蓄電池のメリット

毎年のように各地で自然災害が起きる中、停電への備えとして蓄電池の導入を検討している人もいるのではないでしょうか。

特に太陽光発電システムの設置を考えている人の場合、蓄電池を一緒に導入することでさらに効率よく発電した電気を使えるようになります。そのため、太陽光発電と蓄電池を同時に設置することを勧められるケースもあるでしょう。

蓄電池の役割や補助金について、正しく理解してから購入を検討しましょう。

ここでは蓄電池を購入するメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

蓄電池を設置するメリット

家庭用蓄電池の長所は

蓄電池を設置することには、さまざまなメリットがあります。ここでは、各家庭で蓄電池を導入する主なメリットを3つ紹介します。

非常時の電源を確保できる

蓄電池を設置していると、停電時でも電気が使えるようになります。フル充電で使える時間は蓄電池の容量によって異なりますので、ここでは定格容量5kWh、定格出力2kVAの蓄電池を例に、何をどのくらいの時間使えるのか紹介します。なお、()内は一般的な消費電力を表します。

  • スタンド型LEDライト(8W)
  • 冷蔵庫(375W)
  • 携帯電話充電器(15W)
  • 32型テレビ(50W)
  • ラジオ(8W)

これらを全部合わせると合計456W。蓄電池に溜めた電気だけで、だいたい10時間程度の使用が可能です。使い方によっても消費電力は異なりますが、数時間の停電なら十分にしのげます。

2011年の東日本大震災では、東京電力管内で1日3時間程度の計画停電が行われました。しかし、こういったケースでも、蓄電池があれば普段通りに近い生活を送ることができるのです。

太陽光発電との組合せで電気代を節約できる

太陽光発電と蓄電池を組み合わせて使うと、大幅に電気代を節約できる可能性があります。例えば、夜間の電気代が安い電力プランにするケースを考えてみましょう。

この場合、深夜の時間帯に安い電気を蓄電、日中は太陽光発電で発電した電気を使用、太陽光発電でまかなえない時間帯は蓄電池から放電して電気を使う、という使い方をすると、電力会社に支払う電気代を大幅に減らすことが可能になります。

光熱費が高くなりがちな夏と冬の節約に、大いに役立つはずです。

太陽光発電の卒FIT後の自家消費に備えられる

太陽光発電をしている人の場合、蓄電池を購入すると発電した電気を無駄がなく自家消費できます。

太陽光発電の固定価格買取制度(FIT制度)で売電収入を得ている人の場合、固定価格で買い取ってもらえる期間は10年間(10kW以上の場合は20年間)です。FIT期間が終わった後は、電気の買取価格は1kWhあたり8円程度まで下がることが予想されています。

一方、電力会社から購入する日中の電気代の平均は、1kWhあたり27円。卒FIT後の売電価格よりもかなり高いのが実状です。つまり、太陽光発電の電力を11円で売って、電力会社から電力を27円で買うのではなく、発電した電力を自宅で使ってしまった方が家計にとってお得ということになります。

蓄電池を設置するデメリット

蓄電池の短所

蓄電池を導入することにはメリットだけでなく、デメリットもあります。ここでは、蓄電池を設置するにあたって知っておくべきデメリットを3つ紹介します。

初期費用が高い

蓄電池のデメリットの1つに、値段が高いということがあります。蓄電池の価格は蓄電容量によっても異なりますが、5.0kWhで約90万円程度、7.8kWhで約160万円程度が相場です。

蓄電池の価格相場は次第に下がってきており、手が出せない金額ではなくなってきています。しかし、まだ手軽な金額とは言いえません。蓄電池があることの安心感や利便性も考えた上で、どうするか検討してみるとよいでしょう。

「蓄電池は欲しいけれど資金が足りない」という人は太陽光発電と一緒に購入して同時にローンを組み、売電収入を月々の返済にあてるという方法もあります。

設置スペースが必要

蓄電池を設置するためには、ある程度のスペースを確保する必要があります。しかも、どこでもよいというわけではなく、蓄電池に適した場所に設置しなければなりません。不適切な場所を選ぶと劣化を早める原因にもなります。たとえば、屋外型の場合、高温多湿や低温になりすぎる場所は不適切です。

室内型は、キャスターがついて移動できるタイプ、小型タイプなどもありますが、横452mm×高さ656mm×奥行き120mmくらいのサイズが目安です。これくらいのサイズの機器が室内にあると、圧迫感を感じるという人もいるでしょう。

メーカーによっては壁掛け式のものもあり、こちらは電気の配電盤のような見た目です。インテリアや、収納スペースを圧迫しないという視点で機種を選ぶのも良いですね。

設置スペースに関する相談は、設置業者の見積もり段階で可能なため、しっかり確認しておくと安心です。

充放電回数の寿命で交換が必要

家庭用蓄電池は主に「リチウムイオン蓄電池」が採用されています。「リチウムイオン蓄電池」の充放電回数(発電した電気を貯める回数・貯めておいた電気を使う回数)には限りがあるため、一度買った電池をずっと同じ状態で使い続けられるわけではありません。

充電容量(残存容量)がだんだんと減っていき、いずれ交換する必要が出てきます。

蓄電池の寿命については、何年と明確に決まっているわけではありません。メーカーの蓄電池の保証が10年となっているケースが多いことから、10年という数字が1つの目安になるでしょう。10年経つと直ちに使えなくなるというわけではありませんが、電池の使える容量が減ってしまう可能性が出てきます。

蓄電池を買ってからしばらくは電気料金の節約額で投資の元をある程度回収し、劣化が目立ってきたら非常時の予備電池としてストックする運用も選択できます。

蓄電池購入に対する補助金制度を利用しよう

蓄電池を購入する場合、補助金が受けられる可能性があります。ただ、蓄電池の補助金制度は各自治体が独自に設けているものですので、詳しい条件や金額は自治体によって異なります。

ここでは、2018年度の各自治体による補助金の一例を紹介します。

埼玉県狭山市 定置用リチウムイオン蓄電池、エネファーム:5万円
神奈川県座間市 リチウムイオン蓄電池:4万円
静岡県沼津市 定置用リチウムイオン蓄電池:1基当たり8万円

補助金については申し込み期限や予算が決まっている場合があります。補助金の利用を検討するつもりなら、申し込みのタイミングなどには十分に注意しましょう。たとえ期間内でも予算が終了すれば、その年の補助は打ち切るケースも考えられます。

さらに、昨年度あった補助金制度が今年度以降も存続するとも限りません。補助金関連の情報については、常に最新の情報を確認してください。

蓄電池にはメリットもデメリットもある!どちらも理解した上で見積もりを

蓄電池には、非常時の備えになる、電気代も節約できるなど、非常に大きなメリットがあります。設置スペースや費用の問題はありますが、長期的に考えればデメリットをメリットが上回るケースが多いのではないでしょうか。

特に太陽光発電システムとの組み合わせは、作った電気を無駄なく活用できるのでおすすめです。今なら補助金を受けられる可能性もあるので、お得に購入できるかもしれません。

ただ、補助金制度があるとはいえ、太陽光発電システムや蓄電池は、消費者にとっては大きな買い物です。だからこそ、購入に当たっては慎重に振る舞うべきといえます。業者に入念に下見してもらい、相談にのってもらいましょう。

また、納得のいく価格で契約するためにも、必ず複数の業者に現地を見に来てもらい、相見積もりをとることをおすすめします。