は家族が不在で使用する電力量が少なく、また翌日の天気予報は晴れである」といったケースを想定してみましょう。この場合は、日中に太陽光発電からの発電が見込め、しかも必要な電力も少ないため、深夜の蓄電池への充電は少なめにするといった形で調整されることになります。

あいでんきの利用条件

蓄電池利用の電力プラン「あいでんき」を利用するには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

1.グリッドシェアジャパン株式会社とグリッドシェアサービスを契約していること(2年間は解約不可)

2.太陽光発電設備を設置および稼働させていること

3.東北電力、東京電力、中部電力、関西電力、中国電力、九州電力管内に住んでいること

4.グリッドシェアサービス対象の蓄電池システムを設置すること(していること)

指定のエリアに居住して、なおかつ指定の設備を備えること。そして、最低でも2年間契約を続けることが条件として明記されています。

蓄電池+AIの電気料金プラン「あいでんき」のメリット

AIの活用という点で革新的な「あいでんき」ですが、実際に加入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。以下、具体的に見ていくことにしましょう。

自宅に最適化した電力制御で節電効果も!

1つ目のメリットは、各家庭の事情に合わせて、家庭で使う電気を常に最適な状態に制御できるということです。

蓄電池・太陽光発電のコントロールにAIを活用するというのは、一般家庭向けとしては「あいでんき」が初です。

AIはどんどん学習していくため、使うほどに自分の家庭のライフスタイルに合ったオンリーワンのサービスに近づいていきます。現状では、期待できる最高の性能を持ったサービスといえるでしょう。

「あいでんき」では蓄電タイムとそれ以外の時間帯で電気料金を分け、蓄電タイムの電気料金を割安に設定しています。そのため、この電力プランを利用すると、月1500円程度の電気代節約が可能になる見込みです。

蓄電池は大容量で使い勝手が良い機種をピックアップ

2つ目のメリットは、採用されている蓄電池の性能が優れていることです。

「あいでんき」では、伊藤忠商事とエヌエフ回路設計ブロックが共同開発した「Smart Star L × GridShare」という蓄電池システムを利用します。

自由に蓄電池が選べないのはデメリットのように思われるかもしれませんが、「Smart Star L × GridShare」は使い勝手の点では優秀な蓄電池です。スペック面であまり心配する必要はないといえるでしょう。実際の仕様については以下の通りです。

  • 定格容量:9.8kWh、実効容量(実際に使える電力)8.8kWh
  • 期待寿命:6000サイクル(サイクル=充電と放電を1セットとして、充放電できる回数)
  • 出力:最大3kV、停電時でも200Vの出力が可能
  • 屋外設置対応

まず注目するべきは、容量の大きさです。

各メーカーから発売されている家庭用蓄電池は容量5kWh前後のものが主流で、もっとも容量の多いもので12kWhくらいとなっています。「Smart Star L × GridShare」の9.8kWhは、家庭用としてはかなり容量が大きいことがわかるでしょう。

具体的には、各家庭で丸一日使えるくらいの電気を蓄えておくことができます。

しかも、停電時には家全体に電力供給ができるのもメリットです。

一般的な蓄電池や太陽光発電は専用コンセントからしか電気を使えず、同時に使える機器の数が限られてしまいます。しかし、家全体に電力を供給できる「Smart Star L × GridShare」なら自宅のコンセントが自由に使えるのです。

しかも200Vの出力が可能であることから、エアコン、乾燥機、エコキュートなどの200V機器も使えます。停電時でもほぼ普段通りの生活が営めるはずです。

蓄電池+AIの電気料金プラン「あいでんき」のデメリット

あいでんきのデメリット

「あいでんき」の電気料金プランは、誰にとっても向いているとは言い難い事情があります。デメリットになりえるポイントをチェックしていきましょう。

月額料金がかかる

1つは、ランニングコストの問題です。

「あいでんき」を利用するには、グリッドシェアジャパン株式会社が提供する「グリッドシェアサービス」に加入する必要がありますが、このサービスを利用するには、月額1200円(税別)の利用料金が必要です。

「あいでんき」は月に1500円程度の節約が見込めるとされているプランですが、利用料金を差し引くと実質的な節約効果は月に300円程度となってしまいます。「金銭的なお得感が少ないのでは?」と感じる人もいるかもしれません。

利用できる蓄電池が限られている

2つ目のデメリットは、蓄電池を選べないことです。

「グリッドシェアサービス」が利用できるのは、指定の蓄電池(LL3098HOS、NX3098HOS)となっています。そして、これらの蓄電池は機能面では申し分ない製品ではあるものの、希望小売価格が285万円と高額です。同じ9.8kWhの蓄電システムでも、オムロンの製品(フレキシブル蓄電システム)なら100万円程度で購入できます。

こうした価格面のことを考えると、すでに蓄電池を設置している人にとっては、買い替えてまで利用するメリットがあるのか悩ましいところです。導入前に、費用や性能のバランスについて良く考える必要があるといえるでしょう。

指定の蓄電池はAI制御による充放電の最適化が売りですが、一般的な蓄電池も大体の機種で状況に応じた放電モードを選べます。AIによる高度な制御を求めなければこれで十分という人もいるはずです。

初期費用が下げにくい

3つ目は、初期費用の値引きが難しいことです。

特に、現在蓄電池を持っていない人の場合、グリッドシェア対象の蓄電池を選択肢に入れるケースもあるかもしれません。ただし、指定の蓄電池を使う場合には、値引きが難しいということは知っておいても良いでしょう。

初期費用を効率よく下げるコツは、複数の業者に価格競争させることです。引っ越しや車購入の際に「他社では○○円だった」と言い、価格を競い合わせて値引き交渉した経験はないでしょうか。

蓄電池でも同様に、複数の業者から見積りを取れば業者間で価格競争が起き、値段も下がりやすくなります。また、複数の見積りを比較検討し、もっとも条件の良い業者を見つけることも可能です。一方、グリッドシェアの蓄電池は指定された業者で買うしかないので、値引きが難しいのです。

蓄電池関係の初期費用を抑えたいなら、やはり一括見積りできる他メーカーの機種がおすすめです。
「タイナビ蓄電池」では、複数の業者の見積りをまとめて取ることができ、価格や内容を簡単に比較できます。お得に蓄電池を購入したい人には、試してみて欲しいサービスです。

「あいでんき」に向いている人・向いていない人

これまで紹介したあいでんきのメリット・デメリットを踏まえ、このプランに向いている人・向いていない人を考えてみましょう。

まず、あいでんきに向いている人はこんな人です。

  • せっかく太陽光発電も蓄電池も利用するなら、効率にこだわって最適な使い方をしたい人
  • 費用がかかっても、蓄電や放電などの設定はAIにお任せしたい人。

費用がかかったとしても、AIを利用して効率よく電気を使いたい人に向いているといえます。一方、次のようなタイプの人は、あまり向いているタイプとはいえないかもしれません。

・すでに蓄電池を設置していて、新たに購入しなおすことに抵抗のある人
・太陽光発電や蓄電池にかかる初期費用を抑えたい人
・AIによる高度なエネルギー制御性能は必要ない人

蓄電システム自体が高価なので、価格以上の価値を見いだせない人だと活用は難しいのではないでしょうか。

あいでんきに不向きな人が蓄電池で得をするには

先端技術を利用した「あいでんき」の電気料金プランは使用する蓄電池の性能も良く、また、サービス内容も優秀です。

その一方、機種が選べない上に2年縛り契約など、加入条件が厳しいので、向き・不向きがはっきり分かれるプランといえます。特に、導入時に初期費用がかかってしまうのはネックでしょう。AIによる完璧な制御までは望まなくても、蓄電池に搭載された制御機能で十分に節電・売電量の確保ができるという方もいるかもしれませんね。

タイナビの一括見積りを活用すれば、複数の業者が提示した中から、もっとも有利な条件で契約できるプランを探せます。優良業者しか掲載されていないので、安心して業者選びができるのもメリットです。見積りを賢く使って、お得に購入しましょう。